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性感染症はナノメーターオーダー時代
性感染症(STI)は、かつては『花柳病』あるいは『性病』と呼ばれていました。
ここでの「花柳」とは遊女、遊里を指し、昭和32年に売春防止法が施行されるまで、
いわゆる赤線地帯で行われていた売春を意味しています。
性感染症が「花柳病」と呼ばれること自体、かつては、いかに売春と性感染症が深く結び付いていたかをしのぶ事ができます。
昭和20年代までは抗生物質が自由に使用できないため、淋病、梅毒の全盛期でした。
性感染症は昔からある病気ですが、時代とともに変化も見られます。
それは、性感染症における“病原微生物の大きさ”です。
かつての「性病」時代は肉眼でも見える、mm大の毛虱(ケジラミ)、少し小さくなって、
ヒゼンダニ(疥癬)の寄生虫、腟トリコモナス原虫、さらに小さくなって
μm(ミクロンメーター)大の細菌類(梅毒トレポネーマ、淋菌、軟性下疳菌)が主役でした。
そして昭和50年代になると、細菌類に分類されているクラミジア・トラコマティス(CT)
(大きさは10マイナス6乗メーター)が台頭してきました。
現在はこのCTが性感染症の主役です。
この現象は診断技術の進歩により遺伝子(DNA)レベルの検査ができるようになり、
今まで判らなかった病気(クラミジア・トラコマティス)の診断が容易にできるようになったことによる変化です。
さらに今日では、STIはウイルス(大きさは10マイナス6乗メーター~9乗メーター)の時代へと向かっています。
HIV(AIDS)、HPV(尖圭コンジローマ)、HPV(性ヘルペス)HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)伝染性軟属腫ウイルス(伝染性軟属腫=ミズイボ)などはすべてウイルスの仲間です。
つまり、STI病原微生物の主役の座を長年務めていた細菌類は、その座をウイルスへと明け渡しつつあります。
すなわちSTI病原微生物はナノメーターオーダー時代に突入しているといえます
(1ナノメーターは10マイナス9乗メーターです)。
ウイルスは賢く症状を出さない物が多く、言い換えれば、現代は「無症候性ウイルス性STI時代」ともいえます。
しかしその中で、いまだにSTIの首位を独走している細菌はCTです。
とはいえ、医学の進歩により、近い将来、STIの主役はナノメーターオーダーの
病原微生物であるウイルスにとって変わるでしょう。
人間とウィルスとの戦いは、まだまだ続いていきそうです。
電子書籍 『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』
皆さん、お元気ですか。電子書籍 『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』が、6月5日に発刊されました。
性感染症(STI)について、楽しく理解できる内容になっています。
よろしかったら、どうぞ、ご購入ください。立ち読みでもいいですよ。
『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』
著者 : 尾上泰彦
出版社 : マイカ
発売日 : 2009年6月5日
価格 : ¥300-(税込み¥315-)
電子書籍ですからご購入後、ダウンロードしてお読みください。
【内容】
あなたは、性感染症のことをわかっていますか?
自分はそうではないと、断言できますか?
彼や彼女と安心して愛し合うために必要なのは、セーフティセックスの知識。
本書では、自分や愛する人を傷つけないために最低限知っておきたいことを、
現役の医者である著者がわかりやすく解説しています。
実際の診療現場ではどんなことが起こっているのか、きちんと知っておきましょう。
性風俗嬢の性感染症(その3)
先日、ある出版社から取材を受けた、「性風俗嬢の性感染症」に関するインタビュー内容を、抜粋してご紹介している最終回です。前回は、日本の風俗の歴史と特徴についてご紹介しました。今回は、「CSWの行うあるサービスが感染症の拡大に拍車をかけている」ことについてお話します。
記者:
CSWが、様々な性感染症に感染している可能性が高いことはよくわかりました。
しかし、インタビューの最初でお伺いしたように、「売春防止法」によって、いわゆる「本番」というか、男性器を挿入して行うセックスを提供するサービスは減ったわけですよね。
ということは、CSWによる性感染症の拡大もなくなってきたのでしょうか?
尾上:
確かに、男性器を女性器に挿入させるようなサービスは、表向きはなくなりました。
が、実は違うのです。ソープランド店のみは監督取締りを行う行政(保健所)も性器の結合を容認しているのが実情です。
しかし、その他の性風俗店ではかなり厳しく取締り・指導をされていると思われます。
ただ、合法的な性風俗店(ファッションヘルス、ピンクサロンなど)では、オーラルサービスが日常的に、あたりまえの様に行われていますよね。
実はオーラルセックスのみでも、クラミジア、淋病、ヘルペス、梅毒などに感染する可能性があるのです。
記者:
えっ!?オーラルは「本番」よりも安全だと思っていましたが・・・・。
尾上:
とんでもありません。それは大きな誤解です。男性の性感染症で最も症例数の多いクラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎の最大感染源はCSWのオーラルサービスなのですよ。
記者:
ということは、クラジミアや淋菌が、CSWの口の中に存在しているということですか? でも、CSW本人には、それがわからないのでしょうか?
尾上:
CSWのクラミジアや淋菌による咽頭炎の特徴は、自覚症状がないことで、これが問題を一層厄介なものにしています。CSWの咽頭からのクラミジア、淋菌の検出率は高いにもかかわらず、ほとんどの症例が無症状で咽頭の発赤、扁桃腫脹など他覚的所見がありません。
記者:
ということは、CSWは自分が感染していることを知らないまま、客にオーラルサービスを提供し、それが感染を広げているわけですね。
尾上:
そうです。実際にCSWの咽頭では淋菌の検出率は性器よりも高い値を示しています。
一方、クラミジアでは性器の方が咽頭より検出率が高くでますが、咽頭にも一定の割合で存在します。この違いの原因は、咽頭が淋菌にとって住み着きやすい環境であるからだと考えられます。
いずれにしても、「オーラルは安全」ではないことは明白な事実です。
まさに、『口腔咽頭は性感染症の温床』なのです。お分かりですか?
記者:
日本の性風俗の特徴である「本番」以外のサービス、これがまさに性感染源の拡大の場になっており、CSWが感染の拡大に深くかかわっておるのも、この点なのですね。
大変興味深い内容でした。本日はありがとうございました。
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いかがでしたか。
これをお読みになったら、もう「オーラルは安全」だとは思えないのではないでしょうか。
もっと多くの方に、この事実を認識していただくことを、望んでやみません。
性風俗嬢の性感染症(その2)
前回から、先日、ある出版社から取材を受けた「性風俗嬢の性感染症」のインタビュー内容を、抜粋してご紹介しています。前回は、日本の風俗の歴史と特徴についてご紹介しました。
今回は、「性風俗嬢(CSW)によくみられる感染症」についてです。
記者:
CSWの女性自身は、どのような性感染症に感染している場合が多いのでしょうか?
尾上:
CSWの性感染症で最も頻度の高いものは、クラミジア感染症です。次いで性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、ケジラミ症、梅毒の順になっています。
記者:
やはりクラミジアが一番多いのですね。
尾上:
その通りです。クラミジア感染症はCSWにとっては避けては通れない性感染症で、最も高頻度に罹患しています。また外陰・腟カンジダ症、細菌性腟症も多くみられます。
これらは多くのCSWの職業病的な様相を呈していると言えるでしょう。
記者:
なぜ職業病なのでしょうか?
尾上:
CSWの仕事上、腟内洗浄を日常的に行うことや何らかの理由により抗生物質を服用することがその要因の一つと考えられますね。
記者:
性器ヘルペスのように、一度かかるとそのあと何度も発症する病気も含まれていますね。
尾上:
CSWにとって性器ヘルペスは、初感染時は性感染症だと言えますが、そのあとは、ヘルペスウイルスが骨盤の中の神経節に潜んで眠っています。
一度治ったように見えても、セックス、月経、仕事などのストレスにより、眠っていたヘルペスウイルスは目を覚まし再発してきます。この再発は高頻度にみられます。ですから性器ヘルペスの再発は性感染症だとは言い難いのですが、感染力があるので他人(男性)にとっては性感染症となりえます。
記者:
HIVおよびエイズに関してはどうですか?
尾上:
CSWは日本人の中でも、HIV/AIDS感染の、High Risk Group(病気になる危険性が高いグループ)に属しています。しかし、感染の報告はほとんどなく、HIVの陽性率は一般女性と変わらないと考えられます。
記者:
それはちょっと、安心できる材料ですね
尾上:
しかし、その他の性感染症に関してはHigh Risk Groupであることに変わりはありませんよ。常に感染の危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。
さて、次回はCSWの行う、とあるサービスが、感染症の拡大に拍車をかけていることについてお話します。お楽しみに。
性風俗嬢の性感染症(その1)
先日、ある出版社からのインタビュー取材を受けました。
テーマは、「性風俗嬢の性感染症」についてです。
性風俗を利用することでの性感染症のリスクについては、このブログをご覧の方々には、周知の事実だと思います。しかし、世間一般では、まだまだその実態についての理解が不足しているように感じます。
そこで、今回から3回にわたって、このインタビュー取材の内容を抜粋してご紹介することにいたします。
記者:
先生、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
今回お話を伺いたいのは「性風俗嬢の性感染症」についてです。
まずは性感染症の拡大に、性風俗嬢がどのように関わっているのか、ということから教えてください。
尾上:
性風俗店で働く女性を「性風俗従事者(commercial sex workers=ここでは以下CSWと略します)」といいます。現在、このCSWが、男性の性感染症で最も症例数の多いクラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎の最大感染原因になっています。
記者:
どうしてCSWが性感染症の最大原因になったのでしょうか?
尾上:
その質問にお答えするには、まずは日本の性風俗の歴史や実態について、ご説明しないといけませんね。ご存知のように、1958年に「売春防止法」が施行され、いわゆる「赤線」で行われていた売春行為が違法となりました。それによって、日本の性産業は大きく変わり、多くの赤線業者が「トルコ風呂」(1984年に現在の「ソープランド」という名前に改称)を始めました。
記者:
これによって、提供されるサービスの内容がいわゆる性行為ではなくなったということですね。
尾上:
そうですね。体を洗ったり、マッサージをしたり、さらにオーラルセックスや素股、手や乳房での性器への刺激、肛門・前立腺刺激、性玩具使用などは、売春防止法にいう「性行為」にあたらないということで、法の網をくぐりぬけた新しいスタイルの性商品がつぎつぎと現れました。
このような性商品は世界的にみても類がなく、日本特有の現象と思われます。
記者:
確かに、ソープランド以外にも様々なタイプの風俗店がありますよね。
提供している内容も、ライトなサービスからヘビーなサービスまで様々です。
尾上:
殊に、ファッションヘルス、ピンクサロンなどのオーラルセックス専門店の存在が、問題です。これらは低料金のため、手軽に若い男性が利用していますよね。
このことが性感染症の拡大・蔓延に拍車をかけているわけです。
さて、次回は実際にCSWの女性がどんな感染症にかかっている例が多いかをご紹介します。
お楽しみに。
男性同性愛者の性感染症
1月某日、未婚で44歳の男性が来院してきました。来院の理由を聞いてみると、
『HIVの即日検査を希望します。あと梅毒が心配です』とのこと。
一見、紳士風で、礼儀正しい立ち居振る舞いの男性でした。
そこで詳しく話を聞いてみると、その男性は「同性愛者(ゲイ)」でありました。
早速、診察致しますと、陰茎には異常所見を認めないが、陰嚢皮膚には梅毒性皮 疹を認めました。
これは梅毒の第二期に見られる皮膚所見です。
本人希望のHIV 即日検査もすぐさま行いましたが、こちらは陰性で、私もほっとしました。
梅毒については念のため、梅毒血清反応検査も行いましたが、
1週間後に、やはりハッキリと陽性であることが判明しました。
梅毒第二期ですので、早速駆梅療法(梅毒の治療)を開始しました。
治療は本人の努力もあって約2ヶ月で終了し、 現在は経過を観察しているところです。
さて、いい機会ですので、
今回は男性同性愛者(ゲイ)の性感染症について少しお話しましょう。
肛門と性器そしてハンド・フィンガー・性玩具・薬(ヤク)等を使用するゲイのセックスには、
計り知れない特殊性があります。肛門は本来、性行為で用いる部位ではありません。
肛門を使うだけで免疫力が低下するといわれています。
男性同性愛者には特有な性感染症があり、
男性性器と女性性器の結合で生じる性感染症とは全く違う病気があります。
それは「A型肝炎」と「赤痢アメーバ症」です。
A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)が原因です。
赤痢アメーバ(腸管の寄 生する原虫)は大便を直接的あるいは間接的になめることで感染します。
しかし、なんといっても最も注意しなければならいのがHIV感染です。
他にはゲイの約10%が梅毒に感染しているとも言われています。この数字の高さは驚きですね。
また尖圭コンジローマですが、ゲイのコンジローマは肛門にできるのが特徴です。
肛門の尖圭コンジローマはやはりHIV感染者に多くみられます。
また梅毒の第二期に生じる扁平コンジローマも、尖圭コンジローマとの鑑別が必要となります。
このような事実からもわかりますように、
ゲイの方は積極的にAIDS、梅毒、A・B・C型肝炎の血液検査を受けるべきです。
既にA型肝炎・B型肝炎・C型肝炎はゲイの間で深刻な問題になっています。
しかし、A型肝炎・B型肝炎は予防ワク チンがありますので、対策をとることも不可能ではありません。
セックスをするゲイにはワクチンをお奨めいたします。
これからは、男性同性愛者(ゲイ)のための性感染症の専門医が必要な時代になるかもしれませんね。
それでは、ごきげんよう!
陰茎硬化性リンパ管炎って!性感染症なの?
今回は『陰茎硬化性リンパ管炎』について勉強しましょう。
えっ?はじめて聞いた病名ですか?
正式には非性病性陰茎硬化性リンパ管炎(non-vevereal sclerosing lymphangitis of the penis、Mondor病)というものです。
先日、私のクリニックに29歳の男性がやってきました。
「先生!ペニスにコリコリしたオデキができた。心配で・・・」
という彼に話を聞いてみると、2週間ほど前からペニスの冠状溝の下
にコリコリしたオデキが急にできた。
痛くも痒くもないが、飛び出ていて気持ちが悪いとのこと。
風俗には行ってないし、何年も彼女はいないが、マスターベーションは
週に2~3回位しているということでした。
早速、診察してみるとペニスの冠状溝の下のほぼ半周に渡って、
環状に索状の結節(しこり)がみられます。
触れると、患者さんが言うとおりコリコリしています。
コリコリしている索状物は幅は約3~5mmの管状をしており、
表面はきれい、赤くなったりもしていません。
また、押さえても痛くないといいます。
管状のしこりは周囲との癒着はなく、可動性でありました。
しかも冠状溝の中央で索状のシコリが陰茎根部に向かって
陰茎体部の中央部付近まで屈曲しながら走行しています。
さて、これは何という病気でしょうか?
これが今回のタイトルにもなっている、「陰茎硬化性リンパ管炎」です。
20~40歳の男性に多く、性感染症とは関係ありません。
多くは、陰茎冠状溝の包皮の内板を環状にとりまく皮下の索状硬結(しこり)です。
少し難しくなりますが、性交による機械的刺激のためリンパのうっ滞、凝固、
器質化などが生じ、陰茎リンパ管に閉塞性、増殖性の索状結節(しこり)が
発生したものと考えられています。
すなわち、過度あるいは長時間のセックスやマスターベーションが
原因になることがあると言われていますが、はっきりとした原因は判っていません。
大体2週~4週でコリコリしたリンパ管は再開通し、自然消失することが多いようです。
自然治癒することが多いので、放置してもかまいません。
リンパ管の切開ないし穿刺は一時的な効果はありますが、
また直ぐに腫脹してきますから、無意味な処置となります。
自然治癒しないようでしたら、専門医を訪ね、定期的(2~4週間毎)に
診察を受ける経過観察をお勧めいたします。
場合によっては、または再発時には手術(リンパ管切除など)が必要になるかもしれません。
診断は、専門医が診れば目視で容易です。
最近、インターネットで勉強し、性感染症ではないかと心配して来院する方がみられます。
ご心配のある方はひとりで悩まず、まずは専門医をたずねてください。
それではごきげんよう!
STI自己検診の効果と限界
性感染症は他の病気と比べても、きわめてプライバシーの高い病気です。「できたら婦人科の検診台には乗りたくない。」
「診察を受けることに抵抗がある。」
そんな女性の声をよく耳にします。
先日相談を受けたある女性も
「彼が時々、性風俗に行くので性感染症が心配なんです。
最近、帯下(おりもの)が増えてきたし、クラミジアではないかと思って・・・。
でも病院にいくのには、どうも抵抗があります。」と仰っていました。
実は「自己検診」という手段もあります。
最近では、クラミジア・淋菌の検査キットにおいて、
遺伝子レベルの検査ができるようになりました。
精度・検出率が極めて高く、医療機関で行う検査とほぼ同等の精度があります。
ですから、検体採取さえうまくできれば、検査キットによる自己採取の郵送検診でも
ほぼ正確な検査結果がでます。
しかし、外陰部の診察だけは自己検診ではできません。
これには専門的な知識・技術が必要となります。
性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、性器伝染性軟族腫(ミズイボ)、軟性下疳、
ケジラミ、疥癬(ヒゼンダニ)などは専門医でなければ診断できません。
自己検診はそのメリットとデメリット、
つまり、「自己検診で何がわかり、何がわからないのか」を
はっきり知った上で行うならば良いと思います。
ただ、もし検査の結果、陽性成績や問題点が出た場合は、
早急に婦人科を受診することが大事です。
一番肝心なことは「放置しないこと」です。
性感染症を放置したことによって、子宮外妊娠、卵管狭窄、骨盤腹膜炎を起こしたり、
不妊症など、のちのち悪影響を及ぼしてしまうことは多々あります。
ご自身の体のためなのですから、勇気を持って婦人科の扉を叩きましょう。
貴女の性の健康をお祈りいたします。
今や、 性感染症はウイルス時代!
性感染症は今や寄生虫、細菌の時代でありません。AIDSはHIV、尖圭コンジローマはHPV,性器ヘルペスはHSV、B型肝炎はHBV,C型肝炎はHCV、
伝染性軟属腫は伝染性軟属腫ウイルスなど圧倒的にウイルスが原因の病気が性感染症を占めています。
その中でも最近は、性器ヘルペスや尖圭コンジローマにかかる人が増加しています。
これらに感染すると、皮膚や粘膜に小さな傷ができ、エイズウイルスにも感染しやすくなるといわれており、注意が必要です。
以前このブログにも書きましたが、最近になって性器ヘルペスや尖圭コンジローマに効果のある治療薬が開発され、保険適応にもなっています。
これらの感染症の対応には、早期発見と早期治療、そして医師の治療法の選択が大事なポイントとなります。
例えば性器ヘルペスの場合、「再発」が多くの患者さんの悩みとなります。
再発を繰り返す患者さんは、2年前よりヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬を1日1錠服用することにより、快適な生活ができるようになりました。これを再発抑制療法といいます。
このような治療法は先進国では日本が最も遅れていました。
しかし、再発を防ぐことは、発症した症状を治すことと同じぐらい重要で、患者 さんにとってはQOL(Quolity of life 生活の質)が向上することになります。
一方、尖圭コンジローマは基本的には良性腫瘍ですが、ウイルスのタイプによっては子宮頸癌や陰茎癌をひき起こすこともあります。再発を繰り返したり、難治性の場合には注意が必要となります。
幸いなことに、尖圭コンジローマも免疫調整剤の外用薬が1年前より日本でも使用できるようになり、治療の選択枝が増えたことは、患者さんにとって朗報ですね。
しかし、これらの新しい治療法の恩恵にあずかるには早期受診が必要です。
一番 大事なことは自分の体の変化にすぐに気づき、早めに医師の診察を受けること、
そしてもちろん、性感染症に詳しい医師にめぐり合えるかどうかも重要です。
性行為中なんとも言えない臭いがして白い液体が流れてきます
【相談者】27歳 女性/未婚 子供無
この方から相談がありました。
感染症ですか?
4ヶ月ほど前から交際した彼としか性行為していません。
最近性行為中なんとも言えない臭いがし白い液体が流れてきます。
胸全体に痛みもありしこりのようなものも。
私の体はどうなってしまったのでしょうか?
不安です。教えて下さい。
【相談のポイント】
病院に行った方がいいですか?
【相談内容】
①『性行為中になんとも言えない臭いがし白い液体が流れてくる。』
②『胸全体に痛みもあり、しこりのようなものもある。』
【回答】
①『性行為中になんとも言えない臭いがし白い液体が流れてくる。』
これについては臭いがあるのですから、何らかの性感染症はあるのでしょう!
臭いがきついようですから、先ず考えられるのは細菌性腟症です。
いずれにしても婦人科を受診いたしましょう。直ぐよくなると思いますよ!
②『胸全体に痛みもあり、しこりのようなものもある。』
これについては、胸に痛みがあり、しこりもあるのですから、直ぐに病院に行くべきです。
婦人科でもいいですが、できたら外科に行かれた方がいいでしょう。
お大事に!
ソープ嬢の嘆き!レズプレイで不安なことが・・・
先日、私の診療所にベテランの39歳ソープ嬢が相談にやってきました。内容は『先生、私の咽を見てほしいんです・・・。』とのこと。
風俗に働く女性は性感染症と常に隣り合わせの危険がありますが、
特に心配なことが先日あったというのです。
『実は、先日お客様の御趣味からソープ嬢同士でオーラルセックス(クンニリングス)を
する機会があったのです。
このお客さんは60歳の紳士で常連客なんですが、いつも酔っぱらって来て、
風俗嬢のレズプレイを見て楽しんでいきます。
いつも自分は参加しないのですが、先日はたまたま参加する羽目になってしまいました。
そして私がパートナーに指名された女の子の外陰部を愛撫(クンニリングス)した際、
外陰部から猛烈な臭いを感じました。
その臭いがあまりにもすごかったので、咽の感染症が心配になったのです。
今回は、レズプレイをいつもやっているソープ嬢がたまたま休みだったので、
仕方なく初対面のソープ嬢と組んでのプレイ。
よく知らない相手だけに、相手が何かの感染症にかかっていないかどうかなど、
よくわかりませんでした。
それもあり、心のモヤモヤが晴れません。
いっそのこと、咽の淋菌・クラミジア検査を受けてみた方がいいでしょうか?』
彼女の相談はこんな内容でした。
そうなんです。咽頭に淋菌やクラミジアが感染しても、実はほとんど症状がでません。
従って“口腔咽頭は性感染症の温床”になりがちです。
ですから、「あれ?おかしいぞ?」と思った時や「症状はないけれど心配な事があった時」には
咽頭の検査をおすすめします。
検査は簡単に受けられます。
そして「心の平和を勝ち取りましょう」
睾丸が赤く腫れて熱が・・・これって性感染症!?
先日、マニラに海外赴任している35歳の友人から、突然かかってきた国際電話。
内容は『左の睾丸が突然腫れて、痛い!袋の部分が赤くなって熱をもっている。体温も平熱より高いんだ。原因は何だろう!?
セックスはずーっとしていないし、心あたりはまったくないんだけど、助けてくれないか?』というSOSでした。
彼は東京で育ち、今回初めての海外赴任です。
今までの病歴などをいろいろ聞いてみたところ、子どもの頃、おたふく風邪に罹ったことがないことがわかりました。そこで、睾丸が腫れて発熱したのは性感染症ではなく、睾丸炎(精巣炎)であると判断できました。
多くの方は意外に思われるかもしれませんが、睾丸炎(精巣炎)は、実はおたふくかぜウイルスが原因で発症します。
この病気は、正式には「流行性耳下腺炎精巣炎」といいます。
ウイルスが気道から侵入して、粘膜下組織で増殖し、その後ウイルス血症をひき起こし、全身的に広がります。このおたふくかぜウイルスに子供が感染すると、2~3週間の潜伏期の後に発熱し、耳下腺が腫れて、いわゆ
る「おたふく風邪」になります。子供にとっては大変な病気ではありません。
おたふく風邪は一度かかると、終生免疫ができるため、二度とかかることもありません。
しかしながら、子どもの頃、おたふく風邪にかからないまま大人になってしまい、成人がこのウイルスに感染すると、なんとなんと!男性では睾丸炎(精巣炎)になってしまうのです!
睾丸炎(精巣炎)は一般細菌が原因で起こることは極めてまれで、おたふく風邪ウイルス(ムンプス・ウイルス)、淋菌、梅毒のいずれかが原因と判断できます。
現在ではほとんどが、おたふくかぜウイルスで起こるといえるでしょう。
睾丸炎(精巣炎)は、耳下腺炎発症後5日前後に発症することが多く、その多くは片方の睾丸に発症します。
症状は急激に睾丸の腫れと痛みが出てきて、発熱もありま
すが、発症してから1~2週間で軽快します。
しかし、睾丸炎になった約30%の方は、運が悪いとその睾丸が萎縮して精子を作れなくなり、男性不妊症になる危険性があります。
現代日本は超清潔国家です。
この無菌状態のような日本で育った若者が発展途上国に出かけると、いろいろな病原体と遭遇し、予期せぬ病気になることがあります。
今回の友人の例もその典型と言えます。
子供のうちにかかっておくべき『はしか』『みずぼうそう』『おたふくかぜ』『風疹』などの感染症にかからないで大人になった方はどうかご注意を!
おたふく風邪はムンプス・ワクチンで予防で
きますので、転ばぬ先の杖として、覚えて置かれるとよいでしょう。
ガチフロキサシン販売中止!9月30日
『ガチフロキサシン販売中止!9月30日』尿路感染症・呼吸器感染症などに対して使用されているニューキノロン系経口抗菌薬のガチフロキサシン(商品名:ガチフロ錠)が、2008年9月30日をもって自主的に販売中止となることが決まった。
糖尿病患者に投与できないことや血糖値異常の周知徹底の困難さ、米国市場からの撤退、同様の抗菌力を持つ類薬の登場などがその理由とされています。
しかしながら突然のNEWS報道で現場の臨床医の衝撃はかなり大きいものと思われる。
杏林製薬(製造販売元)の親会社であるキョーリンと、販売元の大日本住友製薬が2008年9月30日発表したもので、キョーリンによると、今後、同薬の回収は行わないが、返品には応じるという。
性感染症であるクラミジア感染症の治療薬として、クラミジア菌の消失率が100%であるということで臨床医から高い信頼性を得ていた。市場から無くなることは、同様の抗菌力を持つ類薬があるとはいえ、患者にとっても大きな損失である。
真に残念である。
病気なの?子供産めるかしら!?心配・・・
【相談者】27歳 女性・既婚・子供無
【相談内容】
①以前、同時期にクラミジアとトリコモナス膣炎にかかり、病院から処方された抗生物質を服用しました。 その後旦那の仕事の都合で引っ越す事が決まり、かかりつけの病院も変わりました。
②新しい病院に変わってから再検査を受けたところクラミジアは(-)でした。
トリコモナス腟炎の方は何も言われないままクラミジアが(-)だったら、先生は大丈夫だと言っていましたがどうも納得いきません。
③何回か不正出血もあり先生に告げると、子宮の入口が赤くただれてると言われ、出血もそのせいだといわれました。
④その炎症を抑える腟錠をもらいましたが、何かまた別の病気ではないかと不安で仕方ありません。
⑤普通に妊娠できますか?
【回答】
①貴女は以前、「クラミジアとトリコモナス腟炎にかかり某産婦人科で処方された抗生物質を服用した」この件に関しては、クラミジアは適切な抗生物質を服用すれば治癒いたします。が、トリコモナス腟炎に対してはどのような処置をしたのでしょうか。
トリコモナス腟炎の治療には内服薬と腟坐剤がありますが、如何したのでしょうか?
貴女は「抗生物質を服用した」とありますが、「トリコモナス原虫用の内服薬とクラミジアの抗生物質を同時に服用したのではありませんか?」
病院でもらった薬の説明書があるでしょうから、何を服用したのか一度チェックしましょう。
②貴女は新しい病院にて再検査を受け、
「クラミジアは(-)でした。トリコモナス腟炎に関しては何も言われなかった」
「先生は クラミジアが(-)だったら大丈夫だと 言っていましたがどうも納得できない」
とありますが、婦人科外来での検査にて先生が何の検査をしたかのかがポイントです。
勿論、クラミジアの検査をして後日、検査結果の報告を受け、陰性でした。検査当日、その先生は子宮頸管・腟分泌物の塗抹検査(顕微鏡検査)をしてトリコモナス原虫がいないことを確認していたのかもしれません。先生の説明不足かもしれません。事実はわかりませんね。
③貴女が何回か不正出血もある」と告げると、先生は「 子宮の入口が赤くただれているせいで、出血もそのせいです。」と言った。
先生の説明のとおり、若い女性の子宮腟部は生理的に糜爛(ビラン)がありただれています。
ただれていますから、出血しやすい状態にあります。またこの生理的な糜爛(ビラン)というタダレは、妊娠には必要な状態だといわれています。
④貴女は
「その炎症を抑える腟錠をもらいました」
「何かまた別の病気があるのでしょうか?」
「不安で仕方ありません」
これはこまりましたね!病院で「炎症を抑える腟錠」を投与されたのですから、その説明書を見れば、何の薬かわかるはずです。貴女に対する先生の説明不足と貴女の理解度にも問題があるようです。
これは失礼いたしました。
⑤「普通に妊娠できますか?」
これもこまりましたね!「子は神からの授かり者ですからね!」
先ずは、神にお祈りいたしましょう!私からもお祈りしておきます!合掌・・・・・・・・・・!
さて、クラミジア感染症の一番の問題点は、後遺症である不妊症です。クラミジアに対し適切な抗生物質を服用終了後、2週間以上経ちましたら、クラミジアの治癒判定検査(遺伝子増幅検査PCR法、SDA法など)を受け、治っていることを確認いたしましょう。そして安心いたしましょう。検査はすべて保険でできますよ。
最後に、貴女には「心に平和」がありません。
再び新たな婦人科を訪れ「クラミジアとトリコモナス」について検査を受け心に平和を取り戻しましょう。
そして健康なセックスをし、健康な赤ちゃんを授かりましょう。
それでは、ごきげんよう。
新婚妻の【あいため】ブログより
新婚妻の【あいため】ブログに紹介されました。性感染症のお勉強をしながら四川料理をいただく、最高に幸せな3時間。
2008年07月25日
テーマ:お仕事とか。その周辺。
様々なご厚意とご縁が重なって、 性感染症のお勉強しながら中華料理をいただく機会がありました。性感染症の中で、もっとも怖いのは、クラミジア。
最近の性感染症は、症状が出ないことが特徴とのこと。
男性の5割、女性の8割が感染しているにも関わらず無症状ですから、感染は拡大する一方なのです。
ほんとに、12月1日の世界エイズデーのように、 性感染症検査の啓蒙強化月間を作ったほうが良いと思います。
または、誕生日の月は、自分の体に感謝をするために、 健康状態をチェックしましょう⇒性的な経験がある人は皆、性感染症検査をしましょう。
とか。
厚生労働省、製薬会社、広告会社の皆様に、ひとつお願いしたいとこですが、 でも、実現ははるか先になりそうなので、この記事を読んでくださったラッキーな方は、 ぜひご自分の意思で、性感染症の検査に行くという「英断」をされることを望みます。
そして、行くならば、今回、お話くださった性感染症のスペシャリスト
宮本町中央診療所の尾上 泰彦先生が本当にお勧めです。
尾上先生は、ユーモアもたっぷりで、難しい医学的な話も 私たち一般人に大変分かりやすいキャッチーな言葉をつけてくださいます。
あと、
必ず「咽頭(のど)のクラミジアの検査」
もしてもらってください。
昨今の性風俗店のオーラルサービスの増加により、 性感染症の温床は、「のど」です。
もちろん無症状のケースがほとんどです。
この講義、2回目のTさんは 「実は、前回の先生の講義を聞いてから一度も風俗に行ってないんです・・・」と。
それは、成人男子の当然の反応だと思います。
その他、HIV、勃起治療薬、児童買春、児童ポルノ、女性性器切除、性転換手術、フランスのフェミドームやアメリカのHIVの方用のコンドームのお話など、
幅広い性の真面目なお話が聞けて、本当に有意義な時間でした。
見事な茶芸を披露いただきながら八宝茶を堪能しました。
あまりに話しに熱中しすぎて、美味しかった四川料理のを写真を撮り損ねました。。。
ぎりぎり間に合った、最後の四川豆花飯荘 麻婆豆腐。
お食事を終えたあと、ご一緒した方に
「あいためさん、本当に目が輝いていた!!」
と、褒められました・・・
本当に性に関する専門家の方々にお話を伺うのは 知的好奇心が最高潮に満たされて、
本当に自分が心底幸せに感じているのが分かります
私が私らしくいられる、こういう感覚、大切にしていかねばなりません
宇宙の意思と天命に従って、いつか皆さんに幸せになるための
性の知識を、還元していきたいです。
今、AllAboutで、夫婦間のクラミジア感染の記事したためています。 そちらもご期待ください。
性感染症が心配です!
【相談者】
36歳 女性 / 既婚 子供一人
【質問】
性感染症が心配です。前からあるのか、いつ出来たのかわからないのですが、
二日程前から外陰部にかゆみがあり、膣の入口(人差し指第一関節ぐらい)の所に
やわらかいイボのようなできものがいくつもあります。
今はかゆみはおさまっています。
膣の中の事なので色はわかりませんが、おりものの色や臭いの異常はありません。
ちなみに今月の検査ではエイズ、梅毒、クラミジアは陰性で、先月は淋菌、咽頭クラミジアが陰性でした。
もし、尖圭コンジローマだとしたら治療が長引くのですよね。
夫婦生活はできるのですか?不安になっていますので教えて下さい。お願いします。
【相談のポイント】
性感染症かどうか心配です。症状を見て教えてください。
【回答のポイント】
①おりものの色や臭いの異常はない。
②今月の検査:エイズ、梅毒、クラミジアは陰性。
③先月の検査:凛菌(淋菌)、咽頭クラミジアは陰性。
④腟の入口(人差し指第一関節ぐらい)の所にやわらかいイボのようなできものがいくつもある。
(1)
性感染症の多くは症状が乏しいかあるいはまったく症状がありません。
症状があればラッキーです。治療に結びつくからです。
おなじ病気になっていても、症状がなければ医師を受診する機会がなく、治療も出来ません。
後々、不妊症など後遺症がでてしまう危険性があります。
(2)
相談者はエイズ、梅毒、クラミジア、淋病、咽頭クラミジアなどの検査をして陰性ということですが、
この検査は医療機関(婦人科)で受けたものですか、あるいは自己検診(検体自己採取検査)でしょうか?医療機関(婦人科)で受けたものであれば、そのときに外陰部、腟内、子宮頸部の診察をしているはずです。その時に異常所見があれば 、相談者に何らかの告知があるはずです。
おそらく腟内のやわらかいイボは生理的なものかもしれません。
(3)
いずれにしても、性感染症の有無については専門医を受診することをお勧めいたします。
相談者の悩みは直ぐに解決することでしょう。
(4)
「性の健康」を確認して、健康なセックスをいたしましょう。
精子に血が混じる!性感染症が心配!
31歳の歯科医が『精子に血が混じっていた!鮮血でした!セックスの後、妻と一緒に確認しました! 性感染症が心配!』
と言って受診してきました。
このようなことは決して珍しいことではありません。
患者さんはよく『精子に血が混じっている』と言って来院してきますが、 精子に血が混じっているのではありません。精液に血が混じっているんです。この状態を「血精液症」といいます。
精子は精巣(睾丸)で作られますが、精液は前立腺と精嚢で作られます。前立腺液はサラサラとした精液を作ります。 精嚢はドロッとしたゼリー状の精液を作っています。
精液成分の約20%が前立腺液で、約80%が精嚢液です。 その他に精巣(睾丸)で作られた精子とガマン汁で有名な“クーパー腺液”が少量入っています。
精液が射精現象によって尿道から放出される場合、最初に主に前立腺液が出てきます。
その次に精嚢液が出てきます。そういうことで精液のどの部分に血液が混じっているかが判れば、 出血している部位をある程度、予想することが可能です。
一般的にその原因は前立腺と精嚢の炎症性出血が多いといわれています。
しかし精密検査をしても原因が判明しないことが多く、「特発性血精液症」と言われています。
ただ40歳以上の方では、前立腺腫瘍(前立腺癌)を否定することが必要ですから、 必ず泌尿器科を受診し精密検査をしてもらい安心しましょう。
それから、「血精液症」と「性感染症」の関係はあまり多くないことを強調しておきます。
マジー!?16歳男子高校生の淋病!
16歳の男子高校生が父親と一緒に診察室に入ってきた。父親がまず一声 『先生、こいつ、毛も生えそろってないくせに、尿道から膿なんか出しやがって! 生意気に俺もなったことがない病気になりやがって! 先生、よろしくお願いしますよ』
高校生はうなだれて沈黙をまもっている。 父親を退室させて診察を始める。
『どうした?僕!』
『先生!尿道から黄色い膿が出てきて、おしっこする時、すごく痛いんです』
『どこに遊びに行ったの?』
『一週間前に友達に誘われて、ヘルスに行きました。口でやってもらいましたが、セックスはしてません』
『僕!その彼女とキスはしましたか?』
『キスはしました』
『尿道から膿が出てきたのは、何時から?』
『三日前からです』
『お父さんに相談したのは?』
『きのうです』
『薬は何も飲んでませんか?』
『飲んでません』
『では、おちんちんを診ようか?』
彼の外陰部を診察すると、尿道口周辺は赤く腫れあがり、尿道口より黄色い膿が出ている。
さらに下着は膿で汚れている。 彼の尿道口より検体として膿(分泌物)を採取し検鏡法(淋菌の有無が直ぐ判る検査)と淋菌のDNA検出法(PCR)を行った。
その後、尿検査(淋菌とクラミジアの検出:1週間後に判る)も行った。
彼の症状と分泌物の検鏡検査から淋菌性尿道炎と容易に診断できた。
『僕ね、淋病になってるよ。彼女の喉に淋菌がいたんだね。彼女とキスをしたんだから、君の喉も淋病になっているかもしれないね。喉の淋病の検査もしようね』
そして彼の咽頭の淋菌培養検査をすませた。
『それでは、お父さんと一緒にお話しようか?僕!いいかい?』
『先生、お願いします』
父親と一緒に三者面談を行った。
『お父さんネ!息子さんは風俗店に行き、オーラルサービスを受けておちんちんが淋病になっています。口だけでいろんな病気になります。まさに“口は災いのもと”ですね!ですから息子さんの喉も淋病になっているかもしれません。でもこうやって、ここに来れたことは不幸中の幸いです。症状が出たから来れたのです。良かったですね。淋病の場合、95%の人に症状が出ますが、不幸にも症状の出ない方は治療ができないで、後になって前立腺炎になったり、さらには精巣上体炎になり高熱が出て入院する場合もあります。そして男性不妊症と言って子供ができなくなる場合もあります。それでは治療と今後のことについてお話をします。薬は正しく飲んでください。水分は十分に取りましょう。お風呂には膿が出ている間は入らないで、シャワー程度にして清潔にしましょう。二日後には膿が止まってくると思います。それでは今日の検査の結果が一週間後に出ますから必ず来てください。』
そして一週間後、約束どうり親子で来院してきた。
『僕、どうだい?良くなったかい?』
『先生、薬を飲んだ次の日から、膿が出なくなりました。もう、すっかり良くなりました』
『そう!良かったネ!検査の結果は、オチンチンは淋病だったよ。でも喉の方からは淋菌は見つからなかったよ。それから先生が心配していたクラミジアは幸いなことに見つからなかったよ。さて、今日までは淋病の治療をしてきましたが、これからの治療の方がむしろ大切です。淋病が治った後、30%位の人に淋疾後尿道炎といって尿道に不快感や違和感が出る尿道炎が起きます。この原因は、はっきりしません。淋病よりこの方がずっと、やっかいです。今日からこれに対する薬を飲んですっきりしましょう。それから今日はどの位良くなっているかどうか、尿検査をします』
さらに一週間後に来院してもらい、尿検査の結果は良くなり、異常が無かったことを告げた。
『これで治療は終了しましたが、念のために、一週間後に淋病がちゃんと治っているかどうかの治癒判定の尿検査をしましょう』
そして、彼はこの治癒判定検査に合格した。
『おめでとう。これで先生ともお別れだね。でもね、感染の機会があってから8週間以上経ったらエイズや梅毒の血液検査を受けた方がいいよ。将来、結婚するときや子供を作る時に問題が起きないようにしようね』
でも、その後、彼は来院してこなかった。
(1)一般的に性感染症になった場合、誰にも相談できず、内緒で治療を行うことが多い。これが経済的に自立してない子供たちの場合、親に言えないと、金銭的理由で十分な検査や治療ができず、不完全な治療で終わる傾向にあります。同様に無知、羞恥心からも未治療、不完全治療の恐れが出てきます。それにより再発し他人へ迷惑をかける場合もあります。
この事例の場合、自覚症状があり、さらに子供から親へ、親から子供へ何でも言える良い親子関係が良い結果をもたらしたとも考えられます。
(2)オーラルセックスの日常化により、淋菌が咽頭から検出される人が増え、性器の淋菌感染症の約30%が咽頭にも淋菌が感染しています。咽頭は淋菌に感染していても自覚症状が無いのが特徴です。うかつに『ノドはきれいだし、症状が無いから、大丈夫だよ』この一言はあまりにも危険です。
『口は新しい淋菌の感染源』です。
彼には白い下着を着けさせよう!
『アッ!? 黄色い膿がついてる!』 『あっ!血液が付いてる!』この様な情報は白い下着では直ぐわかります。
柄パンや色が付いた下着では自分の健康状態は正しく把握できません。
白い下着をつけておけば、下半身のいろいろな情報が得られます。
女性であれば帯下(おりもの、腟分泌物)の性状(色、臭い、血液など)がわかり、 男性であれば尿道分泌物、尿の色などがわかります。
精液が出て乾けば、精液が付いているところはテカテカ光って見えます。
また毛虱(けじらみ)がいれば白い下着に点々と茶色の粉が付着するのですぐわかります。
さらに肛門からの出血や便の性状も把握でき、自分の健康状態が白い下着に反映します。
このように白い下着の着用は『性感染症STD』の早期発見の一助にもなります。
自分もパートナーも白い下着をつけましょう!
自分の彼には白い下着を着けさせよう!
あなたもなれる性感染症
性の健康医学財団の松田静治理事長は「エイズだけでなく、最近は性器クラミジアなどの性感染症全体が若者に広まっており、予防対策が必要だ」と訴えています。松田理事長によると、性感染症にはHIVやエイズのほかに性器クラミジアや梅毒、 淋菌感染症などがある。
松田理事長は「昔は一部の人がかかる病気と言われていたが、 今は誰でもかかる可能性がある身近な病気」と指摘しています。
感染しても症状が出ないことも多く、感染が広がったり不妊症などの後遺症が残ったりする こともあるという。「おかしいなと感じたら、まず専門機関への相談や 医療機関を受診することが大切だ」と話す。
『あなたもなれる性感染症』
不安を抱えているあなたは“心の平和”を勝ち取るために専門医療機関を受診しましょう。
2007年11月25日 | コメント (0) | トラックバック (0)
口は災いのもと
オーラルセックスに警鐘を鳴らす専門医がいる。
『男女とも、いま最も多い性感染症はクラミジアです。ファッションヘルスや性感マッサージのフェラチオで感染
し、クラミジア性尿道炎を発病するビジネスマンが後を絶ちません』
始末の悪いことに、クラミジア性尿道炎は自覚症状が乏しいから、夫のペニスを口に含んだ妻にも感染。
そのあげく婦人科の不妊外来などで、クラミジアと診断された妻から、「あなたとしかSEXしていない専業主婦の私が、なぜ性病になるの」と詰問され、夫婦喧嘩から離婚話へと発展し、真っ青になっている男性も少なく
ないという。
「性感染症は家庭の中にも広く蔓延し始めているのです」
厄介なのはオーラルセックスでクラミジアや淋病などにかかる患者が増えているのに、口や喉を診て性感染症と診断し、治療する耳鼻咽喉科の医師があまりにも少ないことだ。
「日本では、性感染症のすべてを診る独立した診療科が確立されていません。男性の性感染症は泌尿器
科、女性のそれは婦人科、皮膚に表れる性感染症は皮膚科、エイズは感染症科とバラバラに診てきたので、
オーラルセックスでうつる性感染症の急増に立ち遅れてしまったのです」
男女を問わず、すべての性感染症を幅広く診ることができる専門医は数少ない。
「最近はバイアグラなどEDに効く特効薬が手軽に入手できるようになったせいか、20代前半の若年世代だけでなく、“ちょい悪オヤジ”の中高年世代にも性感染症の患者さんが増えてきました」
妻から熟年離婚を言い渡されないように、心あたりがある方はただちに受診するとよいだろう。
2007年11月17日 | コメント (0) | トラックバック (0)
デリバリーヘルス嬢からの質問!
[質問]
デリバリーヘルス嬢になりたい!?
名前はヒナノです。25歳です。未婚 ・子供無。アドバイスをお願いします。
金銭的な理由からでデリバリーヘルスを始めようと思っています。
今、5年くらい付 き合っている彼氏がいて結婚を考えています。
彼に内緒でデリバリーヘルスをやるつもりです。
彼氏に病気を移したらと考えると恐いです。
風俗をやっている友人から、病気は目で見ればわかるし、消毒の石けんが
あるから大丈夫と言われました。
痛がれば性病だと教えてもらいました。
でも私は実際、性病のかかった男性の陰部を見た事ないし、
形や色も様々なのに素人がみて性病って分かるものなんでしょうか?
口でも性病は移ると聞くんですが、デリバリーヘルスに
行く人や働いてる人は病気覚悟で行ってるんでしょうか?
定期的に検査をしても、発症する前に彼氏とエッチをして移したらと思うと恐いです 。
潜伏期間は移らないんでしょうか?
それとエイズも恐いです 。
口内発射をしなきゃいけないらしくて…
スマタでもうつりそうで… 知識が全然ないんです。
こ~すれば大丈夫だよというアドバイスお願いします。
[回答]
貴女は金銭的困窮にて風俗で働くことを考えたのでしょう。
働くかどうかはご自身で決めてください。
ただし性感染症になるリスクはあります。
いずれ何時かは彼にも移るでしょう。
症状が出ない病気はたくさんあります。
特にクラミジア感染症は避けて通れません。
性風俗店に遊びに行く男性は、症状が出ていないから行く訳です。
症状が出ている男性は遊びに行きません。
ということは遊びに行く男性は皆、危ないということです。
デリバリーヘルスとはホテルや自宅への『ヘルスの宅配』です。
ヘルスとはいわゆる性器と性器の結合サービスはありませんが、オーラルサービスと
素股(すまた)サービスが性商品です。場合によっては口腔内射精サービスも
しなければなりません。
しかも個室内で見知らぬ男と女が裸になって性的サービスするわけです。
セックスというのはルールがある訳ではありません。
例えコンドームを使用していても
手は動くし、口は何処に行くかわかりません。
何が起こるかわかりません。
粘膜と粘膜の接触、体液の交換があれば性感染症が成立します。
性風俗店で働くということは、それなりの性感染症になるリスクがあるということです。
性感染症は貴女を待っています。
結婚して子供をつくるのでしょから、風俗店で働くことは許されません。
2007年11月03日 | コメント (0) | トラックバック (0)
セックスの低年齢化・・自分は妊娠しない
セックスを経験する年齢が早まり、10代の妊娠中絶や性感染症もあきらかに増加している。1歳の男の子を抱きながら、17歳の少女は「好きだったから」と、 同級生の彼との性体験を話す。
15歳で妊娠し、16歳で出産した。
いつもつけていたコンドームはその時、手元になかった。
彼は「おろして」と言ったが、産んだ。
2人とも高校を中退し 自分の両親と一緒に住み、夜はコンビニで働く。
彼も道路工事をし、 将来一緒に住む資金をためている。
『1年以上コンドームを使っていないけど、妊娠しないよ』と言っていた少女の女友達も、結果として妊娠した。
『自分は妊娠しない』と思い込み、エイズも自分とは関係ないと思う子が多い。
10年ほど前に比べると、13~16歳の中絶、出産は多くなった。
ある調査では高校3年生の性経験率は、男子では84年に22%だったのが 02年に37.3%、女子は12.2%から45.6%となった。
10代の中絶数は全国平均で、92年に千人あたり6.8件で、03年は 11.9件とほぼ倍増している。
コンドームの使用状況は、厚生労働省が04年末、全国3,000人の男女に実施した調査では、過去1年に性交渉をして毎回避妊したのは、16~19歳男子で54.5% 女子は31.3%にとどまった。
10代の若者は、漫画やビデオ、ネットなど、あふれる性情報にさらされ、セックスをせかされていると、 感じている。
性風俗店で性感染症はよくうつるの?
性感染症の感染のリスクは、コンドームを使わない無防備なセックスをしたパートナーの数 およびそのパートナーのそれぞれが、それまでに経験したパートナーの数によります。性風俗嬢は当然パートナー数の最も多い人たちであり、その人たちとのセックスは無防備であれば、1回のセックスによる性感染症の感染リスクは最も大きいことになります。
性風俗嬢が定期的に検査を受けるとしても、すべての性感染症についての検査は不可能であり、また検査結果が陰性であっても、HIV,梅毒など抗体検出では検査結果が陰性となるまでに1ヵ月以上の陰性の期間があるため、検査が陰性でも感染源になる場合があります。
現在最も多いクラミジア、淋菌感染症は病気になっていても、ほとんど症状が出ることがなく、 性風俗嬢はそれに気づかず、悪気なく客にうつしてしまうことがあります。
こうして性感染症は 拡大・蔓延していきます。
性感染症は性器以外にもひろがるの?
トリコモナス、カンジダ、ケジラミ症などは、腟や性器の周りに感染するだけで 体内に広がりませんが、淋菌、クラミジア、梅毒、HIV,B型肝炎などは、外性器を感染の 入り口として体内深く侵入します。淋菌、クラミジアは尿道、子宮頸管の感染を放置すれば、精子、卵子の通り道を逆行して 精巣上体炎(副睾丸炎)、卵管炎を起こし、精子、卵子の通り道を閉塞して不妊を生じます。
男性の精巣上体炎は腫大、疼痛を自分で触って病変を自覚できますが、女性の卵管炎の症状は、下腹部痛などの症状が軽いこともあり、病気の正確な認知が 困難です。
自覚症状が乏しいクラミジア頸管炎は治療機会が得にくく、放置されがちで、 「卵管閉塞による不妊」の最大原因です。梅毒、HIV、B型肝炎は血流にのって全身に ひろがります。
怖い!怖い!
私だけ陽性なの!私だけ治療すればいいの?
残念ながらパートナーに症状がなくても、感染していることがあります。性感染症では、男女で差が大きく、例えば、淋菌感染症では女性の症状は軽く、 トリコモナス原虫感染症では男性の症状は軽いのです。
パートナーが感染していないことが明らかで、また、治療完了までセックスを しない場合には、パートナーの治療は必要ありませんが、現実にはこのような場合は 多くありません。
パートナーの間で感染しあうピンポン感染は治療を難しくします。
また、治療は早期に行うほど、後遺症を残すことが少なくなります。
パートナーには必ず自分が感染していることを告げ、必ずパートナーも治療を 受けてください。
治療は、医師の指示を守って、治癒を確認してください。
また、治療中は、セックスをしてはいけません。
『私の悩みは、貴方の悩み』、二人で一緒に悩みましょう!
そして、お互いに健康になり健康なセックスをしましょう。
生理中は性感染症は移りやすいですか?
妊娠の恐れから生理中にセックスをする人がいますが、 生理中のセックスは避けるべきです。女性が性感染症に感染している場合、生理中にセックスする相手は、 エイズ、B型肝炎等の血液によって感染する病気にかかりやすくなります。
また、女性も生理中は子宮内膜に損傷があるため、エイズ、B型肝炎等 にかかりやすくなる可能性があります。 血が病気を呼び込みます。
生理中はセックスを慎んでください。
肛門性交(アナルセックス)は危ないぞ!
もともと、色々な外力を受ける腟、口腔の粘膜上皮は、傷を受けにくい厚い重層扁平上皮 でできています。それに対し本来、外力を受けない直腸の粘膜上皮は単層の円柱上皮でで きています。硬い便が通ると、それだけで簡単に出血する場合もあります。
血液を介して移るウイルスの感染は、血液と血液との接触で起きます。
HIV,B型肝炎が肛門性交をする男性に圧倒的に多いのはこのためです。
また、肛門性交に伴ってA型肝炎、アメーバ赤痢、ジアルジアなど腸管感染症の 糞口感染も起こります。 梅毒、淋菌、クラミジアなども直腸に感染しますが、ペニスに感染すれば自分の目で見て 気付くことができますが、直腸では自分で見ることができず感染に気付きません。
そのため治療の機会がなく、感染源になります。 医師の検査による診断も簡単ではありません。
肛門性交(アナルセックス)は、HIVをはじめ性症感染のリスクが最も高いセックスです。
アナルセックスは出血が起こりやすく、感染の危険性が受けて側、挿入側ともに増します。
アナルセックスは同姓間、異性間を問わずコンドームや潤滑液の使用が不可欠です。
アナルセックスはそれだけで免疫力が低下するとも言われています。
『アナルセックスは危ないぞ!』
どんな病気なの?性感染症って!
性感染症とは性行為またはそれに類似する行為で感染する病気の総称です。日本では性にまつわる病気の名称は
花柳(かりゅう)病(昭和2年~)、
性病(昭和23年~)
性感染症(昭和63年~)
へと変遷してきました。
世界的にはWHO(世界保健機構)は
昭和50年に“VD= venereal diseases ”を改めて“STD = sexually transmitted diseases ”を提唱し、さらには平成10年、性感染症の概念を拡大し“STI= sexually transmitted infections ”を推奨し現在に至っています。
性感染症の病原微生物の大きさを比較すると、かつてのマクロレベルからミクロレベルへ、さらにはナノメーターオーダーの時代に突入し、病原微生物の主役の座を長年務めていた細菌がその座をウイルスへと明け渡してしまいました。
その意味では今日は無症候性ウイルス性STI時代を迎えているともいえます。
また、かつては“花柳病”といわれ、男性の遊び人の病気とされていましたが、今や性感染症は女性優位の時代となり、性行動の活発な若い女性のトレンドになっていると言っても過言ではありません。
年齢的にみると性感染症は10代後半から急激に増加し、20代前半に大きなピークを迎え20代後半そして30代前半へと徐々に減少しています。
まさにこの現象は性活動の最も盛んな若者に性感染症が多いことを 如実にあらわしています。
また性情報の氾濫により初交年齢が低下し、それに伴い性感染症の低年齢化にますます拍車がかかっています。
地域別にみてみますと、かつての性病時代には都会の病気と思われていましたが、今や都会と地方の差は性感染症に関してはほとんど無くなっています。
症状についてみますと“性病”といわれた時代には多くは症状がありましたが、現在の“性感染症”は無症状あるいは症状の乏しい疾患が増えています。
セックスの様式も多様化し“性病”といわれた時代には腟性交が主流でしたが、今日では世情を反映し風俗産業をはじめ、若者の間にはオーラルセックスが日常化しています。
現在、日本では男性の性感染症の中で最も頻度の高い疾患はクラミジア性尿道炎、次いで淋菌性尿道炎です。しかもその最大原因はオーラルセックスと考えられており、 『口腔咽頭は性感染症の温床』とも言われています。
しかもクラミジア性、淋菌性咽頭炎はほとんどが無症候であるため、臨床医も、これを見逃してしまうケースが多いようです。
こうして性感染症は知らずして家庭内に侵入し”家庭内環境汚染”を招いています。
また、もし何かの性感染症にかかっているとHIVに数倍、感染しやすいことも忘れないでください。
性風俗店の性感染症蔓延について
性風俗店で遊ぶ際、風俗嬢と顧客は『シャワーやお風呂で局部洗浄』し『イソジンガーグルでうがい』 を行うため
「これで大丈夫」と思われる方が多いようですが、これは大きな間違いで、性感染症の予防にはならないのです。
まず病原体自体は性器の粘膜や皮膚の中に潜んでいるので、洗ってもあまり意味がありません。
多少の意味はあるかもしれませんが、気休め程度と考えてください。
これを勘違いされている人が多く、性感染症を広げる原因にもなっているようです。
まず意味が無いと思っておいた方が良いでしょう。
また、感染する部分は性器以外に口、肛門からも感染し、精液や唾液の中にも病源体は潜んでいるので、本番以外にキスは勿論、性器同士が触れ合うだけでも十分感染の可能性はあるのです。
体液の交換、粘膜と粘膜との接触で感染が成立いたします。
ですから、最近、流行の「オーラルセックス」「素股」などは「本番」とくらべてなんら変わりの無い危険性があります。
また、風俗嬢は毎日接客が多く、腟などにわからないほどの小さな傷がある為、特に感染しやすい状態にあります。
さらに、男性客が性感染症を治療中や、自覚症状がないため感染者であることを知らず、風俗店に遊びに行く というようなことがあれば、風俗嬢はすぐに感染してしまいます。
ですから風俗店で性感染症を防ぐのは非常に難しいのです。
あるお店では風俗嬢、全員が性感染症に感染していたと言う例もあるくらいです。
お店の方としても風俗嬢が感染したからといってその都度お店を閉めるわけにもいきません。
風俗店のお客が全員常連であれば感染も最小限に収まるかもしれませんが、そういうことはまず無理 な話ですし、また他からもどんどん病源体は持ち込まれるわけなので、病気が蔓延化してしまうことにもなります。 一番良いのは、お店側が定期的に風俗嬢に検査を受けさせることでしょう。
もし、それを前面に押し出して宣伝をすれば、お客の方も安心し、また、感染に気をつけている男性が 集まって常連となります。
性感染症は無症状のものもたくさんありますし、見分けるのが難しいので、すべて予防することは不可能ですが、感染被害を最低限度に食い止めるためにも定期的な検査や 専門医による治療を行わなければなりません。
口は災いの元!
『先生!咽がいがらっぽいの!クラミジアかどうか、診てくれる?』と言って21歳のヘルス嬢が来院してきました。
さっそく、咽頭(いんとう:「のど」のうち、鼻から食道に続いていく部分)のクラミジア遺伝子検査をしました。結果は陰性で『よかったね。』と言って彼女は診察室を後にしましたが、実は最近、若者のあいだ、セックスの際のオーラルセックスが日常化しています。
某感染症情報センターの報告では、性体験のある一般女性にアンケートをしたところ、性行為の際オーラルセックスを「必ず行なう」と「50%以上の割合で行なう」との回答の合計は全体の77%を占め、「行なわない(経験がない)」は8%に過ぎませんでした。
このようにオーラルセックスが広く普及したために、クラミジアや淋菌が咽頭から検出される人が非常に増える結果になってしまいました。
2004年8月に行われた性風俗嬢と一般女性のクラミジア感染状況の調査では、子宮頸管(しきゅうけいがん:子宮と膣を結んでいる場所)にクラミジア感染が認められた人のうち性風俗嬢が56%、一般女性25%が、咽頭にもクラミジア感染が認められました。
また、男性の場合は、大学生を対象にした調査報告では、性器のクラミジア検査が陽性(感染している) であった人の、12.5%が咽頭のクラミジア検査も陽性との報告があります。
さらに、某泌尿器科医院を訪れた男性尿道炎患者のうち、感染経路が判明した患者のなんと 83%が咽頭からの感染であったとのことでした。
これらの報告は、性行動や風俗産業の多様化などによりオーラルセックスが性行為として定着してきた為、咽頭から、クラミジアや淋菌に感染した症例が増加していることを示しています。
また、オーラルセックスを職業にするということは、クラミジアや淋菌の咽頭感染の非常に高いリスクを負うことであり、同時にこの性風俗嬢たちが男性尿道炎の大きな感染源となっていることも示しています。
さらに、感染者が拡大する原因の1として、クラミジアや淋菌の咽頭感染は、咽頭(のど)の痛みや発熱といった通常の咽頭炎に見られるような自覚症状や咽頭の粘膜が赤くなるなどの症状がほとんどないため、感染に気づかずに家庭内に持ち込んだり、パートナーに感染させていることがあります。
まさに“口は災いの元”と言ってもよく、『咽頭は性感染症の温床』なのです。
オーラルセックスをした場合は咽頭のクラミジアと淋菌検査も受けましょう。
検査は簡単です。咽頭を綿棒でソーットなでるだけです。また最近では咽頭の“ガラガラうがい”で検査ができるようになりました。
最近のクラミジア感染症や淋菌感染症の治療は大変難しくなってきています!
必ず専門医を受診しましょう!あなたの悩みがパートナーの悩みにならないように!
セックスのエチケット!初めから最後まで忘れずにコンドーム!
