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HPV感染について(中編)

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前回は、子宮頚癌の原因となるHPVウィルスがどういうものかをご説明しましたね。
今回は、子宮頚癌の症状についてお伝えしたいと思います。

子宮頸癌の恐ろしいところは、初期にはほとんど症状が表れないことです。
気付いた時には、すでに進行していたというケースも少なくありません。 

病気が進行してから現れる症状は、性交渉の時に出血する、生理に関係のない出血がある、茶色のおりものが増える、悪臭を伴うおりものがでる、下腹部や腰が痛むなどがあります。 
子宮頸癌の発見が早ければ、子宮の摘出手術などをせずに、子宮を守ることも可能です。 

子宮頸癌の進行は5期に分類できます。
その5期とは0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期そしてⅣ期です。

各期の状態は、以下の通りです。
0期の状態は、子宮頸部の上皮内に癌細胞がとどまっている。
Ⅰ期の状態は、癌細胞が子宮頸部のみにある。
Ⅱ期の状態は、癌細胞が子宮頸部を超えて、周囲に広がっている。
Ⅲ期の状態は、癌細胞が子宮頸部を超えて、骨盤壁や腟の下部まで達している。
Ⅳ期の状態は、癌細胞が子宮を超えて、膀胱や直腸まで広がっている。 

しかし幸いに、0期の状態の時期に発見できれば、子宮を温存する治療ができ、治療後の妊娠や出産も可能となります。 
また、HPVというウイルスが原因となるのは子宮頸癌だけではありません。
このことについては、次回に詳しくお話いたしましょう。
(尚、MSD株式会社の資料を参考にいたしました)




2011年09月28日

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