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香港のクラミジア(後編)

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前回はパートナーが、海外でクラミジアをもらってきてしまったかも
という女性のお話をしていました。
今回はその続きです。

彼のことをまとめますと、泌尿器科を受診した彼は、おそらく尿検査で遺伝子増幅検査のPCR法,SDA法あるいはTMA法を行い、クラミジアが陽性と判明したのでしょう。

治療はクラビット500mg,11回、7日間服用し、さらにクラリス200mg12回)を714日間、服用したものと考えられます。クラミジア尿道炎の治療としては完璧な治療です。
早めに治療を受けられて良かったと思います。

さて、感染源は海外(香港)あるいはご自分とのことですが、ご自分に数ヶ月間、他のパートナー(オーラルを含めて)がいなければ、彼の海外での感染がが疑われますね。
他のセックスパートナーがいてもいなくても、検査を行い、治療もされるほうがいいでしょう。
例え検査で陰性になっても、検査結果は100%の信頼性はありませんから、治療もお勧めいたします。

子宮頸管から検体を採取するため、薬の副作用は心配いりません。
クラミジアの遺伝子検査は5日ほどで結果が出てきます。もちろん検査、治療ともに保険適応です。ただし、クラミジアの即日検査(30分ほどで判明)もありますが、これは保険適応がなく自費になります。

以上のようなことをこの女性にお伝えしたところ、自費の検査で結果がすぐに判るものをとういことで即日検査(迅速検査イムノクロマト法)を行ったところ、クラミジアがはっきりと陽性に出ました。通常のクラミジアの遺伝子検査(SDA)の結果が出る5日間を待たずに、治療を開始できることとなりました。
彼女はハッキリとクラミジアが出て、ほっとしている様子でした。
彼女とは3週間後にクラミジアの治癒判定検査をすることを約束しました。

それでは、ごきげんよう。




2012年09月11日

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