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単純ヘルペス特異抗原検査法とは?(前編)

今回は少し専門的になりますが、性器ヘルペスの水疱の病巣基底部から
検体を採取し、性器ヘルペスの原因がHSVの1型なのか2型なのか
判定する検査法について具体的に勉強いたしましょう。

これは蛍光抗体法を用いて、型別判定を行う検査法です。
現在、性器ヘルペスの検査(単純ヘルペス特異抗原検査)の中で健康保険を適用でき、
かつ信頼できるものは、この検査法だけです。
水疱を認める状態で受診してきた場合にこの検査が可能です。
もちろんタダレ、ビランの状態でも検体採取は可能ですが、かなり検出率は低くなると思われます。
今回は、この単純ヘルペス特異抗原検査の検体採取方法について具体的にご説明することにいたします。

≪性器ヘルペスに水疱が形成している場合≫
①水疱に針を挿入し、上部の皮あるいは痂皮を剥がします。
②小ピンセットで、剥がした皮を除去します。
③ポリエステル綿棒を生理食塩水や精製水で軽く湿らせ、病巣基底部前面を綿棒で強くぬぐいます。

また、検体採取の注意点としては4つあります。
①早期の水疱病巣が検体としては最適です。
②水疱内容液は検体としては不適です。
③ウイルス感染細胞は病巣基底部にありますので、患者が痛いというくらい強くぬぐい、基底部の細胞を採取します。
④膿が出ている場合は、病巣基底部をかき乱さないように注意し、綿棒でまず膿をぬぐい去り、別の綿棒で検体を採取します。

次回は、検体の塗抹方法について説明します。
 (注:塗抹=塗りつけること、塗布すること)

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2011年09月12日

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