『日本人の再発型性器ヘルペスのQOLについて』
『日本人の再発型性器ヘルペスのQOLについて』 パリの国際学会で発表するこになりました。9月のパリの学会の抄録締め切りが3月20日のため、ひとまず申し込みをしました。
東京女子医大皮膚科教授の檜垣祐子先生が発表いたします。わたしは共同演者です。
再発型性器ヘルペスのQOLについてのアンケートはすべて宮本町中央診療所の患者さんにご協力をいただきました。
再発型性器ヘルペスの患者さんは、今度は何時再発するのかという不安、パートナーにうつしはしないかなどと、絶えずストレスと戦っています。今回はその患者さんのQOLについて検討をいたしました。
下記はパリの学会の抄録です。
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IMPACT OF RECURRENT GENITAL HERPES ON JAPANESE PATIENTS’ QUALITY OF LIFE
Y. Higaki1, Y. Onoye2, K. Yoda3, T. Kamo4
1Institute of Women' Health, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, 2Urology, Miyamotocho Central Clinic, Kawasaki, 3Department of Otolaryngology, Tokyo Women's Medical University,Medical Center East, 4Institute of Women's Health, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
Recurrent genital herpes (RGH) is a common sexually transmitted disease caused by infection with the herpes simplex virus. In many patients, this disease, with its unpredictable nature of recurrences, causes fear of transmission and leads to impaired social and sexual activity.
To quantify the impact of RGH on quality of life in Japanese patients, a cross-sectional questionnaire study was carried out using a battery of instruments: the Japanese version of Skindex-16, WHO-QOL26, and General Health Questionnaire 30 as well as a questionnaire on patients’ history of RGH and their satisfaction with the care they currently receive.
As a result, 54 patients completed the questionnaires. The frequency of recurrences per year was 1 occurrence or less: 13.3%; 2-3 times: 47.2%; 4-5 times: 18.9%; 6 times or more: 20.8%. The current treatment included patient-initiated antiviral therapy: 68.5%; suppressive antiviral therapy:29.6%. The mean scores of the instruments were as follows, Skindex-16-Symptom:36±34; Emotions:45±34; Functioning:22±26, QOL-26-Physical:3.36±0.46; Psychological: 3.25±0.56; Social relationships:3.25±0.68;
Environment:3.32±0.51;General:2.69±0.60,GHQ30:8.6±5.9. Patients with frequent recurrences showed higher scores (lower quality of life) in the Emotion and Functioning sections of Skindex-16 than those with lower frequencies. Patients stated to be satisfied with the current care was 50.0%, while 18.6% were unsatisfied. Patients receiving suppressive antiviral therapy showed better quality of life than those on other treatments.
The present study revealed that RGH affects patients’ health related quality of life especially in aspects of emotional and social functioning. The impact of the disease showed itself more significantly in patients with a higher rate of recurrences.
In conclusion, it can be said that Japanese RGH-patients’ quality of life is highly impaired and effective strategies for its improvement are necessary. The suppressive antiviral therapy, introduced to Japan in 2007, is expected to contribute considerably to an improvement of the quality of life in patients with recurrent genital herpes.
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Posted by aids : 10:55
幻の性病!『軟性下疳』
今回は現在では、お目にかかれない 『 幻の性病!軟性下疳 』 を勉強しましょう。
最近、日本ではほとんど報告がない性感染症で、知っている方はあまりいません。
ドクターでも病名は知っていても、実際に病気を見た先生はほとんどいません。
もともと東南アジア、アフリカなどの熱帯地方で多く発生している病気で
日本では終戦直後(昭和20年〜25年)の性病流行期に流行して、
それからどんどん報告は減少しています。
最近では東南アジアで感染してきた患者が、稀に見られる程度で発生頻度は極めて低い性病です。
そういう意味では輸入性感染症ともいえます。
海外旅行が好きな日本人ですから、これからも流入される可能性が充分にありますから、注意すべき性病の一つです。
さて軟性下疳は軟性下疳菌(ヘモフィルス・デュクレイ)による性感染症です。
性器に生じる、痛みの強い壊疽性潰瘍と鼠径リンパ節の化膿性炎症が特徴的です。
また梅毒トレポネーマと同時に感染した場合、は『混合下疳』と呼びます。
軟性下疳は、潜伏期間が2〜3日と短く、潰瘍(辺縁が鋸歯状の掘れ込みの深い)が生じるため、激痛を伴い、セックスはできません。
ですから多くのパートナーへの感染は少なく、また、感染を受けても数日で発症し、
梅毒やクラミジアのように発見が遅れることはありません。
ただ軟性下疳は潰瘍を伴う性感染症ですから時期がきたら HIV検査が必要です。
以上、究極の性感染症である 『幻の性病! 軟性下疳!』をご紹介いたしました。
Posted by aids : 23:30
『若い女性に増加する子宮頸癌』
平成20年2月28日 けいゆう病院で行われました、横浜市産婦人科医会の講演会に出席してきました。講師は金沢大学准教授の笹川寿之先生でした。
演題は『若い女性に増加する子宮頸癌:子宮頸癌ゼロへのアプローチ』でした。
その中で、子宮頸癌の検診は従来どこの産婦人科でも子宮頸部の細胞診でしたが、これからの検診はHPV-DNA検査が主流になる可能性が高いという。
この話が印象的でしたので、今回はその報告をいたします。
テーマは『若い女性に増加する子宮頸癌』にいたしました。
《子宮頸癌の特徴》
1.子宮頸癌の罹患率はこの20年間ほとんど減少していない。
2.20~30歳代の女性では、罹患率のみならず、死亡率も増加する傾向にあります。
3.ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は若い女性に最も多い性感染症である。
4.子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因である。
5.性交開始年齢の若年齢化に伴って子宮頸癌発生の若年齢化はすでに始まっている。
6.子宮頸癌を誘発する高リスク型HPVは15タイプ以上あり、その中でHPV16型感染は最も危険である。
《子宮頸癌ゼロへのアプローチ》
1.細胞診に比べHPV検査のほうが頸部異常の検出感度が高いことは明らかである。
2.HPV検査は異常検出感度が高く、将来の悪性化を予測できる利点もある。
3.これからの子宮頸癌検診では、HPVーDNA検査が主体になる可能性が高い。
4.細胞診をHPV検査の補助診断とするほうが有効かつ経済的である。
5.現在臨床治験が進行しているHPVワクチンはHPV16,18型感染を予防するものである。
6.このワクチンは深刻な副作用はほとんどない理想的ワクチンである。また、一度接種すると10年間は有効である。
7.このワクチンを性交経験前の女子全員に接種すれば、子宮頸癌を半分以下に減少させることが可能である。
8.さらにHPV検査を主体にした検診を3-5年毎に行うことによって、子宮頸癌の発生を限りなくゼロにできると考えられる。
9.これまで、日本の子宮頸癌が減少しない理由は、細胞診の精度よりも、むしろ低い検診受診率が原因と考えられる。
10.これからは検診受診率を如何にして上げるかの環境作りにかかっている。
以上報告いたしました。少し難しかったかもしれません。
そうなんです。難しんです。それではごきげんよう!
Posted by aids : 17:33
『女性における性器ヘルペスの特徴』
平成20年2月21日 ブリーズベイホテルで行われました、横浜市産婦人科医会・泌尿器科医会研究会に出席してきました。早川クリニック(大阪)の早川謙一先生の講演でした。演題は『最近の性感染症と性器ヘルペスの再発抑制療法について』でした。その中で、女性の性感染症で2番目に頻度が高い性器ヘルペスの特徴についての話が印象的でしたので、今回はその報告をいたします。
《女性の性器ヘルペスの特徴》
1.性器ヘルペスの罹患率は圧倒的に男性より女性が多い。
2.健康人における単純性ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の抗体保有率は男性より女性の方が高い。
3.性器ヘルペスは女性から男性への感染率より、男性から女性への感染率の方が高い。
4.初感染、初発症状は一般に女性の方が重症である。性器ヘルペスから髄膜炎への伸展へもありえる。
5.女性の性器ヘルペスは次世代にも影響する、母子感染の恐れがある。
6.女性の性器ヘルペスの感染、発症には、性ホルモンを介した免疫機構の影響が強く関与しているらしい。
《性器ヘルペスに対しての取り組み》
1.性器ヘルペスは女性にとって深刻な性感染症であり、男性と較べてハンディキャップが大きい。
2.これまでのことを踏まえての性器ヘルペスの知識の普及、教育が必要。
3.性器ヘルペスに対してコンドームは有効な予防法である。
4.抗ウイルス剤による再発抑制療法は一つの有効な手段。
5.女性においては、性ホルモンを介しての免疫機構が性器ヘルペスの感染、発症に深くかかわっている可能性がある。今後の基礎的、臨床的研究が必要と思われる。
以上報告いたしました。少し難しかったかもしれません。
そうなんです。難しんです。それではごきげんよう!
Posted by aids : 10:56
『精子に血が混じる!性感染症が心配!』
31歳の歯科医が『精子に血が混じっていた!鮮血でした!セックスの後、妻と一緒に確認しました! 性感染症が心配!』と言って受診してきました。このようなことは決して珍しいことではありません。
患者さんはよく『精子に血が混じっている』と言って来院してきますが、 精子に血が混じっているのではありません。精液に血が混じっているんです。この状態を「血精液症」といいます。
精子は精巣(睾丸)で作られますが、精液は前立腺と精嚢で作られます。前立腺液はサラサラとした精液を作ります。 精嚢はドロッとしたゼリー状の精液を作っています。精液成分の約20%が前立腺液で、約80%が精嚢液です。 その他に精巣(睾丸)で作られた精子とガマン汁で有名な“クーパー腺液”が少量入っています。
精液が射精現象によって尿道から放出される場合、最初に主に前立腺液が出てきます。
その次に精嚢液が出てきます。そういうことで精液のどの部分に血液が混じっているかが判れば、 出血している部位をある程度、予想することが可能です。
一般的にその原因は前立腺と精嚢の炎症性出血が多いといわれています。
しかし精密検査をしても原因が判明しないことが多く、「特発性血精液症」と言われています。
ただ40歳以上の方では、前立腺腫瘍(前立腺癌)を否定することが必要ですから、 必ず泌尿器科を受診し精密検査をしてもらい安心しましょう。
それから、「血精液症」と「性感染症」の関係はあまり多くないことを強調しておきます。
Posted by aids : 10:22 | コメント (0) | トラックバック (0)