泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【尖圭コンジローマ】 > 継続治療が不可決な性感染症「尖圭コンジローマ」

継続治療が不可決な性感染症「尖圭コンジローマ」

今回は週刊ポストから「尖圭コンジローマ」について 取材を受けましたのでこれを報告いたします。

週刊ポスト201272027日号の「医心伝身」に掲載されました。

取材記事は以下に示します。

第303回 あなたを癒す ふーん、ナルホド!医心伝身

 継続治療が不可決な性感染症

「尖圭コンジローマ」

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で男女とも性器や肛門の周囲にイボができる病気だ。良性で特に自覚症状はないが、乳頭状や鶏のトサカ状のイボが次第に広がる。

治療は薬や外科的治療を組み合わせるが、完治まで継続しないと再発を繰り返す。HPVの中には遺伝子型により子宮頸がんの原因になるハイリスク型もあり、ワクチン接種で予防が肝心だ。

人間の体にできるイボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因である。

男女合わせ年間約10万人が感染するといわれ、症状は男性が主に亀頭や冠状溝や尿道、陰のう、肛門など、女性は外陰部と子宮口や粘膜などに、乳頭状やトサカ状のイボができる。

大きさは1~3ミリメートル前後で次第に範囲が広がる。

大きな自覚症状はないが、痛みやかゆみを訴えることもある。

HPVは性感染症で、皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入して感染する。

潜伏期間は平均2.8か月と長く、いつ発症したのか自覚がなく感染源特定が難しいことが多い。

宮本町中央診療所(神奈川県川崎市)の尾上泰彦院長に話を聞いた。

「尖圭コンジローマの原因であるHPVは、遺伝子の方により、がんなど悪性化の可能性があるハイリスク型とローリスク型があります。

尖圭コンジローマは良性で、6型と11型のローリスク型が原因で起こります。

しかし16型と18型はハイリスク型で、子宮頸がんや陰茎がんを引き起こす可能性があります」

尾上院長の研究で、尖圭コンジローマの男性27例(28検体)に対し、PCR法というウイルスの遺伝子レベルの検査をしたところ、ほとんどが6型、11型だった。しかし、女性の22例(44検体)を対象にした検査では、16型と18型のハイリスク型が34%確認された。ハイリスク型は約50%の確率で将来がんになる可能性もあり注意が必要だ。

治療は2007年にイミキモド5%クリームが保険適用になり、現在は第一選択になっている。

使用法はイミキモド250ミリグラムを患部に塗布し、6~10時間後に水か温水で洗い流す。これを1週間に3回、最長16週(4か月)行う。

約80%で赤くなったり、ただれる皮膚反応が起こり、治療をやめるケースも多い。

イボが消えてもウイルスが残っている可能性があり、3ヶ月間再発しないことを確認して完治になる。他に凍結療法、電気焼灼療法、炭酸ガスレーザーなど外科的治療があり、患者の希望や症状を見ながら、最適な方法を組み合わせ治療する。

「イミキモド5%は再発率が低いのですが、治療に長い時間がかかるため治療意欲が低下、不安になる方が多いのが問題です。

諦めず継続できるよう医師と協力して治療するのが重要です」(尾上院長)

HPVは予防にまさる治療なしといわれ、現在HPVワクチンが子宮頸がん用に2種類保険適用になっている。一つは16型と18型のハイリスク型をターゲットにしたワクチンで、もう一つはコンジローマの原因の6型、11型と16型、18型の4種類用のワクチンだ。保険適用は女性だけだが、オーストラリアの研究ではコンジローマの女性患者にワクチン接種したところ、男性の感染も減少したという報告がある。性感染症は自覚なしに相手にうつすこともある。

尖圭コンジローマだと思ったら、専門医の受診が大切だ。

(取材・構成/岩城レイ子)

   2014081-1.jpg
2014081-2.jpg




2014年08月01日

Entries

Archives