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抗ウイルス薬のバルトレックスとファムビルの差について

20代前半の男性から、性器ヘルペスの治療薬である
 
抗ウイルス薬についての相談がありましたので報告いたします。


【相談内容】
バルトレックスとファムビルの差としてファムビルの方が感染細胞内での効果がバルトレックスより10~20倍、長いと言う点があります。


動物実験でHSV感染後3日以内にファムビルを服用すれば、3ヶ月後の組織内感染率が0%です。


バルトレックスの場合94%となる海外論文があります。

 
つまり初感染後早期にファムビルで治療すれば、再発の頻度など今後の経過に差が出る可能性があると言う話を聞きたいのですが、どう思われますか?


ファムビルはバルトレックスより優れていますか?


上記の事が事実だとしたら、初回ではなく、2回目の発症時にはファムビルとバルトレックスでは差はないのでしょうか?


【回答】
貴男は、かなり勉強なさったのですね。

可能性としては貴方の言う通りだとも考えられます。

ただ、臨床的にファムビルとバルトレックスの治療成績に差があるかどうかのデータはありません。

臨床的には差はないと考えてよろしいかと思います。

それぞれ薬には特徴があり、長所、短所があると考えます。

ファムビルはバルトレックスより優れているところはあると思いますが、逆にバルトレックスがファンビルより優れているところもあるかと考えます。

私見で恐縮ですが、どちらを使用しても臨床的には差はないと考えます。

お大事になさってください。

①バルトレックス500mg錠・ファムビル250mg錠

2016061101.png

②バルトレックス・ファムビル比較一覧表

2016061102.png

③よもぎ餅

2016061103.jpg




2016年06月11日

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