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『梅毒の診断と検査法について』6.梅毒の届け出

少し専門的になりますが、6回にわたって梅毒の診断・検査法・検査の問題点・治癒判定・梅毒の届け出などについて勉強しています。
 
今回は梅毒シリーズ(全6回)最後の6回目になりました。
 
最後まで、しっかり勉強いたしましょう。
 
6.梅毒の届け出
 
最後に感染症の届け出に関して説明します。梅毒は感染症法五類の全数把握疾患であり、診断した場合は全例届け出の義務があります。
 
質の高いサ-ベイランスの実現の為、罰則がないとしても診断した場合には必ず届け出ていただきたいと思います。
 
無症状病原体保有者、潜伏梅毒に関しては、「カルジオリピンを抗原とするRPRカ-ドテスト、凝集法若しくはガラス板法での検査で16倍以上又は自動化法での検査で概ね16.0R.U.、16.0U若しくは16.0SU/ml以上のもの」を届け出の対象としています。
 
この自動化法の基準に関しては「概ね」とある通り、臨床的に無症状病原体保有者と判断すれば16.0未満の値でも届け出をして問題はないし、16.0という値が臨床での判断を
 
制限するものではないと考えるべきです。
 
以上、今回で梅毒シリーズ(全6回)は終了いたします。
 
梅毒に興味のある方には面白かったと思います。
 
他の方には、少し専門的だったかもしれません。
 
お許しください。
 
少しは勉強になりましたでしょうか!
 
ありがとうございました。

①コロンブス:恐るべし『悪魔のお土産』梅毒?
コロンブス一行が1492年、新大陸の発見とともに“原住民の風土病”をヨーロッパに持ち帰った「悪魔のお土産」
爆発的に全世界に拡がり、日本への伝来は永正9年(1512年)で、約20年足らずで日本にやってきました。
恐るべし! セックスのパワー! 梅毒のヨーロッパ伝播の通説!

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②やまもも:第2期に見られる赤い丘疹が楊梅(ヤマモモ)の果実に似ているので楊梅瘡(ようばいそう)と呼ばれていましたが、いつの間にか「楊』の字が取れて、次第に梅瘡⇒黴毒⇒梅毒と変化したと言われています。

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2015年09月18日

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