泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【その他の病気】 > 勃起した時、曲がって痛い!(その1)

勃起した時、曲がって痛い!(その1)

先日、会社社長だという45歳の男性が診療所にやってきました。
来院の理由は、陰茎が曲がってきたということのようでした。
そこで早速問診を始めました。
 
男性
「先生、最近ペニスが曲がってきました。勃起した時痛みがあって、セックスができません。」

ドクター
「どのくらい前からですか?」
 
男性
「半年ほど前からです。」
 
ドクター
「痛みはペニスのどの部位ですか?」
 
男性
「付け根です。勃起するとお腹側に弓なりに反って、根元が締め付けられる感じです。
 その時、根元が細くなっているんです」
 
次にペニスを診察すると、根部のお腹側に硬いシコリ(硬結)が触れました。
確かに、このまま勃起すると根元が伸びないため、お腹側に弓なりに曲がってしまうわけです。
 
この病気は泌尿器科専門医が診れば、特徴的な症状と触診所見で容易に診断がつきます。
これは「陰茎形成性硬結症」、別名:パイロニー氏病です。
 
この病気はフランスのDr.Peyronie氏が、1743年に最初に報告したといわれています。
陰茎海綿体白膜に線維性硬結(硬いすじ状の組織)が形成される、良性の病気です。
勃起時の痛み、硬結(しこり)の触知、陰茎の彎曲、勃起不全などで、性交障害の原因となります。
 
それほど珍しい病気ではなく、患者さんの訴えとしては
陰茎彎曲,勃起時疼痛,勃起障害などです。
30~50代に多く見られ、陰茎海綿体を包む白膜という結合組織に瘢痕(硬いすじ状の組織)ができ、勃起した時に陰茎が屈曲してしまう病気です。
 
勃起したときに少し曲がる程度のものから、くの字に変形するものまで様々な程度があり、
上下そして左右と屈曲する方向も人によって様々です。
そして痛みのため、十分な勃起が得られず、セックスができなくなることもあります。
曲がり具合にもよりますが、性交時に挿入不能になってしまいます。
 
では、この陰茎形成性硬結症はなぜ起きるのか?
それについては次回お話しすることにいたしましょう。


2009年10月26日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/28

Entries

Archives