泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【ヘルペス】 > 性器ヘルペス!再発!

性器ヘルペス!再発!

「先生、また性器ヘルペスがまたできちゃった!不愉快!私一体いつからセックスできるの?!」

21歳の女子大生が顔をしかめて来院してきました。
性器ヘルペスは再発を繰り返すのが特徴の一つです。
ヘルペスウイルスは性器に感染すると、性器周辺の神経を伝って骨盤の中の神経節に 潜伏感染(せんぷくかんせん)しています。
潜伏感染とは神経節にヘルペスウイルスが静かに眠っている状態を指します。
潜伏感染したヘルペスウイルスは、何らかの精神的・肉体的なストレスによって 目を覚まし再び神経を伝って性器ヘルペスとして症状がでてきます。これが再発です。

ストレスとしては過労、睡眠不足、日光浴、生理などがありますが、セックスそのものがストレスになる場合もあります。 症状は初めてできた時と比べて軽くなりますが、ヘルペスができるたびに患者さんの心に傷ができます。
「本当にヘルペスは治ったのかしら?いつからキスできるの?いつからセックスできるの?」
「彼にもに感染していないかしら?」
「産まれてくる子どもには移らないかしら??」
など このまま治らなかったらどうしよう!と漠然とした不安に苛まれます。
しかも一度ヘルペスになると、誰かに感染させるのではないかと悩み、セックスができなくなる人もいます。

また、普通の日常生活では移ることはありませんが、腟分泌物、精液、そして唾液の中に たえずにウイルスが少しづつ漏出(排泄)されていますから、キスとかセックス をすればい何時、パートナーに移るかわかりません。
しかしヘルペスができていない時にキスしたり、セックスしないと 一生、キスもセックスもできないことになります。今まで、私たち、人類はヘルペスとうまく付き合ってきたのです。
症状が出てない時にセックスをしましょう。

性器ヘルペスが再発した場合には専門医を受診して抗ウイルス薬を飲みましょう。
さらに再発を何度も繰り返す場合には「局所の違和感や神経痛様の痛み」を感じた時に あらかじめ抗ウイルス薬をもらっておいて、その薬を飲む方法をお勧めしています。
また1年間に6回以上再発を繰り返す方もいらっしゃいますが、そんな場合は抗ウイルス薬を毎日飲む 再発抑制療法を取っています。抗ウイルス薬を毎日続けて飲むことにより、ウイルスの 排泄を抑えることができ、パートナーへの感染も減らすことができます。
再発を繰り返す方は、ヘルペスと上手に付き合っていき、できるだけ安心で安全なセックスを心掛けましょう!



2007年06月01日

Entries

Archives