泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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2010年10月16日

第2回臨床現場の医師のための性感染症最新講座

性感染症の講座にて講演をしてきました。

主催:財団法人 性の健康医学財団
後援:東京都医師会、日本性感染症学会
日時:平成22年10月14日(木)13:30~16:45
場所:主婦会館プラザエフ8階 スイセン
講演2:『クラミジア、淋菌による咽頭感染』宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦

【講演要約】
臨床医にとって男性の淋菌性、クラミジア性尿道炎の最大感染要因はオーラルセックスであること周知の事実である。しかしながら、淋菌性、クラミジア性咽頭炎の実態はあまり知られていない。淋菌・クラミジア感染症の疫学、特徴、咽頭炎の特徴、実際の臨床例、咽頭の淋菌・クラミジア検査法、検体採取法の実際、その成績および今後の課題について解説した。この講座ではクラミジア、淋菌の咽頭感染の臨床症例写真を提示した。

投稿者 aids : 17:13

2010年10月12日

包茎の悩み~俺は真性?仮性?どっち?(その3)

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包茎についてお話ししていて、3回目になります。

1回目は「包茎であることに必要以上に劣等感やコンプレックスを持つ必要はない」
2回目は包茎の「真性」「仮性」に関するお話で、包茎の状態を5つのパターンに分けて解説いたしました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。

今回は包茎の中でも注意が必要なもの、あるいは手術についてお話します。

前回お話しした5分類のうち、注意が必要な状態があります。
それが、(4)弛緩時(非勃起時)には剥けて亀頭を露出できるが、勃起時には包皮輪がやや狭小で、
無理すれば剥くことができるが、包皮輪を元にもどすことが難しくなる状態です。

この状態ですと、包皮を剥いたままにしておくと冠状溝の部分で亀頭が徐々に締め付けられ苦しくなります。循環障害を生じリンパ液が包皮内板に溜まり、包皮が腫れあがり、元の状態に戻せなくなります。
これが有名な“嵌頓包茎”です。
以前のコラムの中でもご紹介させていただきましたので、是非そちらもご覧下さい。

また(5)仮性包茎で弛緩時(非勃起時)でも勃起時でも包皮を剥くことができ、亀頭を露出できる状態。
これは何の問題もありません。

また、包茎の手術については前回示した(1)~(4)の状態であれば、手術を行うことを考慮してもいいかもしれません。若い男性であればセックスがうまくいかないことは自信の喪失、女性との関係の構築の困難にもつながりかねないので、手術でそれが改善できるなら、実行されるのもよいと思います。

しかし、既婚者であったり、すでにお子さんがいらっしゃるなど、特にセックスに支障がなければ手術はお勧めいたしません。

ただ(1)真性包茎で、最も程度が強いのは、「包皮輪(包皮の先端部分)が狭小で、弛緩緩時でも包皮が剥けず、亀頭がまったく見れない状態。」の方は、恥垢が溜まったり、炎症や感染症が起きる可能性が高くなりますから、手術を考えた方がよろしいかもしれません。

悩んだときは、一人で考え込んだり、ネット上などにある根拠ないうわさに惑わされず、ぜひ泌尿器科専門医に相談してみましょう。
医学的に正しいアドバイスをもらい、最終的には自分で判断することが大切です。

パートナーの方も、正しい知識を共有し、いっしょに問題解決に取り組めるといいですね。

ご参考になりましたでしょうか?
みなさんの性の健康をお祈りしております。

投稿者 aids : 10:07

包茎の悩み~俺は真性?仮性?どっち?(その2)

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前回から包茎についてお話ししています。

前回は「包茎であることに必要以上に劣等感やコンプレックスを持つ必要はない」
というお話をしました。詳しくはバックナンバーをご覧ください。
さて、今回は包茎の「真性」「仮性」に関するお話です。

私のクリニックに包茎に関して受診してこられるかたは、
大抵まず「先生、私の包茎は真性でしょうか、仮性でしょうか?」と尋ねられます。
しかし、包茎を「真性」あるいは「仮性」と二つに分けることは大変、雑な分け方だと思います。
もっと細かく分けてみると理解しやすくなります。

実際には包茎の状態は千差万別で、真性包茎と仮性包茎の間にはその中間形がいくらでもあります。
これは学術的な分類ではありませんが、私は患者さんが理解しやすいように5段階の程度に分類してお話ししています。

(1)真性包茎で、最も程度が強いのは、包皮輪(包皮の先端部分)が狭小で、
弛緩時(非勃起時)でも包皮が剥けず、亀頭がまったく見れない状態。

(2)弛緩時(非勃起時)であれば、無理すれば亀頭の一部がどうにか見ることができるが、
亀頭の露出はできず包皮を剥くことは不可能な状態。

(3)弛緩時(非勃起時)には剥けて亀頭を露出できるが、勃起時には包皮輪が狭小で剥くことができない状態。

(4)弛緩時(非勃起時)には剥けて亀頭を露出できるが、勃起時には包皮輪がやや狭小。
無理すれば剥くことができるが、包皮輪を元にもどすことが難しくなる状態。

(5)仮性包茎で弛緩時(非勃起時)でも勃起時でも包皮を剥くことができ、亀頭を露出できる状態。

さー、どうでしょう?男性諸君の中で、この中で自分に当てはまるものはありますか?

次回はさらに、上記の状態の中で注意が必要なもの、また包茎の手術についてお話ししましょう。

投稿者 aids : 10:02

包茎の悩み~俺は真性?仮性?どっち?(その1)

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今回は男子の永遠の悩みである“包茎”のことについて勉強いたしましょう。

若い男性にとっては、男性器に関して最も気になる項目のひとつではないでしょうか。
一方、女性の方は「包茎」と言われても、いまひとつピンとこないかもしれません。
この思い入れのギャップが、時に男女間の断絶の原因にもなったりもします。

包茎については、なかなか他人に相談したりすることに抵抗を持つ方が多いため、
残念ながら、さまざまなうわさや医学的に正しくない情報も世の中に流布しています。
この機会に男性も女性も正しい情報をしっかり学んでくださいね。

「包茎」とは、勃起時ではなく、非勃起時(弛緩時)に亀頭部が包皮で覆われている状態を言います。
さて、男性であれば思春期になると誰しも自分のペニスの状態に関心をいだきます。
かつては銭湯でお互いのペニスを観察し、情報を得たものでした。
そして男子の三悪として「ファザコン、マザコン、皮かぶり」とか言って「皮かぶり」の男子をからかったものです。
これからも、男として生まれた人間であるいじょう、俺は「皮かぶりなのか!」
と悩む男子が延々と大勢でてくるでしょう。

でも、ペニスに皮がかぶっていても一向にかまいません。
「おしっこ」ができ、「セックス」ができれば、気にしなくてもいいのです。
排尿ができ、射精ができれば男性として何の問題もありません。
陰茎の働き・役目は排尿と射精です。包茎でも何の心配もありません。
まずはそこをしっかり認識して、不要な劣等感やコンプレックスを持たないことが重要です。

また、女性は男性が気にしているほど、包茎について深い知識も関心も持ち合わせていないことが多いのも現実です。
恋愛やセックスがうまくいかないことを包茎のせいだと捉える若い男性も少なくないですが、
決してそんなことはありません。ぜひ正しい知識を得て、ご自分に自信を持ちましょう。

さて、包茎と言えば「真性」か「仮性」かというのがよく話題になります。
皆さんはその見分け方をご存知ですか?
また、包茎は上記二つに単純に分けることもできないことも御存じでしょうか?

次回はその点についてお話ししましょう。

投稿者 aids : 09:54

2010年10月01日

第6回 神奈川県日本大学耳鼻咽喉科研究会

第6回 神奈川県日本大学耳鼻咽喉科研究会にて、耳鼻いんこう科の先生方にお話する機会がありました。ご好評いただきまして、どうもありがとうございました。


日時: 平成22年9月30日(木)
場所: 川崎日航ホテル
 
特別講演 『STIのupdate-咽頭感染を含めて-』
 
講師:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦
座長:よしかわ耳鼻咽喉科 院長 吉川琢磨

投稿者 aids : 08:14

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