泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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クラミジアや淋菌の〝のどこし感染〟注意

20131128日発行の夕刊フジに私の記事が掲載されました。

その報告をいたします。 記事は下記の如くです。

「この時季・・気になるこの症状」

性感染症『クラミジアや淋菌の〝のどこし感染〟注意』

 今週は「性の健康週間」。性感染症(STI)の感染部位は下半身だけとはかぎらない。

オーラルセックス=口腔(こうくう)性交をすればのどにも感染する。

のどの感染は無症状が多いので、気づかないまま感染を広げてしまう。

夫婦間であればトラブルの元。十分注意しよう。

 

【口が感染源の温床】

病気には注意しているつもりでも、もらってしまうことがある。

「口ならいいだろう」と、ついやってしまうオーラルセックスに落とし穴が。

性感染症に詳しい宮本町中央診療所(川崎市)の尾上泰彦院長が説明する。

「男性の性感染症で最も多いクラミジア(細菌)と淋菌による尿道炎の最大感染要因は、

オーラルセックス。咽頭への感染があまり知られていないため、性感染症の温床になっています」

のどの感染は症状がないのが特徴。しかも、口腔咽頭は耳鼻咽喉科領域で性感染症に対する関心が低く、見逃されているのが現状という。

【女性器は症状乏しい】

 オーラルセックスでのどから性器に感染し、性器に症状が現れて初めて相手ののどの

感染を疑うことになる。だが、女性の場合、性器に感染しても8割ははっきりした症状が出ない。

「性器の淋菌感染者を調べると、咽頭からも検出される割合は男性よりも女性に多い。

風俗店で働く女性と一般女性の検出率を比べてみても同程度。

これはオーラルセックスの日常化が原因とも考えられます」

特に男性尿道炎では、オーラルセックスだけが原因になるケースは、淋菌による感染の割合が最も高いという。

【中耳炎の原因にも】

通常、無症状の咽頭感染でも、時には別の場所に症状が出る場合があるので要注意だ。

「咽頭に感染した原因菌が耳の方まで波及して中耳炎を起こすことがあります。

耳鼻咽喉科を受診しても普通の中耳炎で治療されてしまえば性感染症が原因だとは分りません」

射精の際に原因菌が目に入っても感染経路になるという。「目に入って結膜炎を起こすこともある。

その菌が結膜から鼻涙管を通って鼻腔へ行けば、咽頭感染を起こします」咽頭感染は、うがいで菌を採取する検査で診断がつく。治療は性器感染と同じで抗生物質を使う。

淋菌は、耐性菌が存在するので静脈注射の投与になる。

「専門家で性感染症と診断されたら、必ずパートナーも受診することが大切。

その際には咽頭感染の検査も受けることがポイントです」

淋菌の症状の特徴

【男性器】尿道から黄色の膿が出る。排尿のし始めが痛い

【女性器】80%の人は無症状。黄色っぽいおりものの増量、下腹部痛、不正出血など

 

クラミジアの症状の特徴

【男性器】50%の人は無症状。尿道から少量の分泌物が出る。むずがゆい、違和感、不快感など

【女性器】80%の人は無症状。水っぽいおりものの増量、下腹部痛、不正出血など

 

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2014年07月15日

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