泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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淋菌の咽頭・生殖器同時感染

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30代後半の男性が来院してきました。
その男性は、慢性腎不全を患っていますが、透析は受けていません。
しかし、腎臓の薬は何種類か飲んでいました。
まだ結婚はしておらず、彼女もいないとのこと。
受診の10日ほど前にソープランドに行き、
その一週間後に尿道の先から黄色い膿が出てきて、
パンツが膿で汚れるようになり、受診して来たのです。

性器を診察すると、確かに外尿道口から膿が排出されていました。
また、彼には咽頭症状はないが、尿道炎にかかっている場合、
30%の方が咽頭感染をしていることを説明しました。

本人の希望もあり、尿道分泌物検査、尿検査、さらに咽頭検査も行いました。
咽頭検査は拭い液法とうがい液法の両方を行いました。

生殖器からは淋菌はもちろん、クラミジアも検出されました。
また咽頭からも淋菌が検出されました。

これはまさに『淋菌の咽頭・生殖器同時感染』であり、
かつ生殖器にはクラミジアまで感染したケースとなりました。

そこで淋菌感染症、クラミジア感染症の両方の治療を行いました。
彼はまじめに通院し、経過は良好です。

その2週間後、淋菌とクラミジアの治癒判定検査を行い、良くなっていることを確認しました。
めでたし、めでたしですね。
早く彼女を見つけ結婚し、子供を作ってほしいものです。

最近は性感染症の咽頭感染が増加しています。
皆さんもぜひ注意してください。




2012年07月04日

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