泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【エイズ】 > 世界エイズデー(World AIDS Day)(後編)

世界エイズデー(World AIDS Day)(後編)

aki-nanakusa.jpg

前回お話しました、HIV検査で、正確な結果が早く出るやり方。
今回はその検査の受け方のお話をいたします。
 
この検査は“HIV即日検査”といいます。まず、検査の仕組みからお話いたしましょう。
HIVに感染している場合、体内でHIV抗体が作られますので、HIV抗体の有無を測るために、採血(少量)をします。
検査の時間にかかる時間ですが、採血してから約30分で結果を受け取ることができます。
この検査を受けるタイミングですが、感染する可能性のあった機会から、2~3カ月後が効果的です。
感染する可能性のあった機会から、2~3ヵ月経過していない場合は、HIVに感染していても、抗体が体内でまだ十分に作られていません。
ですので、信頼できる結果を受け取ることが難しくなります。そのような場合は2~3ヵ月後にもう一度、検査を受けることをお勧めします。
 
次に、検査結果の見方について説明いたします。
感染していない場合は「陰性」とでます。感染しているかどうかわからない場合は「要確認」とでます。
この結果の中には、感染していない方が含まれています。
 
では、「要確認」とでた場合、どうしたらいいのでしょうか。
まず、確認検査を行います。多くの場合、採血した残りの血液を使って、感染しているかどうかを調べます。
結果は1週間後にでます。
その確認検査の結果は、検査を受けた医療機関、保健所などを受診して受け取れます。
 
結果の見方ですが、感染していない場合は、「陰性」、感染している場合は、「陽性」と書かれています。
もしも不幸にも「陽性」とでた場合は、HIV感染者となるわけですが、専門医療機関を紹介していただき、今後の日常生活の指導を受けましょう。
 
また治療が必要となる場合もあります。HIV感染は治療法の進歩により、最近ではエイズとして発病する方が著しく減少しています。
積極的に専門医療機関を受診いたしましょう。
 
幸運をお祈りいたします。



2012年11月30日

Entries

Archives