泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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「クラミジア感染症について」

ある泌尿器科医から「クラミジア感染症」について質問がありましたので報告いたします。
 
【質問1】
女性クラミジア頸管炎  感染して無治療の場合  何ヶ月まで  頸管粘液でクラミジアが陽性に出ますか?
【回答1】
大変難しい答えにくい質問です。
 
私は、女性のクラミジア頸管炎ははっきりと断定はできませんが、何年でも陽性になり得ると考えております。
 

【質問2】
男性のクラミジア尿道炎 放置して感染してからどの位の期間まで尿検査でクラミジアが陽性にでるものですか?
【回答2】
クラミジアは持続感染するかという質問ですが、最近は、クラミジアは持続感染するという見解が多いようです。
 
しかし、クラミジアの持続感染については今後の大きな研究課題でもあるようです。
 
男性のクラミジア尿道炎を放置して経過を見たという文献もないようです。
ただ私見で恐縮ですが、何年もクラミジア感染が持続していたと考えられるような症例は確かにあります。
 
私は、男性も女性と同様に何年でも陽性になり得ると考えています。

もちろん自然治癒を否定するつもりもありません。
 

【質問3】
血液検査によるクラミジア陽性反応は感染してからどのくらいの期間から陽性にでるのでしょうか?
【回答3】
ご質問の答えにならないかもしれませんが、お許しください。
 
婦人科領域では抗原検査ができないケースで、クラミジア感染を推定する場合に、抗クラミジアIgA抗体、IgG抗体が測定されることがあります。
 
私見で申し訳ないのですが、一般的にIgA抗体は感染の初期に上昇してくるものと考えています。
 
一方、IgG抗体は少し遅れて上昇してくるようです。その後どのような経過で下降してくるのかはよく分かりません。
 
文献を調査すれば分かるかと思いますが。

しかし、下腹痛や性交痛や内診痛が存在し、抗クラミジア抗体価が陽性であればクラミジア感染の存在が推定されます。
 
ただし、抗クラミジア抗体価は感染の治療により治癒した後も、長く陽性に出ることが多くの症例でみられます。

私見ですが、クラミジアの治療を行い抗体価が無くなるのは、早い人では2年位です。
 
しかし10年経っても陰性化(消失)しない人もいます。この点は臨床的に注意が必要です。

つまり、クラミジアの血清抗体検査は、女性の骨盤内感染症、肝周囲炎など感染部位から直接検体を採取するのが困難な疾患における補助診断法として有用であり、確かに使用されています。
 
もちろん、この検査は健康保険適用されていますから、婦人科領域では使用されることがあります。
 
また、男性尿道炎のクラミジアの血清抗体検査についてですが、診断法としての抗体検査は、有用性はなく診断的意義は少ないようです。
 
また抗菌薬治療後の治癒判定にも使用すべきではないと考えられています。
 
特に、クラミジア性尿道炎を疑うのであれば、抗体検査は行うべきではありません。
 
泌尿器科(男性)領域では臨床的意義がほとんどなく、健康保険適用は認められておりません。
 
最後に私は臨床的意義が少ないため使用しておりません。
 
以上

クラミジア性尿道炎

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クラミジア性子宮頸管炎

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2015年11月02日

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