泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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ペニスの恥垢(後編)

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受診してきた20代後半の彼のペニスに黄色い恥垢がたまっていることがわかったところまでお話しましたね。 その診察の続きです。

『ほら、見てごらん。こんなに黄色い垢がたまっていますよ。 お風呂に入ったら、めくってあげて、そーっと優しく洗ってあげてください』
「でも、先生。自分でめくって、元に戻せなくなるのでは?」
『大丈夫です。これからは入浴時に毎日、おちんちんのストレッチ運動をしましょう』
「エッ!おちんちんのストレッチ運動?!」
『そうです。めくる!もどす!めくる!もどす!いち!にー!さん!一!二!三!です。 さらに包皮輪を左右、前後に拡げましょう。包皮輪を引っ張ります。これも、一!二!三!です』

彼に包皮輪のストレッチ運動の指導を行いました。
もちろん今回の来院目的である“ブライダル性感染症チェック” としてHIV検査、梅毒、淋菌、クラミジアなどの検査も行いました。
その後、1週間後の来院を約束しました。そして、彼は1週間後にやってきました。

「先生、どうでしたか?」
『“ブライダルチェック”のHIV検査、梅毒、淋菌、クラミジアなどはすべて陰性でした。よかったですね。おめでとう。』
「ありがとうございます。ところで、先生。以前におっしゃっていただいたストレッチ運動ですが…。 痛くて、自分では、めくって洗えませんでした」
『そうですか!努力が足りないようですね』
「それに、先生。言いにくいのですが、セックスをしてしまいました。包茎の状態で、つまり包皮を被せて、 コンドームを付けてやってしまいました…」
『これからは、恥垢をきれいに取り除いてからセックスをしてください。このペニスの状態ではセックスする資格はありません。パートナーの女性に失礼ですよ。それに、毎日のおちんちんのストレッチ運動が大切です。継続は力ですからね。必ずスムースにめくれるようになりますから』
「分かりました。これからは頑張ってストレッチ運動をやってみます」

そう言って今回の診察は終了し、今度は2週間後の来院を約束してお別れしたのでした。


2011年11月06日

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