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【特集】日本人の性生活に危機!

共同通信社から 【特集】日本人の性生活に危機!の記事がUpされました。
 
この記事内容に、私と東邦大学の西郷理恵子先生のコラボした記事が
 
Upされましたので報告いたします。
 
2016年9月20日よりインターネット配信されています。
 
リンク先は最下端に示しております。

【特集】日本人の性生活に危機!
 
増える男性ED,女性の性嫌悪   2016/9/20 16:01   9/20  16:02  updated
 
日本人の性生活に危機!
 
浜松町第一クリニックのホームページ上のデータから
 
作成浜松町第一クリニックの竹越昭彦院長(左)と
 
東邦大医学部の西郷理恵子客員講師
 
性生活の妨げとなる性機能障害が男女ともに増えている。
 
圧倒的に多い男性のED(勃起不全)は1998年の調査で日本の患者数は  

1130万人との結果が出たが、現場の医師は「今は1800万人くらい。  

日本は『ED大国』」と指摘。
 
女性は性嫌悪、性交痛、挿入障害、興奮障害などさまざまな症状の訴えがある。
 
「まだ社会的認知は低いが、悩んでいる人は相当多い」(専門家)状況だ。
 
豊かな人生に欠かせないパートナーとの充実した性生活に危機が迫る―。
 
①男と女
2016092501.jpeg


▽手の届く幸せ

 
2004年開業でED治療専門の浜松町第一クリニック(東京都港区)には

途切れることなく患者が訪れる。
 
大半は30~50代、気力、体力が満ちた働き盛りだ。
 
竹越昭彦院長(50)は「30代まで5%程度のED患者の割合が、

40代で15%程度に急増、50~60代では5割に達する」と話した。
 
EDの定義は「勃起が十分でなく満足な性行為ができない」状態。
 
EDというと「まったく勃起しない」重症だけと誤解されがちだが症状はさまざま。
 
「勃起するが十分硬くならない」「勃起が持続しない」「勃起し挿入できるが途中で萎える(中折れ)」なども含まれる。
 
竹越院長が行ったアンケートでは40代の6割、50代の7割に中折れ経験がある。
 
患者数の多さは定義にもよるようだ。
 
竹越院長はさらに「昔なら『もう年』と諦めていた人が、今は薬があるならと

治療に来る」と指摘。
 
「ED自体が激増したのでなく患者になって救われる人が増えた。
 
千数百万人のうち3割くらいはそういう人。
 
幸せが手の届くところに来たのです」と強調した。
 

▽放置は危険
 
EDは心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、糖尿病など生活習慣病のサインである場合も多く放置は危険だ。
 
男性器内の末梢血管は心臓や脳に比べて細く加齢で進む動脈硬化の影響が最初に現れる。
 
また性的刺激を脳から伝える神経回路に障害がある場合は高確率で糖尿病が疑われる。
 
精神面への影響も大きい。
 
竹越院長の調査では患者の83%がEDであることを「つらい」と感じている。
 
「EDの原因は何だと思うか」との問いには77%が「ストレス」と答え、
 
ストレスの中身は「会社」が最多で43%。
 
治療を受けた理由のトップは「自信を取り戻すため」(46%)で
 
「パートナーとの関係を良好にするため」(27%)より多い。
 
ただED患者のうち実際に治療に訪れる人は数%。
 
病院へ行かずインターネットで薬を入手しようとする人も多いが、
 
ネットで売買される薬の半分以上は偽物だ。
 
②白い薔薇
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▽大人の性教育
 
女性の性機能障害で深刻なのは性嫌悪。
 
東邦大医学部客員講師の西郷理恵子さん(36)は
 
「『痛い、濡れない、感じない、したくない』という状態で義務感から
 
性行為を続けると、強い嫌悪感につながる」と説明。
 
「実際は長年あった問題だが、最近ようやく診察の対象になってきた」と話した。
 
カウンセラーも務める西郷さんの下には
 
「性行為がうまくいかないことを自分のせいにされ、
 
心ない言葉を投げつけられた」といった相談が寄せられる。
 
東邦大研究チームの調査では原因の8割はパートナーとの関係性。
 
EDのように特効薬はなく、治療には男性側が正しい性知識を持ち
 
行為前のムードづくりなどで配慮することが不可欠。
 
しかし西郷さんは「そういう“大人の性教育”が広がる素地があるかは疑問。
 
性嫌悪に悩む女性は今後も減らないだろう」と悲観的な見方を示した。
 

▽愛の架け橋
 
泌尿器科医の尾上泰彦氏(72)は「EDに限らず一般的に医者が患者を前にすると
 
日本では『食欲はありますか、よく眠れてますか』と聞くが、
 
欧米ではさらに『性行為はしてますか』と聞く」と指摘。
 
人間の心身の健康にとって性生活はそれほど重要だが、日本ではまだタブー視の傾向が強い。
 
西郷さんは「ED治療薬で男性が活発化するのは喜ばしいが、
 
『勃起―挿入―射精』だけに注目し、パートナーとの関係性など精神面を
 
取りこぼしていると女性の性嫌悪やセックスレスの改善にはつながらない」と懸念する。
 
尾上医師は「ED治療薬は男のための薬ではなく『男と女の愛の架け橋』というスタンスで
 
使わないといけない」と訴えた。(共同通信=松村圭)
 
記事リンク
http://this.kiji.is/150859454840473083?c=39546741839462401
 
③スイス 氷河
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2016年09月25日

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