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「彼の金玉が3個ある!?」「精液瘤」(後編)

前回は、カップルで受診してきた彼のほうに、精液瘤の疑いがあったことをお話いたしました。
今回は、この精液瘤についてもう少し詳しくお伝えします。

精液瘤の大きさは殆どが直径2cmから4cm大ですが、もちろん、もっと大きな場合もあります。 多くは20歳~50歳代にできますが、陰嚢の腫脹だけで痛みなどはありません。
癌とも関係ありませんし、子供もつくれます。

陰嚢に触れて偶然に発見されることが多いのですが、大きくなると陰嚢が腫れて、精巣嚢腫(陰嚢水腫)との区別が難しくなる場合もあります。 精液瘤かどうかを調べる臨床診断の一つに、透光性試験があります。
陰嚢の後面から懐中電灯をあてると、精液瘤は内容が液体なので光を通しますが、精巣(睾丸)は光を通しません。こうしておおよその診断ができます。

また精液瘤に針を刺して、その内容液を採取すると、比較的透明度の高い乳白色の液体が得られます。この穿刺液を顕微鏡検査して精子が発見されれば診断がつきます。

精液瘤は小さければ、穿刺して内容液だけ採取し様子をみますが、また内容液が溜まってしまい、何回も穿刺しなければならなくなる場合もあります。
再発を繰り返す場合や大きい場合は泌尿器科医の診察を受け、手術の判断をしてもらいましょう。
この彼の場合は、精液瘤に比較的太い針を刺して、その内容液を20ccほど採取いたしました。
比較的透明度の高い乳白色の液体が得られました。

診断結果は、典型的な精液瘤でした。

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2012年03月14日

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