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ペニスから出血!?陰茎小帯の断裂

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冬のある朝のことでした。
私の診療所の外来診療が始まるとすぐに、
「先生、ペニスが切れました。出血が・・・!」
と言って22才の男性が彼女同伴でやってきました。
その彼女に見覚えがあると思ったら
なんと当診療所にまじめに検診にやってくる、性風俗嬢のひとり。

まずは彼の患部を診ると、ペニスは可愛そうに血まみれ状態。
しかし、診断は直ぐにつきました。包皮小帯の断裂です。
断裂面からの出血はほぼ止まっているものの、
『先生、痛いよー!これって大丈夫?』
と、診察中に顔をしかめる彼は本当に痛そうな様子でした。

ひと通りの処置を終えて詳しく話を聞いてみると、
一緒にホテルに泊まった二人が、
起きぬけのモーニングセックスをした最中のアクシデントであったのだとか。
もともと彼の包皮小帯は、生まれつき少し短い状態であったようです。
包皮小帯が短いと、勃起した時に陰茎が十分に伸展できず、
亀頭が前側に傾いてしまいます。
俗にいう“あそび”がない状態です。
そこにセックス時のピストン運動という機械的刺激が加わり、
突然、この包皮小帯が断裂したというのが、今回の事件のようです。

いい機会ですので、ここで少し包皮と包皮小帯についてご説明しましょう。
包皮は亀頭を包む皮膚です。
亀頭冠の腹側端(裏側)と外尿道口が出会う亀頭の腹側面(裏側)正中線上、
つまり身体の真ん中において包皮は小さなヒダとなっています。
このヒダを包皮小帯といいます。
この包皮小帯と陰茎縫線とはつながっています。
言い換えると包皮小帯とは外尿道口と陰茎縫線を結ぶヒダなのです。

この彼のペニスの場合は、
今回、包皮小帯が断裂したお陰で亀頭の“あそび”ができ、
逆に自由に動けるようになりました。
このような場合、断裂面の両端の接合手術はいりません。
もし接合すれば、例え手術がうまくいっても、
また包皮小帯が短い状態になってしまい、
強い負荷がかかれば再断裂してしまうでしょう。
それを避けるためにも、断裂面の接合は行わないのです。

それから彼は再び来院することはなく、
私もその後の経過を気にしていましたが、
意外なところから彼の近況を聞くことができました。
彼のことを教えてくれたのは、自分の検診のために来院してきた例の性風俗嬢。
彼女いわく
「あれからとてもうまくいっています。先生のおかげです。ありがとうございます」とのこと。
「うまくいっている」が何を指しているのか、あえて追求するような野暮は止めておきましょう。

なにはともあれ、よかった、よかった。




2010年02月23日

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