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尖圭コンジローマの予防ワクチンに関する質問あれこれ(2)

以前の「尖圭コンジローマの予防ワクチン」のコラムについて、
読者の方からいくつか質問が来ました。

前回は「既に尖圭コンジロームになって完治した状態でもHPVワクチン接種は

受けられますか?」という内容をご紹介しました。

くわしくはバックナンバーをご覧ください。

今回は別の項目についてご紹介しましょう。

いただいた二つ目の質問は、「既に尖圭コンジロームになった人でも、そのHPVワクチンは

今後の予防策として効果がありますか?」というものです。

HPVワクチンは現在、感染している尖圭コンジローマには効果はありません。

接種をしてもそれが尖圭コンジローマの治療になるわけではありません。

しかし、4価ワクチン、特に9価HPVワクチンはHPV型:6,11,16.18、31、

33、45、52、58(低リスク型、高リスク型)に約90%近く効果が期待されますから、

予防策として接種する意味合いはあると考えます。

これらのHPVウイルスに対して効果があるということは、言い換えると、子宮頸癌、

陰茎癌には約90%、尖圭コンジローマには90%以上をカバーできると考えられてよいでしょう。

今後は、HPVウイルスやワクチンに対する人々の認知が進むことに合わせ、

接種に対する公的補助の拡充も望まれるところです。



2011年01月05日

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