川崎市の性感染症専門クリニック 宮本町中央診療所院長による性感染症についての正しい知識や相談にお答えするブログ:川崎市の宮本町中央診療所の尾上院長がクリニックに寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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ヘルペスの治療に包茎手術?!

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再度、同じドクターから“性器ヘルペス”の治療についてのご質問がありましたのでそのお話をいたします。

【相談】
先日はご教授ありがとうございました。 でもわたしはバルトレックスを何時も1週間を始めに出して終わりにしていました。 何も問題がないようでした。追加はしていません。外用はゲンタシンかリンデロンVGクリームを使っています。 包茎内に出来る人は包茎を手術した方が出来る頻度が減って、 出来ても軽く終わるという経験と考えを持っていますが、先生も同じ考えでしょうか?
宜しくお願いいたします。

【回答】
保険診療において、初感染(あるいは初発)の場合は投与期間は10日間まで投与可能です。ですから7日間はOKです。しかし、再発の場合は5日間が限度ですから、7日間投与は不適切です。 前回お話いたしましたが、外用薬は必ずしも必要ではありませんが、 病変部位(ビラン面、潰瘍面など)を消炎、保護する意味ではよろしいかと考えます。ゲンタシン軟膏でも良いと思います。
特にゲンタシン軟膏は細菌の二次感染を伴う場合あるいは二次感染を予防する意味では有効と考えます。 私は、基本的には、粘膜部、皮膚粘膜移行部にはリンデロンVG(ストロングタイプ)は使用しないようにしております。短期間であれば良いかもしれませんが、性器ヘルペスには用いない方がよろしいかと存じます。
性器ヘルペスと包茎の関係ですが、これについてはエビデンスがないので私にはわかりません。
性器ヘルペスの初感染は性感染症ですが、再発は何らかのストレスで発症してきますから本人にとっては性感症ではありません。しかも、性器ヘルペスは未治療(放置)でも皮膚粘膜症状は良くなりますから、 包茎の手術をした方が、再発頻度が減るか否かということはわかりかねます。
ですが、性器ヘルペスの再発は、同じ神経線維を伝わって、同じ個所(部位)に再発する傾向がありますから、再発する箇所がわかっていれば、その個所を含めた包皮を切除すれば再発頻度が減少するかもしれません。先生が言われるように包皮は再発部位としては最も頻度が高いと考えられますから、この包皮の部位を切除すれば臨床的意義はあるとも考えられます。

先生、いいご質問をいただきありがとうございました。
お元気で!

2012年01月06日

「性器ヘルペス」の治療は難しい

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最近、あるドクターから“性器ヘルペス”の治療についてのご質問がありましたので、今回はそのお話をいたします。

【質問】
性器ヘルペスにバルトレックス内服薬1週間と外用、アラセナと出して大丈夫ですか?
外用薬はゲンタシンの方がよいですか? 保険チェックの話ですが、宜しく願います。

【回答】
性器ヘルペスの一般的治療(重症例を除く)についてお話しします。

<初感染の場合>
先ずバラシクロビル(バルトレックス):1回500㎎ 1日2回 5日間投与します。
その後、症状の改善がみられなければ、さらに5日間投与できます。
しかし保険上、総計10日間が限度です。

<再発の場合>
バラシクロビル(バルトレックス):1回500㎎ 1日2回 5日間投与できます。
しかし再発例の場合、保険のシバリ上この5日間のみの投与になります。

<外用薬について>
先ず、抗ウイルス薬の内服薬(バルトレックス)を投与した場合は、 抗ウイルス薬の外用薬(アラセナA軟膏)の同時投与はできません。現在の保険診療では不適切な治療となります。
しかし抗ウイルス薬の内服薬を投与していなければ「抗ウイルス薬の外用薬」の投与が可能です。 また、抗ウイルス薬の内服薬(バルトレックス)を投与した場合の併用外用薬は下記のものをお勧めいたします。 非ステロイド外用薬(コンベックス軟膏、アズノール軟膏、スタデルム軟膏、白色ワセリンなど)、ゲンタシン軟膏などです。
この外用薬の使用の意義は、病変部(ビラン、潰瘍、発赤など)の消炎、保護作用などにあると考えています。 抗ウイルス作用ではありません。

<性器ヘルペス再発抑制療法>
年間に6回以上の再発を繰り返す場合、患者本人が希望すれば 再発抑制療法を積極的に導入すべきです。患者さんのQOLが向上し、パートナーにも恩恵があると考えます。

<最後に>
性器ヘルペスは外陰部だけに発症するものではありません。 尿道内、子宮腟部、肛門部、臀部などにも発症いたします。 目に見えないところにもウイルスの排泄があります。ですから、外用薬(抗ウイルス薬)の使用は患者さんにはあまりメリットがありません。
ここで外用薬(抗ウイルス薬)の実験データをご紹介いたします。
外用薬(抗ウイルス薬)を皮膚粘膜に塗布しますと、表皮基底層の抗ウイルス薬濃度は塗布して1時間後に ピークを認めましたが、その濃度も内服薬投与時の2分の1以下です。
しかも3時間後には濃度は低下していました。ですから、外用薬(抗ウイルス薬)は継続して何回も塗布すれば効果は多少ありますが、あまり患者さんにはメリットが望めません。
つまり抗ウイルス薬の内服薬(バルトレックス)の服用をお勧めいたします。
2006年にはFDA(USA)から以下のような勧告がありました。
『性器ヘルペスには外用薬を使うな!』
つまり、性器ヘルペスは皮膚・粘膜症状の病気が本体ではなく、 神経のウイルス感染症と理解すべきです。ウイルスは性器に感染すると神経を伝って腰仙髄神経節に遺伝子として潜伏感染(冬眠)します。 そして何らかのストレスがあると腰仙髄神経節に遺伝子として潜伏感染(冬眠)していたウイルスが 目を覚まし神経を伝わって、皮膚・粘膜まで上行しそこで性器ヘルペスとしての”花”を咲かせます。

先生、ご質問ありがとうございました。 

2012年01月06日

性器ヘルペスですか?!

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私の友人(50代)の亀頭部に発疹ができ、相談を求められました。

【相談内容】
数週間前にペニスのカリの部分に痛みがあり、気が付いたらその部分が赤く若干ただれた感じでしたので、最初は毛切れか何かと思い抗生剤軟膏で経過をみていましたが、あまり改善いたしません。 痛み等はほとんどありませんが、若干、すれた時に痛み(痒み?)を感じる程度です。
恥ずかしながら御相談した次第です。しかしながら、今朝ほど患部を確認しましたら、隆起性所見(水疱)のようなものが観察できましたので、 念のため本日の写真(デジカメ)をお送り致しますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 セックスパートナーはいますが、性風俗には何年も行っていません。 ヘルペスのようにも見えますし…
どのような病気が考えられるのでしょうか? 必要な検査はありますか? 治療法については?
 恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

【回答】
ありがとうございます。
早速、「今朝の亀頭部のデジカメ写真」を拝見いたしました。
確かに亀頭冠の左に小水疱が一つとその傍にビラン(ただれ)を認めます。
またその周囲の粘膜に炎症性発赤を認めます。 この写真と患部の症状(軽い痛み、かゆみ)から診断しますと、考えられるのは貴方のご指摘のように性器ヘルペス (単純性疱疹)の再発です。
今まで、性器ヘルペスを経験したことが無ければ、現在まで不顕性感染として症状(皮膚粘膜症状)が現れないで経過して きたものと思われます。
腰仙骨神経節に遺伝子という形で潜伏(眠っていた)していたものが、何らかのストレスで目を覚まし神経線維を伝わって 皮膚粘膜症状(亀頭冠の粘膜)として現れたものでしょう。
感染しても約70%の症例で無症状に経過いたします。

このようなケースを性器ヘルペスの初発 (現在まで不顕性感染として経過したもの)といいます。 初感染ではありません。
初感染は性感染症ですが、初発は貴方にとっては性感染症ではありません。
が、パートナーにとっては性感染症になりえます。
患者さんの多くは再発例の方です。初感染で受診してくる患者さんは少ないです。

治療としてはバラシクロビル(バルトレックス)1回500mg、1日2回5日間服用してください。 外用薬は必要ありませんが、粘膜面の保護をするために、亀頭冠のビラン部に 非ステロイド系の軟膏(例:コンベック軟膏)を塗布しては如何でしょう。
粘膜症状が消失して約1週間ほどすればセックスはOKです。
また最初の「数週間前にペニスのカリの部分に痛みがあり、気が付いたらその部分が赤く若干ただれた感じでした」 については何であったのか分りません。
お役に立てればよいのですが。
貴方の大切な息子さん(ジュニア)の幸せをお祈りいたします。

2011年11月07日

単純ヘルペス特異抗原検査法とは?(後編)

性器ヘルペスの特異抗原検査の検体採取方法について、お届けしています。
前回に引き続いて今回は、採取した検体の塗抹方法について説明いたします。

塗抹というのは、塗りつけること、塗布することを意味します。
① スライドグラスの2つのウェル(くぼみのある受け皿・直径約5mm大)に内側から円を描くように、こすらず、軽く叩くように塗抹します。
その際、綿棒に付着している検体すべてが塗抹されるよう、綿棒を少しずつ回転させ、ウェルからはみ出ないように塗抹する必要があります。
② 風乾:操作中検体が剥がれ落ちる原因となりますので、完全に乾燥させます。 ドライヤーの冷風で乾燥させることも可能です。
③ アセトン固定:検体の塗布してあるウェルにアセトンを滴下して固定し、蒸発させます。
以上で検体採取の作業は終了です。
あとは、検体がうまく採取できていれば成績報告が約5~7日後に出てきます。
この報告により、HSVの1型なのか2型なのかが判定できます。

このようにして、医師は検査をしているんですね。
お分かりいただけましたでしょうか?

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2011年09月12日

単純ヘルペス特異抗原検査法とは?(前編)

今回は少し専門的になりますが、性器ヘルペスの水疱の病巣基底部から
検体を採取し、性器ヘルペスの原因がHSVの1型なのか2型なのか
判定する検査法について具体的に勉強いたしましょう。

これは蛍光抗体法を用いて、型別判定を行う検査法です。
現在、性器ヘルペスの検査(単純ヘルペス特異抗原検査)の中で健康保険を適用でき、
かつ信頼できるものは、この検査法だけです。
水疱を認める状態で受診してきた場合にこの検査が可能です。
もちろんタダレ、ビランの状態でも検体採取は可能ですが、かなり検出率は低くなると思われます。
今回は、この単純ヘルペス特異抗原検査の検体採取方法について具体的にご説明することにいたします。

≪性器ヘルペスに水疱が形成している場合≫
①水疱に針を挿入し、上部の皮あるいは痂皮を剥がします。
②小ピンセットで、剥がした皮を除去します。
③ポリエステル綿棒を生理食塩水や精製水で軽く湿らせ、病巣基底部前面を綿棒で強くぬぐいます。

また、検体採取の注意点としては4つあります。
①早期の水疱病巣が検体としては最適です。
②水疱内容液は検体としては不適です。
③ウイルス感染細胞は病巣基底部にありますので、患者が痛いというくらい強くぬぐい、基底部の細胞を採取します。
④膿が出ている場合は、病巣基底部をかき乱さないように注意し、綿棒でまず膿をぬぐい去り、別の綿棒で検体を採取します。

次回は、検体の塗抹方法について説明します。
 (注:塗抹=塗りつけること、塗布すること)

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2011年09月12日

東日本大震災と再発するヘルペス(その2)

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前回は、大震災以降、当院に口唇ヘルペスや性器ヘルペスの再発の方があきらかに増えていること。
またそれが大震災やその余震によるストレスが原因であることをお話ししました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。

ヘルペスの再発はさまざまなストレスをきっかけとして、皮膚・粘膜症状として表れます。
神経節で眠っていたウイルスが、何らかのストレスで目を覚まし増殖し、神経線維を通って皮膚・粘膜に水疱として表れるのです。

それでは、このようなヘルペスの再発にどのように対処したらよいのでしょうか。
再発型のヘルペスの治療法は、既に確立されています。
バルトレックスという抗ウイルス薬を服用すれば、早く症状が落ちついてきます。
 
この病気は神経のウイルス感染症ですから、外用薬(塗りくすり)では良くなりません。
もちろん、放置しておいても、そのうちに皮膚粘膜症状は落ちついてきますが、神経節にウイルスは残存しており、小さなストレスでも再発する傾向になります。

完全に治療するには、是非、内服薬を服用しヘルペスウイルスの量を減らしましょう。
内服薬のバルトレックスが有効であることを、ぜひ覚えておいてください。
専門医でなくても処方してもらえます。

被災された皆さんを、日本中、世界中が応援しています。
被災地の一刻も早い復興を心よりお祈りいたします。

2011年04月23日

東日本大震災と再発するヘルペス(その1)

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去る2011年3月11日午後2時46分18秒の三陸沖を震源とした東北地方太平洋沖地震とともに東日本大震災は始まりました。
 
東北・関東は1000年に1度あるかないかの未曾有の地震と津波に襲われ、東北地方の沿岸の各地は瓦礫の地と化し甚大な被害をもたらしたことは、皆さんもご存知のことと思います。
 
加えて、それに伴う福島原発事故の発生、放射能や汚染水の被害等、今まで想像できなかった悪夢がまだ続いています。被災地の方々のことを考えると毎日、胸が痛みます。
 
この震災以降、気になっている現象があります。
それは、私の診療所に訪れる方の中に口唇ヘルペスや性器ヘルペスの再発の方があきらかに増えていることです。おそらく、他の医療機関でも同様な現象が見られていると思われます。
 
実はこの現象は、今回の大震災の影響の一つと考えられます。
たとえば、被災地ではいまだに、避難所等の劣悪な環境の中で生活をせざるを得ません。
また住みなれた地を離れ、関東地方などに移られた方も多いと思います。
慣れない地に疎開、避難されている皆さんも、さぞかしつらい日々を送られてことでしょう。

また、東北地方はもちろん、関東地方に住んでいる我々も、たび重なる大きな地震・余震を毎日のように経験しています。
私自身も“地震酔い症候群”のような症状に悩まされています。
これらは大変、大きなストレスです。
このストレスがヘルペス再発の原因であると考えられます。
当院のある都会でも増えているわけですから、東北の被災地ではヘルペスの再発が確実に増加していると考えられます。

ではストレスとヘルペス再発にはどんな関係があるのか、また、ヘルペスの治療法とはどんなものなのか?
これについては次回お話しすることにしましょう。

2011年04月23日

これって帯状疱疹?性器ヘルペス?その2

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前回は20代後半の元保母さんの女性が、帯状疱疹の症状を訴えて受診してきたという

お話をしました。詳しくはバックナンバーをご覧ください。

前回書きましたように、帯状疱疹は体の中に眠っていた水痘・帯状疱疹ウイルスが、

疲れたり、他の病気で身体が弱ったりした時に活性化しておこるものです。

ただ、体の状態だけでなく、発症しやすい年齢というのもあります。

初めて“水ぼうそう”にかかった時に作られる「免疫記憶細胞」は、
 
体内の“水ぼうそう”ウイルスを抑えてくれています。

一般にその効力は20年位で弱まります。

しかし、子育てなどで子供の“水ぼうそう”に接すると

「免疫記憶細胞」の働きが戻ってきます。

ですから、一般的には「免疫記憶細胞」の効力が弱まり、まわりにも水ぼうそう患者が

少なくなる、20歳代、または子育てを終えてしばらくたった50歳代のころが

帯状疱疹にかかりやすくなります。

この女性は4年前に保母さんをやめたので、子供に接する機会がなくなり、

「免疫記憶細胞」の効力が弱まって発症したのかもしれません。

普通は一生涯に一度しかかかりません。比較的高齢者に多い病気ですから、

これからさらに高齢化が進めばますます帯状疱疹が増加することが考えられます。

また、あとに痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」は約3%の発生率ですが、

無理をすると重症化して、若い人でも神経痛が残る場合もあります。

さらに、帯状疱疹は身体のどこにでもできますから、

外陰部周辺にできると「性器ヘルペス」に感染したと間違えることもあります。

症状があったら、早めにかかりつけの医師に相談しましょう。

それではごきげんよう!

2011年03月27日

これって帯状疱疹?性器ヘルペス?その1

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まだ寒さの残る先月、28歳の未婚女性が受診してきました。

4年前まで保母さんをしていたとのことですが、現在はフリーター。

受診理由を聞くと、2日前から右の胸がピリピリ、チクチクするということでした。

早速診察をしてみると、確かに右の胸に帯状に腫れた赤い斑点ができ、

一部は水疱(水ぶくれ)になっています。

専門医が診れば直ぐに臨床診断がつく、「帯状疱疹」の症状です。

このブログをお読みの方の中でも帯状疱疹を発症された方がいらっしゃるかもしれません。

帯状疱疹の症状が表れる原因は、患者さんの子供の頃に遡ります。

多くの方は、子供の時に“水ぼうそう”にかかった事があると思います。

水ぼうそうになると、治ったあとも水ぼうそうウイルス

(水痘・帯状疱疹ウイルス=varicella-zoster virus:VZV)が神経の中で眠っています。

そして、年をとったり、疲れたり、他の病気で身体が弱ったりすると、

ウイルスが目を覚まし、活性化して帯状疱疹を引き起こします。

つまり、帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症なのです。

知覚神経の分布領域に沿って、片側性そして帯状に皮疹を生じ、

神経痛様の疼痛を伴うことが特徴です。

では、帯状疱疹は、どんな人がかかりやすいのでしょうか?

これについては次回お話ししましょう。

2011年03月27日

性器ヘルペスは皮膚病ではない?!(その3)

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過去2回にわたって、性器ヘルペスの特徴とその治療法についてお話ししてきました。
皮膚・粘膜だけの病気ではなく、ウイルスが神経細胞内でも増殖する“神経の感染症”である性器ヘルペスには外用薬を用いるだけでは不十分だと、みなさんにもお分かり頂けたかと思います。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。

しかし、現在、日本では性器ヘルペスの治療における内服薬の重要性については、臨床医の認識が足りず、外用薬が多く使用されています。

実際、外用薬のみを処方する医師が約40%いるとされています。

残念ながら性器ヘルペス イコール 皮膚疾患という概念が一般的になっており、性器ヘルペスは“ウイルス感染症”である概念が希薄です。

性器ヘルペスの再発時に抗ウイルス薬を服用し、ウイルス量を減らしておかないと、ウイルス量が増えたまま神経節で眠ってしまいます。

そうすると、何らかのわずかなストレスで再発を繰り返す傾向になります。

ウイルス量を減らし、再活性化を抑えることが治療には必要です。

この治療により、HSVに感染していないパートナーへの伝播を減少させることにつながります。

ですから、性器ヘルペスの再発時には是非、内服薬を、お飲みになってください。

2011年02月06日

性器ヘルペスは皮膚病ではない?!(その2)

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前回、性器ヘルペスは皮膚・粘膜だけの病気ではなく、ウイルスが神経細胞内でも増殖する“神経の感染症”なので、皮膚・粘膜にある病変を抑えるだけでは、治療効果は十分ではないというお話をしました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。

性器ヘルペスの治療には内服薬の使用が効果的です。
内服薬は外用薬に比べて、表皮基底層の有効成分が高く保たれます。

ヒトの皮膚モデルを用いた抗ウイルス薬の試験測定値では、表皮基底層の抗ウイルス薬(アシクロビル)濃度は、外用薬よりも内服薬のほうが高く推移します。
抗ウイルス薬(アシクロビル)の外用薬では外用してから1時間後にピークを認めましたが、外用3時間後には表皮基底層の抗ウイルス薬(アシクロビル)濃度がかなり低下してしまいます。

それに反して、内服薬では内服3時間後の表皮基底層の抗ウイルス薬(アシクロビル)濃度は外用薬に比べて約5~8倍を示し、十分に治療効果が期待できるものでした。
しかも内服薬でなければ治療できない部分にも病変は生じます。
病変は外陰部だけでなく、子宮頸部、肛門、臀部、尿道など、肉眼では確認し難 い場所にも生じます。病変の大きさも肉眼ではほとんど見えないピンホールのようなものもあれば、外陰部全体に多発性に生じることもあります。

ですから、内服薬でなければ治療できない部分にもウイルスが排泄されているという考え方が必要です。

次回は現在の性器ヘルペス治療の問題点についてお話ししましょう

2011年02月06日

性器ヘルペスは皮膚病ではない?!(その1)

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ある日、新患として、23歳の未婚女性が私の診療所にやってきました。
「先生、また、あそこにヘルペスができちゃったんです。産婦人科でいつも塗り薬(外用薬)をもらってるので。それと同じ塗り薬をください」
と、開口一番、ろくに問診もしないうちから外用薬の請求です。

この様な患者さんがしばしば受診してまいります。
外用薬を塗れば確かに皮膚・粘膜症状は落ち着いてきます。
というのは、外用薬には皮膚・粘膜に生じた病変部の抗ウイルス作用や保護作用があるからです。

しかし、実は塗らないで放置していても症状は落ち着いてきます。
もちろん、塗らないよりは塗った方が1~2日早く落ち着いてきますので、外用薬の効果はゼロではありませんが、それほど劇的な効果は期待できません。
これは、どうしてか、少し勉強しましょう。

一度、感染したウイルスは神経節に潜伏し眠っています。
何らかのストレスなどがきっかけとなり、そのウイルスが目を覚まし、再活性化しウイルスが増殖します。
その増殖したウイルスが、再び神経線維を伝わって皮膚組織(または粘膜組織)まで移動し、再発病変(発赤・水疱・タダレなど)をつくります。

ですから性器ヘルペスは皮膚・粘膜だけの病気ではなく、ウイルスが神経細胞内でも増殖する“神経の感染症”なのです。
そのため皮膚・粘膜にある病変を抑えるだけでは、治療効果は十分ではありません。

では、どういった治療が効果的なのか、次回にご紹介しましょう。

2011年02月06日

口唇ヘルペスは性病なの?!

先日、26歳の既婚女性から、ヘルペスに関する電話相談がありました。

ご相談者の方と同様の疑問や悩みを持つ方も多そうなテーマなので、今回はこれについてお話いたします。

ご相談者は現在妊娠中。一週間ほど前から、急に唇がかゆくなり、しだいに腫れてきて、水っぽいものがでてきたとのこと。
口唇炎用のリップクリームをつけても治らず、下唇がピリピリし、かゆみと痛みも続いているということでした。

ネットで症状を調べた彼女は、これは「ヘルペスでは?」と思い、ヘルペスなら性病で、そうであれば医師の診察が必要なのかと迷い、私の診療所に電話をかけてきた、というのが電話相談に至ったいきさつでした。

このご相談を受けて、私がお答えした内容は以下のようなものです。

「ご相談の内容を伺いました。ご心配ですね。あなたの唇に出ている症状が口唇ヘルペスであれば、専門医が診れば、直ぐに診断ができます。
口唇ヘルペスは、普通は“熱の華“あるいは“風邪の華”と言われます。
幼少期に両親からのキスや頬ずりなどの接触でウィルスが感染する場合が多く、
あなたが子供の時に父親や母親から愛されてもらったものだともいえるでしょう。
そして、今回の症状は、おそらく何らかのストレスにより、ヘルペスが再発してきたものでしょう。
もし成人した後にだんな様からもらったものであれば、症状はもっともっと激しくでてくるはずです。

口唇ヘルペスであれば、放っておいても時間はかかりますが、一応はよくなります。
しかし治療しないで放置しておくと、顔面神経(三叉神経)にヘルペスウイルスが増殖したままの
状態で潜伏しますので、何らかのストレスにより簡単に再発するようになります。
ですから口唇に症状が出ている時に抗ウイルス剤を服用し、ヘルペスの量を減らしておく必要があります。
今回のあなたのお話からは“口唇ヘルペスの再発”が考えられますが、お電話による相談のみで、実際に「診察」してはおりませんので、断定はできません。
現在妊娠中とのことですから、お子さんのためにも、ぜひ専門医の診察を受けて、適切な処置を施してもらってください。

また、あなたの心配しておられた、口唇ヘルペスが性感染症(性病)であるか否かについては、口唇ヘルペスは性感染症(性病)ではありません。
しかし症状が出ている時に、キスやセックスをするとパートナーに迷惑をかける危険性が高くなります。
例えば、貴女の口唇にヘルペスが出ている時に、彼とオーラルセックスをすれば、彼の男性器に性器ヘルペスが移る可能性があります。
これは、立派な性感染症です。

口唇に症状が出ている時には、唾液の中にヘルペスのウイルスが多量に排泄されていますので、
注意してくださいね。」

ご参考になりましたでしょうか?
口唇ヘルペスを恐れることはありませんが、甘く見ることなく適切な対処をしてください。

2010年08月24日

顔にヘルペスが出て心配!彼の口唇ヘルペスがうつったの!?(その2)

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前回、彼から口唇ヘルペスをうつされたという女性の相談をご紹介しながら、
ヘルペスの感染原因についてお話ししました。
今回はヘルペスの治療や再発と初感染の違いについてお話ししましょう。

ご相談者の彼は「放置しても治ってしまうので心配ない」と言っていたそうですが、
実はそうではありません。放置していて、そのうちに見かけ上では治っても、顔面の神経節にはウイルスが増えたままになっています。
そうすると何度も、何度も再発する傾向になります。

ヘルペスができた時には、是非、抗ウイルス剤を飲んでウイルスの量を減らしておきましょう。それが自分のためにもパートナーのためにもなるのです。

そして口唇ヘルペスの治療で大事なことは、バルトレックスという抗ウイルス剤を内服することです。
塗り薬では傷の保護にはなりますが、良くはなりません。

また、性行動のマナー、エチケットとして口唇にヘルペスが出ている時にはキスやセックスはやめましょう。
口腔内の唾液の中に多量のヘルペスウイルスが排泄されていますから、キスやセックスをすると、パートナーにヘルペスがうつる危険性が高くなります。

また、症状がでていない時にも、極少量のヘルペスウイルスが口腔内に排泄されていますから、キスやセックスをするとうつる可能性はゼロではありません。

しかし症状がでていない時に、キスやセックスをしないと、一生、キスもできないし、セックスもできなくなってしまいますからね・・・!

我々人類は、長い間、このウイルスとうまく付き合ってきたんです。
必要以上に恐れることはありません。

さて、次に、相談者の女性について考えてみましょう。

セックスをして、その5日後から、唇とあごに小さな水ぶくれができ、しかもその時、風邪をひいていた。
ということは、彼と同じでこの女性も、ご幼少の頃にご両親からたくさん愛されて、ヘルペスウイルスをもらっていたものが、今回初めて口唇にでてきた可能性もあります。つまり、いわゆる『風邪の華』=ヘルペスの再発で、いままではたまたま症状がでなかっただけかもしれません。

しかし、日に日に悪化してきたという状態を考えると、「再発」ではなく口唇ヘルペスの「初感染」かもしれません。

また普通は小児に多いのですが「成人の急性ヘルペス性歯肉口内炎」「カポジ水痘様発疹症」といって顔面全体や口腔内に水疱が拡大するものもあります。

もし、今回初めて彼からヘルペスウイルスをもらったのだとすれば、口唇、口腔内、口の周囲、そして顔などに激しく症状が出る場合もあります。
さらに高熱、首のリンパ節腫脹など全身症状を伴うこともあります。

ヒトの身体は、初めて感染したウイルスには、その増殖を抑える能力がないため、激しい症状をしばしば引き起こすことが知られています。
普通、キスやセックスをしてから3~7日で感染部位が赤く腫れあがり、その後、水ぶくれが多数でて きます。激しい症状がでてきた所を見ると、初感染の可能性も高そうです。

このような場合は、さらに悪化しないうちに、もう一度、皮膚科を受診してみることが大切です。
場合によっては早急に抗ウイルス剤の点滴が必要かもしれません。

「たかがヘルペス」と甘く見ないで、パートナーのためにも、適切な治療をすることが大切ですね。

2009年11月24日

顔にヘルペスが出て心配!彼の口唇ヘルペスがうつったの!?(その1)

最近、30歳の女性から電話相談がありました。
相談内容は次のようなものでした。

先日のデートのとき、彼が『唇が荒れて少し腫れてるんだ』と言っていました。
が、特に気にせず、濃厚なキスとコンドームなしでのセックスをしたんです。

そうしたら、その5日後から、私の唇とあごにブツブツした小さな水ぶくれができました。
ちょうど風邪をひいていたこともあったので、体調が悪いだけかと軽く思っていましたが、
日に日に悪化していくので、皮膚科を受診したところ口唇ヘルペスだと言われました。

皮膚科でもらった資料を見ると、唾液や精液からもうつるのだとか・・・!

ということは『彼からうつされた!?』と思い、彼に確認してみると、
彼は年に数回、口唇にヘルペスができると言っていました。

『俺はいつもそのままにしているけど、そのうち治るから心配ないよ』と、
彼は気にもしていない様子ですが、私のヘルペスは、病院の薬を塗ったり飲んだりしているのにますます悪化してきているような感じです。
顔のことなのでとても心配です。本当に大丈夫でしょうか?

電話口の彼女の声は、とても心配そうでした。
顔のことですから、女性なら特にご心配なさるお気持ちは良くわかります。
口唇ヘルペスは比較的良くみられる感染症で、お悩みの方も多いかと思いますので、
今回と次回にわたって、この彼女の例を題材に、ヘルペスについてお話ししましょう。

先ず、この彼女の「彼」について、考えてみましょう。
「彼の唇が荒れて少し腫れていた」ということの原因は、おそらく口唇ヘルペスだったのでしょう。
口唇ヘルペスだとすれば、彼が赤ちゃんの時、お父さんやお母さんから、たくさんキスをされていたのかもしれません。愛されてもらったウィルスですから、私は『愛情ヘルペス』と呼んでいます。

ある意味、両親の愛情につつまれて、育った証拠であるとも言えます。
彼の唇の症状は、今回、何らかのストレスがあって、そのストレスで顔面神経に眠っていたヘルペスウイルスが目を覚ましでてきたと考えられます。

これが再発で、いわゆる「風邪の華」「熱の華」と言われるものです。

そして、最近の研究では、口唇ヘルペスを持っていますと、口腔内の唾液の中に少量ながら絶えずヘルペスウイルスが排泄されていることがわかっています。
ですからキスやセックスをすると、パートナーにヘルペスがうつる可能性があるわけです。

また、彼は「放置しても治ってしまうので心配ない」と言っていますが、本当にそうでしょうか?
次回はヘルペスの治療についてお話ししましょう。

2009年11月24日

ヘルペスってセックスでうつるの?

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先日、私が院長を務めているクリニックに、
近所にあるソープランドで働く20歳の風俗嬢が来院してきました。
話を聞いてみると、昨日、お店のお客さんに、
「君、ヘルペスかもしれないよ。それ、セックスでうつるから、別の女の子と代わってくれない」
と断られたとのこと。


彼女は以前から風邪を引いたり、体調が悪くなると唇に水ぶくれができるらしく、
今回も2~3日前からできていたそうです。
「先生、これってセックスでうつるなんて知らなかったんですけど。マジーですか?」
と心配そうな彼女。


さっそく、彼女の顔を見てみると、
確かに口唇に3個の小水疱ができており、口唇ヘルペスと診断しました。
彼女の話ではソープランドで働く以前は、年1回程度の頻度で同じような水疱ができていたそうですが、
最近は月1回程度にまで頻度が増えてきたとのことでした。
本人の希望により性器も診察しましたが、水疱や潰瘍は見られませんでした。


このような臨床所見から、私は、彼女の症状は
単純ヘルペスウイルス(HSV)による口唇ヘルペスの再発と診断しました。
HSV感染症は、過去に感染したHSVが神経節に潜伏しており、
ストレスや風邪などの何らかの刺激によって再活性化し皮膚や粘膜に現れ病変を起こし「再発」します。
ヘルペス患者の60~70%程度が再発例であるといわれており、何度も繰り返す患者さんが大勢います。


彼女には認められませんでしたが、水疱や潰瘍は口唇だけでなく性器や大腿部にも現れます。これらの病変部位には多量のHSVが含まれているため、キスやセックスにより他人へ感染します。
おそらく今回の彼女のお客さんは感染の危険性を知っていたために、彼女のサービスを断ったのでしょう。


彼女はソープランドでの勤務歴も3ヶ月と浅く、慣れない環境のため、
近頃かなりの疲労感を感じていたそうです。
彼女には一旦十分に休養を取ることを勧め、口唇については抗ウイルス薬を投与し
経過をみることにいたしました。


現在の医療では、ウイルス自体を完全に体内から除去することは困難です。
しかし、抗ウイルス薬を投与することにより再発を抑制することはできます。
頻回に症が現れる方は、先ず専門医に相談いたしましょう。


それではごきげんよう。

2009年05月14日

性器ヘルペスは感染しても症状が出ない!?

先日、35歳の男性会社員が
「ペニスに小さな水疱ができ、痛みと痒みがあります。」と言って来院してきました。
早速診てみますと、確かにペニスの冠状溝付近直径1~2mm大の小さな水疱が3つできています。


詳しく聞いてみると、2年から1年間に10回以上も性器ヘルペスが再発し、
日常生活に支障をきたしているとのこと。
そこで「初めて感染したのは何年前ですか?」と聞くと
「いや、いきなりの再発みたいです」との返事が返って来ました。


感染したときは症状がなく、「いきなり再発」とはどういうことなのか・・・?
今回はこのことについて少し勉強しましょう。


確かに性器ヘルペスは、初めて感染した人の約70%に症状が出ないといわれています。
そしてその後もはっきりとした皮膚症状が出ないため、自分がウイルスを泄していることを知らずに他人に感染させている例が多くみられます。
症状がないままウイルスを排泄する時期は、初めて感染してから3か月以内に
最も高率に起こることが分かっており、経過とともに減少していきます。


再発を1年間で10回以上繰り返す人と再発のない人を比べると、
明らかに再発多い人はウイルスの排泄が多く、時期は再発前後の1週間に
集中していると言われています。


HSV(単純ヘルペスウイルス)に感染した場合、
ヘルペスが口にできれば口唇ヘルペス、性器にできれば性器ヘルペスと呼ばれます。
また、HSVには1型と2型2種類があり、口唇ヘルペスは1型、性器ヘルペスは2型が
多いといわれています。


1型が初めて性器に感染すると、激しい症状(水疱、痛み、発熱、足の付け根のンパ腺の
腫れ、膀胱炎様症状、歩行障害など)がでますが、再発はそれほど多はありません。
2型はそれに比べて症状はおとなしくなりますが、頻回に再発繰り返すと言われています。


また、HSV-2・1抗体がともに陽性の人において、性器ヘルペスの症状が出にくことが指摘されています。これが冒頭にあげた、「症状が出ないのでヘルペ・ウイルスの排泄に気づかず、他人を感染させている」という事例の原因と考えられます。


日本では性風俗嬢でのHSV-2抗体の保有率が高く、1・2型を持つ人も多いため
注意が必要です。
またHSV-2感染者のわずか10~25%の人しか感染に気づいていないという報告もあります。ですから私たちは知らないで感染し、知らないで他にうつしているかもしれません。


今後、医療者は性器ヘルペス感染症の正しい診断、治療、予防を認識し、
そして患者さんへの正しい知識の啓蒙・教育を心がけていく必要があるでしょう。

2008年12月24日

日本人の再発型性器ヘルペスのQOLについて

『日本人の再発型性器ヘルペスのQOLについて』 パリの国際学会で発表するこになりました。
 9月のパリの学会の抄録締め切りが3月20日のため、ひとまず申し込みをしました。
 東京女子医大皮膚科教授の檜垣祐子先生が発表いたします。わたしは共同演者です。
 再発型性器ヘルペスのQOLについてのアンケートはすべて宮本町中央診療所の患者さんにご協力をいただきました。
 再発型性器ヘルペスの患者さんは、今度は何時再発するのかという不安、パートナーにうつしはしないかなどと、絶えずストレスと戦っています。今回はその患者さんのQOLについて検討をいたしました。
 
下記はパリの学会の抄録です。
 
 
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IMPACT OF RECURRENT GENITAL HERPES ON JAPANESE PATIENTS’ QUALITY OF LIFE 
Y. Higaki1, Y. Onoye2, K. Yoda3, T. Kamo4
1Institute of Women' Health, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, 2Urology, Miyamotocho Central Clinic, Kawasaki, 3Department of Otolaryngology, Tokyo Women's Medical University,Medical Center East, 4Institute of Women's Health, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan

Recurrent genital herpes (RGH) is a common sexually transmitted disease caused by infection with the herpes simplex virus. In many patients, this disease, with its unpredictable nature of recurrences, causes fear of transmission and leads to impaired social and sexual activity.
To quantify the impact of RGH on quality of life in Japanese patients, a cross-sectional questionnaire study was carried out using a battery of instruments: the Japanese version of Skindex-16, WHO-QOL26, and General Health Questionnaire 30 as well as a questionnaire on patients’ history of RGH and their satisfaction with the care they currently receive.
As a result, 54 patients completed the questionnaires. The frequency of recurrences per year was 1 occurrence or less: 13.3%; 2-3 times: 47.2%; 4-5 times: 18.9%; 6 times or more: 20.8%. The current treatment included patient-initiated antiviral therapy: 68.5%; suppressive antiviral therapy:29.6%. The mean scores of the instruments were as follows, Skindex-16-Symptom:36±34; Emotions:45±34; Functioning:22±26, QOL-26-Physical:3.36±0.46; Psychological: 3.25±0.56; Social relationships:3.25±0.68;
Environment:3.32±0.51;General:2.69±0.60,GHQ30:8.6±5.9. Patients with frequent recurrences showed higher scores (lower quality of life) in the Emotion and Functioning sections of Skindex-16 than those with lower frequencies. Patients stated to be satisfied with the current care was 50.0%, while 18.6% were unsatisfied. Patients receiving suppressive antiviral therapy showed better quality of life than those on other treatments.
The present study revealed that RGH affects patients’ health related quality of life especially in aspects of emotional and social functioning. The impact of the disease showed itself more significantly in patients with a higher rate of recurrences.
In conclusion, it can be said that Japanese RGH-patients’ quality of life is highly impaired and effective strategies for its improvement are necessary. The suppressive antiviral therapy, introduced to Japan in 2007, is expected to contribute considerably to an improvement of the quality of life in patients with recurrent genital herpes.


Preferred presentationPoster Presentation

2008年03月19日

女性における性器ヘルペスの特徴

平成20年2月21日 ブリーズベイホテルで行われました、横浜市産婦人科医会・泌尿器科医会研究会に出席してきました。早川クリニック(大阪)の早川謙一先生の講演でした。
 
演題は『最近の性感染症と性器ヘルペスの再発抑制療法について』でした。その中で、女性の性感染症で2番目に頻度が高い性器ヘルペスの特徴についての話が印象的でしたので、今回はその報告をいたします。

 
《女性の性器ヘルペスの特徴》
1.性器ヘルペスの罹患率は圧倒的に男性より女性が多い。
2.健康人における単純性ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の抗体保有率は男性より女性の方が高い。
3.性器ヘルペスは女性から男性への感染率より、男性から女性への感染率の方が高い。
4.初感染、初発症状は一般に女性の方が重症である。性器ヘルペスから髄膜炎への伸展へもありえる。
5.女性の性器ヘルペスは次世代にも影響する、母子感染の恐れがある。
6.女性の性器ヘルペスの感染、発症には、性ホルモンを介した免疫機構の影響が強く関与しているらしい。
 
《性器ヘルペスに対しての取り組み》
1.性器ヘルペスは女性にとって深刻な性感染症であり、男性と較べてハンディキャップが大きい。
2.これまでのことを踏まえての性器ヘルペスの知識の普及、教育が必要。
3.性器ヘルペスに対してコンドームは有効な予防法である。
4.抗ウイルス剤による再発抑制療法は一つの有効な手段。
5.女性においては、性ホルモンを介しての免疫機構が性器ヘルペスの感染、発症に深くかかわっている可能性がある。今後の基礎的、臨床的研究が必要と思われる。
 
以上報告いたしました。少し難しかったかもしれません。
そうなんです。難しんです。それではごきげんよう!

2008年02月28日

ヘルペス!またできちゃった!

24歳の男性フリーターが来院してきた。
『先生!またできちゃった!』
診察するとペニスの包皮に直径2mm大の小さな赤いタダレが1ヵ所できていた。
『3日前に久しぶりに会ったモトカノとエッチしたんだ!あのモトカノから移されたんだ!』
『それは違うんですよ!君の骨盤の中の神経に潜んでいるヘルペスウイルスが、セックスというストレスで 目を覚まし出てきたんですよ!モトカノからもらったのではありません。再発なんですよ・・・』
『まじっ!?そうなんだ?!』

そうなんです。性器ヘルペス は初めてできると、「初感染 」といって症状が激しく出ます。
エッチしてから1週間以内に熱が出たり、足の付け根のリンパ腺が腫れたりします。 また、あそこに小さな水泡、ただれが左右対称性にたくさんできて、痛みやかゆみがでてきます。
さらに女性では膀胱炎症状・歩行困難がでて大変辛くなることもあります。
性器ヘルペスの再発では症状は軽くはなりますが、痛みやかゆみはでてきます。
水泡やタダレは1~3個程度が多いようです。
性器ヘルペス全体で見ますと 再発例が約80%で初感染例は約20%です。
初感染は性感染症ですが、再発例は性感染症ではありません。
何らかのストレスにより骨盤内の神経節で眠っていたウイルスが目を覚まし皮膚の表面に でてきたものです。しかしながら感染力はありますので、再発した時にはエッチできません。
性器ヘルペスのウイルスは絶えず精液や腟分泌物に排出されていますが、 皮膚症状が出ている時はウイルスの量が多く排出されています。 皮膚症状がない場合は、ウイルスの量は減ってはいますが、わずかながら排出されています。
でも症状がないときにエッチしないと、一生エッチできなくなりますし、また子供もできません。
でもセックスする時のエチケット!
セックスするときは忘れずにコンドーム!
最初から最後までまでコンドーム!必ずよっ♪

2007年12月05日

性器ヘルペス!再発!

「先生、また性器ヘルペスがまたできちゃった!不愉快!私一体いつからセックスできるの?!」

21歳の女子大生が顔をしかめて来院してきました。
性器ヘルペスは再発を繰り返すのが特徴の一つです。
ヘルペスウイルスは性器に感染すると、性器周辺の神経を伝って骨盤の中の神経節に 潜伏感染(せんぷくかんせん)しています。
潜伏感染とは神経節にヘルペスウイルスが静かに眠っている状態を指します。
潜伏感染したヘルペスウイルスは、何らかの精神的・肉体的なストレスによって 目を覚まし再び神経を伝って性器ヘルペスとして症状がでてきます。これが再発です。

ストレスとしては過労、睡眠不足、日光浴、生理などがありますが、セックスそのものがストレスになる場合もあります。 症状は初めてできた時と比べて軽くなりますが、ヘルペスができるたびに患者さんの心に傷ができます。
「本当にヘルペスは治ったのかしら?いつからキスできるの?いつからセックスできるの?」
「彼にもに感染していないかしら?」
「産まれてくる子どもには移らないかしら??」
など このまま治らなかったらどうしよう!と漠然とした不安に苛まれます。
しかも一度ヘルペスになると、誰かに感染させるのではないかと悩み、セックスができなくなる人もいます。

また、普通の日常生活では移ることはありませんが、腟分泌物、精液、そして唾液の中に たえずにウイルスが少しづつ漏出(排泄)されていますから、キスとかセックス をすればい何時、パートナーに移るかわかりません。
しかしヘルペスができていない時にキスしたり、セックスしないと 一生、キスもセックスもできないことになります。今まで、私たち、人類はヘルペスとうまく付き合ってきたのです。
症状が出てない時にセックスをしましょう。

性器ヘルペスが再発した場合には専門医を受診して抗ウイルス薬を飲みましょう。
さらに再発を何度も繰り返す場合には「局所の違和感や神経痛様の痛み」を感じた時に あらかじめ抗ウイルス薬をもらっておいて、その薬を飲む方法をお勧めしています。
また1年間に6回以上再発を繰り返す方もいらっしゃいますが、そんな場合は抗ウイルス薬を毎日飲む 再発抑制療法を取っています。抗ウイルス薬を毎日続けて飲むことにより、ウイルスの 排泄を抑えることができ、パートナーへの感染も減らすことができます。
再発を繰り返す方は、ヘルペスと上手に付き合っていき、できるだけ安心で安全なセックスを心掛けましょう!

2007年06月01日

性器ヘルペス!初感染!

『先生!おしっこするとき痛いの!熱もあるしー!足の付け根が腫れて痛いしー! 歩くと痛いからつらいの!』

22歳のフリーターの女の子が来院してきた。
この方は膀胱炎ではありません。おそらく性器ヘルペスの初感染だと思います!

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス1型または2型の感染により性器に痛みを伴う浅い 潰瘍(かいよう:皮膚・粘膜のただれ)または小水疱ができる病気です!
初めてこの病気になると、セックスをして2日~12日位してから性器に小さな水疱ができてきます。
水疱はすぐに破けてしまい、ただれた状態になり、激しい痛みがでてきて歩行がつらくなることもあります。 ソケイ部(股の付け根)のリンパ腺が腫れ、熱が出る場合もあります。
男性より女性のほうが症状が激しく出るようです。

ヘルペスウイルスは 性器に感染すると、 神経を伝って骨盤の中の神経節に潜伏感染します。
潜伏感染したヘルペスウイルスは、何らかのストレスによって再び神経を伝って性器ヘルペスとして再発します!
初めて性器ヘルペスになった場合は、専門医を受診してできるだけ早く抗ウイルス薬を飲むことが賢明です。 その後の再発の頻度や程度に大きく影響が出てきます!
早く治療を始めれば、たとえ再発しても程度が軽くてすむそうです。
少しでも異常を感じたら、我慢しないで診察を受けてくださいね。

2007年05月11日

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