泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【性にまつわるお話】 > 『避妊博物館』

『避妊博物館』

かなり古い雑誌文献からであるが、芦田みどりさん(医療ジャーナリスト)からの報告である。
 
『避妊博物館』
 
カナダ・トロント郊外に、世界中でここにしかないという博物館があります。
古代エジプトから現代まで、世界各地で用いられてきた避妊法を集めた「避妊博物館」です。
ショウケースにならんでいるのは、ゾウやワニの糞、ビーバーの睾丸、ワタの実、アスパラガス、ニンジンの種、水銀、スポンジ、小さなガラスのコップ、イヤリングみたいな金属製プラグ・・・・・・などこんなものがと思うようなものばかりです。
 
「大昔から世界中の人々が望まない妊娠を避けようとして、いろいろなことをやってきたのです」

と博物館のウォルター・マサニック氏は言っています。
「『日の下に新しきものなし』という言葉が聖書にありますが、まさにそのとおりです。
私たちが今使っている避妊法は,すべて大昔から試されてきたものばかりなのです」。
世界で最も古い避妊法は,聖書の創世記38章9節に記されています。
それは現代人にもおなじみの腟外射精です。
オナンという男が子どもをつくらないよう「地にもらした」ため、怒った神は彼を殺してしまう。
避妊の自由を求める個人と、禁止しようとする権威との戦いもまた、聖書の昔からあったのです。
女性が使える方法として最も古いのは、紀元前1550年につくられたエジプトのパピルスに記されている。
ワタをまるめてコルク状にし、アカシアとナツメヤシの実を粉末にしたものをまぶし、蜂蜜にひたして固めて女性の腟内に挿入すると「1~2年は妊娠しない」という。
これはいくらか効果があったかもしれないと考えられています。
アカシアが発酵すると乳酸を生じますが、乳酸は現代でも殺精子剤として使われているものだからです。
アリストテレスはスギ油と鉛とオリーブオイルを避妊に用いると記しています。
古代アレクサンドリアではレモンジュースや酢などをスポンジにひたしたものが用いられました。
アラビアの文献には、クロコダイルや像の糞を蜂蜜に混ぜて使うと記されています。
バリア法として最も古いのは男性用のコンドームで、古代エジプト人が使ったという記録がありますが、当時は避妊というより病気の予防に使われたようです。
現代のコンドームは、イギリスのチャールズ2世(1630~1685)の侍医だったコンドーム医師が国王のために発明したといわれています。
昔はヒツジの腸(ソーセージの皮に用いられるのと同じ)が用いられていましたが、
19世紀にラテックスゴムに変わりました。 以上。

20150624%E2%88%924.jpg
IUD(子宮内避妊具)の数々

0150624%E2%88%925.jpg
中国で使われている避妊法

0150624%E2%88%926.jpg
キャップのいろいろ

0150624%E2%88%927.jpg
上:木製のペッサリー
下:殺精子剤(?)を含ませたスポンジ




2015年06月24日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/169

Entries

Archives