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あなたの知らない性の世界、「ハッテン場」とは?

多くの人にとって身近なようで、まだまだベールに隠された、謎だらけな性の世界。
今日は、皆さんに「ハッテン場」についてご紹介したいと思います!


「ハッテン場」と聞いて、どのような場所を想像しますか?
何かがつながり、広がっていく、そんなイメージが連想されるかもしれませんが、
一体何が「ハッテン」するのか……。


実は、ハッテン場というのは、男性同性愛者(以下、ゲイ)の人のみが入れる、
「下半身の出会いと、交流の場」。
簡単に言うと、ゲイの人たちのための性風俗なのです。
しかし、男性が女性からのサービスを受けるような風俗とは、しくみもシステムもかなり異なります。

 
まずは、場所です。多くが雑居ビルの中にあり、目立つような看板はありません。
知らない人が見ても、全くその場所が外から「ハッテン場」だとは分かりませんので、
皆さんも、知らずに「ハッテン中」のビルの傍を歩いているかもしれませんね。
所在地としては、新宿、代々木、上野、巣鴨、新橋に集まっています。


次に料金システム。
受付で入場料を支払います。
たとえば、新宿にある24(にいよん)会館は、2600円で13時間まで滞在可能となっています。
この「滞在」ということがポイント!通常の風俗は、サービスを受ける側とサービスをする側がいます。


しかし、ハッテン場は、あくまで「出会い」を提供し、「性的な行為を行う場」を提供しているのみ。
性的な行為をする相手を自分で見つけなければいけないのです。
お金を支払って入っても、うまく気に入る相手が見つかるかは分かりませんし、
気に入った相手にOKをもらえるかも分かりません。


それぞれ店舗によって、特色もあります。20・30代で短髪マッチョ系。競泳パンツ好き系。
SM好き系。太め体型限定などなど。部屋がうす暗いところもあれば、明るい場所もあり、
雑居ビルの中の、個室やカラオケルーム、サウナ、大浴場の施設の中を、
自分の好みの相手を求めて動き回ります!

 
実際に、ハッテン場に詳しく、自身もハッテン場愛好家のTくん(20代)にインタビューをしてみました。


Dr:
Tくん、今日はよろしくお願いします。
早速ですが、初めてハッテン場に行った時は、何歳ごろでしたか?
どのような気持ちで会場に乗り込みましたか?


T君:
ゲイの世界へ入っていったのは19歳の頃でして、まだ知識もなかったので
インターネットや書籍で調べていました。
その際にハッテン場の存在を知りました。
すでに出会い系サイトを使ってセックスの経験を済ましていたのですが、
どんな場所か知りたくてすぐに行きました。
通い始めてから四年経ちましたが、楽しかったことや忘れたいような思い出が色々とありますよ。


Dr:
その思い出を詳細に聞いてみたいところですね(笑)。
Tさんのお気に入りのハッテン場は、どんな所が気に入っているんですか?


T君:
30代くらいのガッチリとした男たちが集まる、僕の好みと合っているところです。
他にもシャワーやトイレなどの設備が整っていたり、店側からコンドームを配布するなど
セーファーセックスを推奨しているから、そこそこ安心できます。


Dr:
お店の特色や方針もいろいろとあるんですね!
知らない相手、初めて会う相手とセックスすることに躊躇やとまどいはありますか?

 
T君:
躊躇やためらいといったものよりも、性欲と好奇心の方が勝ります。
ハッテン場には、「今日はどんな男とセックスできるだろう」と期待しながらいつも入っています。
もちろん、期待通りにいくのは稀なのですが。


Dr:
一期一会の出会い楽しんでいるんですね!
ということは、基本的にハッテン場は、不特定多数とのセックスが前提ですよね?
セーファー・セックスについて、何か具体的に心掛けていることはありますか?
危険なセックスを売りにしている場所もあると聞きました。

 
T君:
ハッテン場へ行く際には事前にゴムやオイルを用意しておきます。
店で置いてあったりもしますが、念のため準備しておくことでリスクに対する意識が高まるからです。
またインターネットや口コミなどでハッテン場に関する情報を集めておいて、不衛生だったり、
危険なセックスをする人が多いと噂される店は避けるようにしています。


Dr:
やはりリスク管理は自分自身で行っているのですね。
Tくんが、ハッテン場で、高い確率で、好みのタイプの相手と楽しめるように工夫していることはありますか?


T君:
体格が良い男が好きなので、僕も普段からジムで体を作っています。
見た目によってほとんどが左右される場所なので、それを踏まえた上で割り切った行動をしています
(誘いをかけて断られても、さっさと次の相手を探しに行くなど)。


Dr:
だから、ゲイの人たちは体を鍛えている人も多いんですね!


T君:
今日もこれからジムに行ってきます!


Dr:
そうでしたか~!インタビューありがとうございました。


皆さん、ハッテン場についてどのような印象を持ちましたか?
そもそも、ゲイの人たちにとって、「ハッテン場」というニーズができたのは、理由があります。
今のようにインターネットが普及する以前では、自分と同じの性的指向の人と出会うことは容易なことではありませんでした。
なので、バーや公園、ポルノ劇場など、ゲイの人たちがリアルに集まる場が必要でした。
今でこそ、インターネットのゲイ専用のSNSや掲示板で、以前よりもずっと簡単にゲイの人と交流ができるようになりました。
インターネットを通して、ゲイの世界のコミュニケーションは特に大きく変わったようです。
もちろんゲイの人の中にも、ハッテン場が好きではないという人や、一度も行ったことがない人も少なくありません。
もしあなたがゲイとして生まれていたら、ハッテン場とどのような付き合い方をしていたのかを想像してみると、今の自分の新たな一面も分かるかもしれませんね!

以上、ハッテン場レポートでした!

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2009年05月12日

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