泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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2012年06月27日

糖尿病による包皮輪の亀裂(後編)

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前回に引き続いて、遊びのなくなった包皮と、糖尿病の関係について説明していきましょう。

メタボで糖尿病の人が、長く血糖コントロールを乱していると、このような症状(糖尿病性包皮炎)が現れることがあります。
血液検査をすると、案の定、血糖値が高く、過去2カ月ほどの平均的な血糖状態を示すHbA1cは9.4%であった。5.8%未満が正常ですから、この男性は立派な糖尿病です。

『糖尿病のコントロールをしなくてはいけませんね。糖尿病の専門医に早く診てもらいましょう。食事療法、運動療法などの指導が必要でしょうね』

「先生!ひょっとして、EDになったのも糖尿病のせいですか?」

男性は、多忙を理由に健康診断も受けず、検査も受けずにいて、自分の体の変調をほとんど把握しておらず、糖尿病になっていることも知らずにいたわけです。
当然、治療を受けていませんから、しだいに、糖尿病が進行し、包皮先端部への血流が悪くなり、このような症状を招いたと思われます。
EDになったのもそのためでしょうか。糖尿病が持続すると包皮輪において皮膚粘膜移行部の炎症が生じ、徐々に包皮輪の弾力性が低下し、ちょっとした機械的刺激により、容易に亀裂が生じるようになるものと考えられます。

『しっかり糖尿病の治療を受けないと、オチンチンが大変なことになりますよ。夢も希望もなくなりますよ』
と言うと、男性はうなだれてしまいました。

紳士諸君、ペニスの健康を守るためにも、糖尿病をチェックいたしましょう。
簡単にできますよ。専門医のところへ、気軽に足を運んで下さいね。 

「先生、わかりました。さっそく専門医を受診いたします」

『私のお奨めは、先ずウオーキング1時間ですね。毎日、続けるとかなり、貴方の息子(オチンチン)が元気になりますよ。息子が元気になればお父さんも一緒に元気になれますよ』 

それではご機嫌よう! 

投稿者 aids : 19:27

糖尿病による包皮輪の亀裂(前編)

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38歳の男性が受診してきました。
同い年の女性と結婚して13年になるそうです。
小学6年生の一人息子がいて、家庭は円満とのこと。

しかし
奥さんとは何年も前からセックスレス状態のようです。
男性には、浮気相手がいるわけでもなく、
「オチンチンはオシッコをするためのもの」と開き直っていたようですが

「先生、最近、オチンチンの先の皮が硬くなって、めくれなくなってしまいました。」

 「硬い」といっても、オチンチンが硬くなって勃起状態になっているわけではありません。
通常は弾力性があり、柔らかいはずの包皮の先(包皮輪)が硬くなったということなのです。

『パンツを膝ぐらいまでおろしてください』というと、
男性は、恥ずかしそうにズボンとパンツをおろしました。

いよいよ診察です。

『最後のセックスは何時しましたか?』

「もう何年もしていません」

ペニスを診ると、包皮の先端(包皮輪)が白色化し、タテに亀裂がいくつも入っています。
排膿やイボなど、性感染症を疑うような所見はありません。

手袋をして触診すると、包皮の弾力性がなくなっていました。
包皮には、ペニスが勃起しても大丈夫なように、遊びがあるのが普通です。
ところが、この男性には、遊びがほとんどないのです。
包皮を無理やりむこうとすると、裂けてしまい出血します。
これはイタイ、イタイ。

このオチンチンを診てピンときました。おそらく彼は糖尿病なのでしょう。
小太りして比較的若い男性に最近増えているのです。
でも、糖尿病とこの包皮とどういう関係があるのか?

それは、次回に説明することにいたしましょう。

投稿者 aids : 19:11

2012年06月05日

女性の直腸内異物(電動こけし)

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 夕刻、閉院まじかに20代前半の女性フリーターが受診してきた。

 「肛門に入れられちゃったんです」

 『何を入れられたんですか?』

 「コケシです!すごく痛くて、痛くて・・・・。おしっこする時も痛い。」

 『それでは診察いたしましょう』

  
検診台にて外性器、肛門部を診ると先ず、びっくりした。
電気のコードが肛門から垂れ下がっている。
そして肛門周囲は腫れあがり、肛門から軽度の出血も認めている。

しかし電気コードは肛門から約30cmほどで切れていた。
おそらくハサミで切ったのであろう。
彼女に確認するとやはりその通りであった。

『今日は、パートナーの男性は一緒に来なかったのですか?』

「先生、実は私が、自分で電動コケシを昨夜入れたんです。今までは腟の中に入れて何回か使っていたんですが、昨夜は肛門に入れてしまいました。そしたら、取れなくなっちゃたんです。助けてください!」

どんなコケシか、聞いてみると、かなり大きく長い電動コケシらしく、約20cm程だという。

さて手にサージカルグローブをして、コケシの摘出作戦に挑んだ。
彼女の肛門に右手の人差し指を挿入すると、確かに異物が触れる。
コードを少し引っ張りながらコケシを動かしてみたが、コケシの基部がかなり大きいいため、あまり自由には動かせない。コケシの基部に電気コードがあるためと、コケシが大きくて回転させられないためコケシの頭側が触ることができない状態である。従って基部側から肛門外に出さなければならない。
直腸膨大部において人差し指の指先で基部の場所をコントロールし、肛門側に寄せ電気コードを使いながら、肛門外に誘導し取り出すことがやっとできた。

「先生、いたい!痛い!痛い!」

『もう少し!もう少し』

「痛ーいッ!アーツ―!もうダメ!やめてーッ!」

『出たーッ!取れた!終わったーよ!』 

「取れたの? 良かった!フーッー! チョウ、嬉しい!」


さて出てきたコケシは長さは約20cm、直径2.5cmの黄色いシリコン製のコケシであった。
コケシの基部は直径約3.5cm高さ0.6cmあり、コケシ本体よりもやや太くなっている。
コケシの基部の中央から電気コードがでている状態であった。

やれやれ、取れた。良かった!良かった!
さて彼女の顔を見ると疲れきった様子。そして、なんと口唇が膨れあがっており、特に下クチビルが超タラコクチビルなっていた。
これは、どうしてなんだろう。唇については、今回、特に触れなかった。マスクをしてお帰りです。

『明日は必ずいらっしゃいね』

「必ずきます。ありがとうございました。お世話になりました」

でも来院してきませんでした。やはりね・・・・・・。

投稿者 aids : 21:53

9月4日は「世界性の健康デー」

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毎年9月4日は「世界性の健康デー」です。
この日は、あまり知られておりません。

 “世界性の健康デーworld sexual healthday/略称:WSHD)は、『世界性の健康学会(略称:WAS)』が2010年に制定した記念日で、普段見過ごしている「性の健康」を改めて考えて推進する日です。

私たちは「性について聞きたいこと、困っていること」は数多くあると思いますが、その中でも今回のテーマは『コンドームを嫌がる男をどう説得するか』にいたしました。


<今回の相談テーマ>
「コンドームを嫌がる男をどう説得するか」

<回答その1>
コンドームを着けるのを嫌がる男!

女性としては基本的にそういう男性とはセックスしないことですね。
確かにコンドームを使いたがらない男性は大勢います。

数十年前までは、性交渉は基本的に決まった相手と結婚生活のなかで、夫婦生活として行うものと考えられていましたから、コンドームの使用は不要なわけでした。
もちろん、妊娠の可能性はあるわけですが。

現在では、セックスパートナーが決まっている場合、女性側がピル(経口避妊薬)を正しく服用し、お互いに性感染症であるクラミジア感染、淋菌感染、HIV感染、梅毒などの検査を行い、性の健康を確認できていれば、コンドームを使用する必要はありません。

しかし、男性に不特定多数のパートナーがいる可能性がある場合は、コンドームの使用は不可欠です。二人の性行動から考えて最も良い方法をさがしては如何でしょうか。


<回答その2>
男性は、女性には理解し難い変な動物です。多くの男性は本能的な性行動をとる可能性があります。
その男性は貴女だけを愛しているとは限りません。その男性はセックスを愛しているのです。
つまり、排泄行為という性行動を起こすということです。

さて「コンドームを着けるのを嫌がる男!」は大勢います。
でも、その男性にコンドームを着けたくない理由を先ず、聞くことです。
男性は、頭で分かっていても行動できない方が大勢います。
でも話しをすれば、必ずわかるはずです。コンドームを着けないとどうなるかを再認識させることです。
妊娠の可能性、性感染症の可能性などについて話し合いましょう。

「私を愛しているの? 私を愛しているならコンドームを着けて!」
二人の「健康な性」のためにはコンドームは必要条件です。
これでダメならお別れですね。

それではご機嫌よう!

投稿者 aids : 21:39

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