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『梅毒の診断と検査法について』1.はじめに

少し専門的になりますが、今回から6回にわたって
梅毒の診断・検査法・検査の問題点・治癒判定・梅毒の届け出などについて勉強いたしましょう。

先ず初回は「1.はじめに」で梅毒の概要について勉強いたします。

1.はじめに

梅毒はTreponema pallidum (TP)による慢性全身性の性感染症です。

梅毒は病変からのTPの検出(暗視野法、パ-カ-インク法)あるいは血清学的検査で通常診断します。

しかし直接TPを検出する方法は特殊な顕微鏡や技術を要するため、実際には梅毒は血清学的に診断される場合が多いいようです。

梅毒の血清学的診断方法には2種類あり、RPRカ-ドテストなど非特異的脂質抗原を用いる方法とFTA-ABSやTPHAといったTP抗原を用いる方法があります。

非特異的脂質抗原を用いた梅毒血清抗体価は、梅毒の病勢を示す傾向にあり、診断のみならず治療にも利用されます。

梅毒の血清学的検査は従来、煩雑な用手操作、目視判定が必要であり、客観性にも疑問がもたれていましたが、近年自動測定器で測定可能な検査方法が本邦で普及しつつあります。

次回は、「2.梅毒とは」について勉強いたします。

お楽しみに!

①梅毒トレポネ-マの特徴:
屈曲した螺旋状菌・直径0.1~0.2μm・活発に回転や屈曲運動を行う・温度変化に弱く39℃で5時間、4℃で24時間以内に死滅する病原体です。

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②昔、この吉原の大門を多くの男達がくぐり、多くの男達が梅毒になったのでしょうか?!

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③吉原病院 娼婦(花魁)検診風景 このころ黴毒(梅毒)をどのように診ていたのでしょうか?
五感を駆使して診ていたのでしょうか? 「目で診る花柳病!?」

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2015年09月14日

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