泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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淋病だと思っていたら・・びっくり!

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先日、当診療所に受診にきた男性はかなりのイケメンでした。
年齢は23歳。

最初に来院の理由を尋ねると
「先生、今朝、気がついたのですが、ペニスの先から黄色い膿がでます。
 あと、おしっこのし始めが凄く痛いんです」とのこと。

そこでさっそく、彼のペニスを診察してみました。
すると、尿道口の周囲は赤く腫れており、尿道口から黄色の膿がでています。
下着にも膿が付着しています。これは立派な淋病です。
 
私が「女性との性交渉はいつありましたか?」とたずねると、
「ソープに3日前に行きました。」との返事。
「なるほど、それが原因ですね!」と言いますと、
彼は「え~!マジー!?クソッ!!」とかなりショックを受けた様子でした。

次に、確認検査のため、早速外尿道口から膿を検体として採取しました。
その際、念のため外尿道口を、手指で拡げて観察してみたところ、これはビックリ!
尿道内の粘膜に大きさ直径8mm大の白色潰瘍が見つかったのです。

ピンときた私はもう一度彼に尋ねました。
「3日前のほかに、約3週間ぐらい前に、性風俗かどこかに、行きましたか?」
彼はギョッとしたように私を見つめ、
「先生!何でわかるんですか!?3週間前にピンサロに行きましたけど・・・」
と、びっくりした顔で答えました。

彼はとても驚いたようですが、専門医が診れば直ぐわかります。
この白色潰瘍は、梅毒の初期症状である“硬性下疳”です。
 
この硬性下疳は感染の機会があってから、3週間ほどで見つかることが多く、
しかも、潰瘍ができても、痛くも何ともないことが多いのです。
このイケメン君も、今日ここに来るまでまったく気づいていなったとようでした。
 
つまり彼は、3週間前にピンクサロンで「梅毒」をもらい、
それに気づかず3日前にソープランドで淋病をいただいたということ。

結局このイケメン君は、詳しい尿検査で淋菌性尿道炎、血液検査で
早期顕性梅毒の診断を受け、治療をして、ことなきを得ました。
 
彼にとっては、風俗での軽い遊びが大きな代償を払う羽目になったようです。
それでは、ご機嫌よう!


2009年10月09日

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