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高齢者女性も淋病にはご用心(その2)

 

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前回、「おりものが変だ」と言って受信してきた65歳の女性が、この年齢にしては珍しく、淋菌性子宮頸管炎出あったことをご紹介しました。
くわしくはバックナンバーをご覧ください。

この女性の淋菌感染原因をさぐるべく、感染機会・性行為についての問診を進める事にしました。
話を聞いてみますと、このご夫婦は比較的高齢者でありながらSEXは週に1回程度あるそうです。
このことは大変素晴しいことだと思います。

でもこの患者さんは旦那以外とは、性的交渉はないそうです。
そこで「旦那さんはどうしていますか?」とききますと、2週間前から、ある病院の整形外科に入院しているとのこと。

「病気は何ですか」 「激しい腕の痛みがありました。病気は関節炎だそうです。抗生物質を何種類も使ったそうです。やっと落ち着いたようですが、原因は結局、分らないそうです」

私はこの話を聞いてビックリいたしました。
私が推察するには、この方の旦那さんは“播種性淋菌性関節炎”の可能性が大です。
でも今となっては何も分りません。

彼の受診した整形外科では、痛みがあった関節部の詳しい検査はしたと思われますが、男性生殖器に関する検査は恐らくしてないかもしれません。真に残念です。

さて、高齢者社会・時代の今日、高齢者といえども男であり、女であるわけですから、何歳になっても可能な限り、おおいに性的刺激、抱擁、キスなどなどをお勧めいたします。
それにより生活が、より豊かになり、心も豊かになり、人生にも張りがでてくることでしょう。

このご夫婦も健康なセックスができるようになることを、お祈りするばかりです。



2011年02月06日

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