泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【梅毒】 > 梅毒が心配!

梅毒が心配!

25歳の女性から梅毒について相談がありましたので報告いたします。
 
【相談内容】

初めまして。梅毒が心配です。梅毒なのでしょうか 。

私は25歳の女です。
 
性交渉した人が今日梅毒だったことがわかりました。

その人と性交渉したのは11月14日、21日です。

14日の日に彼の亀頭にしこりのようなものがあったのですが、性病だとわからず、コンドームをつけて性交渉をしました。
 
21日もコンドームをつけました。14、21日ともにキスはしましたが、フェラチオはしてません。

彼曰く14日よりも前から腫れて膿がでていたらしいです。

梅毒のことを調べていると、第一段階でしこりや出来物ができる、太ももにしこりができるとありましたが、私は出来てはいません。
 
ですが、第二段階目のバラ疹とよく似たものが10月頭ぐらいから出ていて、10月の頭に皮膚科で「皮脂欠乏性湿疹」だと言われていました。
 
かゆみはありません。そのこのは先生にも伝えました。
 
普段はうっすらと出ており、お風呂上がりにはっきりとでます。
 
出る場所は胸から足首までで手のひらや足の裏にはでていません。

質問です。私が梅毒を持っていた(る)可能性はあるのでしょうか?

また普通の皮膚病と梅毒のバラ疹は見分けがつかないものなのでしょうか?
 
本日梅毒の検査を受けてきましたが怖くて仕方ありません。

よろしくお願い致します。
 
①男性  梅毒第2期  バラ疹
20161205_01.png

【回答】

貴女は25歳。パートナーが12月1日に梅毒と診断された。
 
貴女の相談内容を次のようにまとめてみました。
 
パートナーと性交渉したのは 11月14日と21日。
 
彼の亀頭にしこりのようなものがあったが、コンドームを装着して性交渉した。
 
②梅毒の極初期に発症する初期硬結
20161205_02.png
 
キスはしたがフェラチオはしてない。
 
彼が言うには、11月14日以前に腫れて膿がでていた。
 
(彼の尿道から膿が出ていたのでしょうか?)
 
③淋菌性尿道炎の特徴
20161205_03.png
 
貴女は10月の初めに、第2期にでる「バラ疹」とよく似た痒みのない皮膚症状がでた。
 
某皮膚科で「皮脂欠乏性湿疹」だと言われた。
 
皮膚症状は、いつもはうっすらと出ており、お風呂上がりに、はっきりと出てくる。
 
また、皮膚症状は胸から足首まででており、手のひらや足の裏にはでていない。
 
梅毒が心配です。 以上、まとめてみました。
 
さて、梅毒の皮膚症状は多彩ですから、皮膚科の診察だけではわかりません。
 
梅毒血清反応検査をしなければ診断はできません。
 
パートナーとの最後の性交渉があってから、約3週間以上たってから血液検査を受けましょう。
 
またさらに3~4週後にも血液検査を受けましょう。
 
これで陰性であればご心配ありません。運悪く「陽性」と出たら駆梅治療をいたしましょう。
 
AM-PC(アモキシシリン)1日1.5g、 4~8週間を服用されれば治療は終了です。
 
その後は定期的に血液検査を受けて、経過観察をいたします。
 
この梅毒という病気は原始的な病気で、耐性などは報告されていませんから、
 
ちゃんと薬を服用すれば治ります。結婚、出産もできます。
 
ご存知の通り最近若い女性(20~25歳)に梅毒が急増しており社会問題化しております。
 
あと心配なのは、パートナーの尿道から膿が出ていたのであれば、貴女も症状がなくてもクラミジア、淋病の検査を受けましょう。この検査は痛くもなく、簡単にできます。
 
HIVの検査も受けて安心いたしましょう。
 
さて、パートナーはどこから梅毒をもらってきたのでしょうか。
 
一度、パートナーと一緒に専門医を受診さてれは如何でしょうか。
 
お二人の性の健康をお祈りいたします。
 
④緑色の薔薇
20161205_04.png


2016年12月05日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/359

Entries

Archives