泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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「妻の妊娠中にクラミジア感染症になった」

私のクリニックに31歳の男性がやってきました。

『どうしたのですか?』

「先生、検査してください。2週間前に男の児が生れました」

『それはおめでとう! これからが楽しみですね!』

「でも4週間前についつい、ソープランドに行ってしまいました。
現在、何の症状もありませんが、
これから妻に何か病気が移るとこまります。検査をお願いいたします。」

『そうですか。貴方は父親になったのですから、家庭を守っていかなくてはね。
人生の節目でもあります。さっそく診察と検査をいたしましょう。
症状がある病気よりも、症状がない病気の方が怖いですから検査をして
安心しましょう』

診察に入る、視診では外性器、肛門そして口腔には異常所見を認めませんでした。
尿検査は顕微鏡検査、細菌学的検査および遺伝子学的検査を行いました。
咽頭検査も淋菌・クラミジアについて行いました。
5日後に検査成績が出ました。
なんと尿の遺伝子検査でクラミジア感染症が見つかりました。
男性ではクラミジア感染症の症状は、症状が出る方は約50%、
出ない方は約50%です。

症状が出る場合は、感染機会から約1~3週間して、
尿道口から薄い白濁した分泌物が出てきます。
そして尿道の痒み、違和感、不快感などを認めます。
この男性の場合は無症状でしたが、幸いなことは、
検査でクラミジアが発見でき治療できたことです。
さらに2週間後に治ったかどうかの治癒判定検査を行い治癒を確認できました。

「先生、ありがとうございました」

『良かったですね、これからは立派なパパになってください。家族を守ってください』

めでたし!めでたし!



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2013年12月03日

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