泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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性器ヘルペスの再発

30代の女性から繰り返す陰部のデキモノについて相談がありましたので報告いたします。
 
【相談内容】

私は、30代の女性です。  陰部にできものが定期的にできます。
 
出来てすぐの時は痛みがあり、治りかけになると痒くなります。
 
これは性感染症でしょうか?

① 性器ヘルペスの再発(小陰唇)水疱が複数。

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【回答】

貴女のお話しから推測いたしますと、先ず考えられるのは、性器ヘルペスの再発です。
 
生理の前後、何らかのストレス、免疫力が低下した時などに再発します。
 
生理の前後は、免疫能力を低下させる黄体ホルモンの影響で再発しやすいともいえます。
 
性器ヘルペスが発症すると典型的であれば外陰部に水疱ができ痛みを感じます。
 
その後、水疱が破けビラン(ただれ)になり治癒過程に入り痒みを感じてきます。
 
性器ヘルペスはウイルス感染症(単純ヘルペスウイルス=HSV)です。
 
原因のウイルスはHSV-1あるいはHSV-2です。
 
再発を繰り返していますので、貴女の場合、原因のウイルスは恐らくHSV-2だと考えます。
 
次回、再発した際には直ちに、ヘルペス診療の専門医を受診し、原因のウイルスがHSV-2であることを確認してもらいましょう。
 
今後の治療方針の役に立ちます。
 
また、性器ヘルペスが、年間6回以上再発するのであれば再発抑制療法ができます。
 
保険診療が適用になっています。

これは年間を通じて抗ウイルス剤を服用する治療法です。
 
再発抑制療法を行なえば、性器ヘルペスが殆ど発症しなくなります。
 
再発を繰り返していますと、QOL(生活の質)が低下します。
 
最後になりましたが、性器ヘルペスの再発は、貴女に取っては性感染症ではありません。
 
仙髄神経節で遺伝子(DNA)の形で潜伏(寝ている)しているウイルスが、色々なストレスで目を覚まし神経繊維を伝わって、外陰部の皮膚粘膜で花を咲かしたと言えます。
 
ただし、皮膚粘膜に症状(水疱・ビラン)がでますと、この部位からHSVが排泄されますので、性的行為があればパートナーに取っては感染源になりえます。
 
症状がでましたら2週間は性的行為を慎しみましょう。

② ピンクの薔薇

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2016年07月11日

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