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尖圭コンジローマの予防ワクチン(その1)

最近、子宮頸癌の予防ワクチンが社会的話題となっていますね。

自治体によっては接種費用が無料になったり、費用の割引を受けられるクーポンが

配布されたりしているところもあるようです。

接種対象者はセクシャルデビューしていない11歳~14歳の女児とされていますが、

もちろん、性交経験者でも45歳までの成人女性であれば有効とされています。

HPV(ヒト・パピロ-マ・ウイルス)への感染を防ぐことによって子宮頸癌を予防するという、

この画期的なHPVワクチンは、すでに世界の多くの国で使用されています。

日本では2009年の秋にGSK社のワクチンが承認されました。

だだし、日本で承認された現在のGSK社の予防ワクチンは、

2価HPVワクチン(サーバリックス)です。

子宮頸癌の約70%を引き起こすとされる「HPV16型」「HPV18型」の感染予防を

目的としており、すべての子宮頸癌を予防できるわけではありません。

2010年12月現在、わが国で承認されているHPVワクチンは

2価HPVワクチン (サーバリックス)のみです。

しかし、最近、4価HPVワクチン(MSD社:ガーダシル)が来年には承認されると

話題になっています。

この4価ワクチンにはどんな効果があるのか、次回に詳しくお話ししましょう。



2010年12月06日

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