泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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梅毒血清反応の結果について

①梅毒の病原体名
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ある泌尿器科医より梅毒に関する質問がありましたので報告いたします。 
 
患者さんは31歳の男性です。
 
結婚していてパートナーの奥様も梅毒に罹患していたそうです。
 
お二人とも標準的な駆梅療法をすでに行っております。
 
今回は旦那さんの梅毒相談です。
 
梅毒血清反応の結果(成績)は時系列で以下の写真(図)にお示しいたします。

②梅毒血清反応の結果(成績)
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体重は約120kgで巨漢です。梅毒に関する臨床症状は特になく、
たまたま人間ドックで梅毒の罹患を知らされたそうです。

感染した時期がわからない無症候梅毒ということですね。

③梅毒の分類
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体重が120kgと巨体ですから、アモキシシリン製剤のパセトシンの投与量を増やし、2016年4月から駆梅療法としてパセトシン2.0gを 8週間投与し治療は終了いたしました。

④梅毒の治療
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2ヶ月後(6月)に梅毒血清反応検査を行い数値は順調に低下いたしました。

5カ月後(9月)には経過は良好で抗体価はさらに低下いたしました。

しばらく振りに来院され、梅毒罹患後、約1年になりますが、
梅毒血清反応検査をしましたらTP法がかなり高値になっていました。

とりあえず再検査を至急、行い抗体価の変動をみるように指示いたしました。

⑤梅毒血清反応
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また検査法は前回までと同じ方法なのでしょうか?

これは検査センターや試薬(検査キット)が変わると比較できなくなるからです。

⑥梅毒血清反応 定性検査の結果の解釈
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治療は副作用はないと思われますので、行った方が安心できると考えます。

再感染の機会はなかったのかの問診も必要です。

もし感染機会があればそれが原因で再び感染(再感染)したとも考えられます。

梅毒は終生免疫がなく再感染いたします。

以上、ご検討ください。


2017年04月25日

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