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ファンビルの性器ヘルペス患者に対する有効性と安全性

私の施設(宮本町中央診療所)がこの特定使用成績調査に登録参加したので報告いたします。

「ファンビルの性器ヘルペス患者に対する有効性と安全性」

特定使用成績調査   掲載:日本性感染症会誌.27(1):135,2016より

監修:まりこの皮フ科 院長/東京慈恵会医科大学 皮膚科 客員教授 本田まりこ先生

ファンビルは初発型および再発型性器ヘルペスに対して、1回1錠250mg,1日3回5日間投与での有効性と安全性が確認されました。

ファンビルは抗ヘルペスウイルス剤(Famvir Tab.:ファムシクロビル錠)です。

ファンビルの投与状況:安全性解析対象症例296例におけるファンビルの1日投与量はすべて「1回250mg 1日3回」であった。

投与期間が5日間を超えた症例は初発型が2例(1.9%)、再発型が1例(0.5%)であった。

 
①男性参考症例:初発型性器ヘルペス
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②女性参考症例:初発型性器ヘルペス
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◆全般改善度および改善率

有効性解析対象症例251例における改善率は93.2%(234例)であった。


◆治癒までの日数の50%点(50%の症例が治癒するのに要した日数)は初発型、再発型ともに9.0日であった。

男女別にみた治癒までの日数の50%点は初発型では女性が7.0日、男性が10.0日であり、女性がより短かった。

特に、女性で発熱を有する症例では5.5日と、他の群と比べより短かった。

なお、再発型では男女間に有意差はみられなかった。

 
③男性参考症例:再発型性器ヘルペス

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④女性参考症例:再発型性器ヘルペス
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◆安全性

安全性解析対象症例296例中4例(1.4%)に4件の副作用が認められ、その内訳は初発型で107例中1例(0.9%)、再発型で189例中3例(1.6%)であった。

発現した副作用は、外陰部腟カンジタ症、動悸、上腹部痛、湿疹で、本調査において死亡例を含む重篤な副作用はなかった。

 
◆監修コメント

本調査から、ファンビルの承認用法・用量でのGHに対する有効性および安全性が確認された。

男女別にみた治癒までの日数の50%点は再発型では有意差はみられなかったが、

初発型では女性7.0日、男性10.0日と女性で短く、さらに発熱の有無別にみると、発熱のある初発型の女性の治癒までの日数の50%点は5.5日とより短かった。

 

発熱がある場合、HSV-1の初感染の可能性が高いことを考えると、HSV-2よりもHSV-1に対して感受性が高いファンビルでの治療が奏効した可能性も可能性も考えられる。

 
GH(性器ヘルペス)はHSV-1またはHSV-2が感染することによって有痛性の小水疱や浅い潰瘍性病変を認める疾患であり、特にHSV-2によるGHは再発頻度が高い。

 
また、再発型GH患者はQOL(生活の質)が低下していることが報告されており、積極的に治療する必要のある疾患であると考える。

 
ファムビルは活性体のペンシクロビル3リン酸が長期間にわたりHSV感染細胞内に保持されるという特徴を有しておりマウスHSV-2皮膚感染モデルで、三叉神経節や頸部後根神経節の潜伏HSV-2の再活性化を抑制することが確認されています。

このような薬剤の特徴を確認した上で、患者にあわせたGHの治療薬を選択することが重要と考えます。

以上。

⑤青い薔薇
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2016年12月12日

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