泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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「梅毒患者5年で5倍」

ご存知の通り、梅毒がこの5年間で5倍に増加しています。

このことは憂慮すべき社会問題です。

先天梅毒児が年々増加傾向にあります。

胎児感染で重い障害の恐れがあり、危惧されています。

今年に入り、3大新聞が昨年の「梅毒の激増」について報道いたしました。

2017年1月6日の讀賣新聞 夕刊紙によりますと以下の様です。

『梅毒患者 5年で5倍』
 
①2017年1月6日の讀賣新聞夕刊「梅毒患者5年で5倍」
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昨年は4000人超  40年前と同水準
 
②梅毒患者について
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日本性感染症学会の荒川創一理事長は讀賣新聞のインタビューに応え
 「不特定多数との性接触を避け、妊娠の可能性のある女性は必ず妊婦健診を受けてほしい」
 とコメントしています。
 
③讀賣新聞 荒川創一理事長のコメント
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しかも、何故か、若い20代前半の女性に急増しています。

男性は20~40歳代にピークがある。

それに反して女性は20代前半の女性にピークがある。

④梅毒:年齢群別報告数
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⑤昨年:梅毒患者全国報告数 2016年12月18日現在
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ご存知の通り昨年の、IDWR (感染症発生動向調査週報)2016の50号(~12月18日まで)によりますと、梅毒患者の全国報告数は、なんと 4336人となり、大都市でみますと、東京 1610人、大阪 562人、神奈川  270人の順になっております。

梅毒患者は激増しており、2016年の全国報告数は、4500人に迫る勢いになっております。

全国報告数も、この5年間で5倍に増加しています。

この激増している原因、理由が判明していません。

国立感染症研究所も この原因はわかりませんと、言って沈黙しています。

内容が内容だけに調査のしょうがないのでしょうね。

しかしながら真に憂慮すべき社会問題です。

これは正にパンデミック状態と言っても過言ではないでしょう。

日本人の性行動のパターンが急に変化したとは考えられません。

激増したのは何故でしょうか?

以下の写真を参考にしてください。

⑥何故、ここまで急増したのか?
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⑦何故、ここまで急増したのか?
20170111_07.png
 
⑧何故、ここまで急増したのか?
20170111_08.png
 
⑨梅毒流行の増加原因?
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2017年01月11日

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