泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【淋病】 > 減少している“男性の淋病(淋菌性尿道炎)”(前編)

減少している“男性の淋病(淋菌性尿道炎)”(前編)

eha0112-049_m.jpg


最近、男性の淋病(淋菌性尿道炎)がかなり減少しています。
泌尿器科医としては寂しいかぎりであります。

泌尿器科の専門学会に出席した際、他の泌尿器科医も「さっぱり淋病の患者がこない」と嘆いていました。
「俺のところも殆どこない。患者は何処に行ったんだろう」
「俺のところも、そうなんだ!」

…どうしてこのような現象がおきているのか、原因は良くわかりません。
これを解析するには、全国的な疫学調査が必要となります。

しかし、さっぱり淋病の患者が来ない、来ないと思っていると、昨日、今日と立て続けに男性の淋菌性尿道炎患者が来院してきました。
専門医としては、しばらくぶりに興奮します。

患者の症状を見ると、二人とも、尿道口から黄色の膿が排出していました。排尿の初期痛も認めています。
このように排膿していれば、この分泌物をガラス板に薄く塗抹しグラム染色し、鏡検します。

顕微鏡で、多核白血球の中に双球菌が貪食されている所見を確認できれば、これを臨床的に”淋菌性尿道炎”と診断できます。

次回は、その他の診断方法と、診断から治療に至るまでの流れをご説明したいと思います。



2012年11月16日

Entries

Archives