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包茎の悩み~俺は真性?仮性?どっち?(その3)

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包茎についてお話ししていて、3回目になります。

1回目は「包茎であることに必要以上に劣等感やコンプレックスを持つ必要はない」
2回目は包茎の「真性」「仮性」に関するお話で、包茎の状態を5つのパターンに分けて解説いたしました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。

今回は包茎の中でも注意が必要なもの、あるいは手術についてお話します。

前回お話しした5分類のうち、注意が必要な状態があります。
それが、(4)弛緩時(非勃起時)には剥けて亀頭を露出できるが、勃起時には包皮輪がやや狭小で、
無理すれば剥くことができるが、包皮輪を元にもどすことが難しくなる状態です。

この状態ですと、包皮を剥いたままにしておくと冠状溝の部分で亀頭が徐々に締め付けられ苦しくなります。循環障害を生じリンパ液が包皮内板に溜まり、包皮が腫れあがり、元の状態に戻せなくなります。
これが有名な“嵌頓包茎”です。
以前のコラムの中でもご紹介させていただきましたので、是非そちらもご覧下さい。

また(5)仮性包茎で弛緩時(非勃起時)でも勃起時でも包皮を剥くことができ、亀頭を露出できる状態。
これは何の問題もありません。

また、包茎の手術については前回示した(1)~(4)の状態であれば、手術を行うことを考慮してもいいかもしれません。若い男性であればセックスがうまくいかないことは自信の喪失、女性との関係の構築の困難にもつながりかねないので、手術でそれが改善できるなら、実行されるのもよいと思います。

しかし、既婚者であったり、すでにお子さんがいらっしゃるなど、特にセックスに支障がなければ手術はお勧めいたしません。

ただ(1)真性包茎で、最も程度が強いのは、「包皮輪(包皮の先端部分)が狭小で、弛緩緩時でも包皮が剥けず、亀頭がまったく見れない状態。」の方は、恥垢が溜まったり、炎症や感染症が起きる可能性が高くなりますから、手術を考えた方がよろしいかもしれません。

悩んだときは、一人で考え込んだり、ネット上などにある根拠ないうわさに惑わされず、ぜひ泌尿器科専門医に相談してみましょう。
医学的に正しいアドバイスをもらい、最終的には自分で判断することが大切です。

パートナーの方も、正しい知識を共有し、いっしょに問題解決に取り組めるといいですね。

ご参考になりましたでしょうか?
みなさんの性の健康をお祈りしております。


2010年10月12日

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