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第2回 日本性感染症学会関東甲信越支部総会

9月4日(日)に講演会がありましたので下記にご報告いたします。

第2回 日本性感染症学会関東甲信越支部総会
日時:平成23年9月4日(日)
会場:東京慈恵会医科大学大学1号館3階講堂

学術講演2
演題:「梅毒の臨床 最前線」
宮本町中央診療所 尾上 泰彦(おのえ やすひこ)
略歴:
昭和44年 日本大学医学部卒業 泌尿器科学教室入局
昭和56年 宮本町中央診療所 開設
・日本大学泌尿器科学非常勤講師
・日本性感染症学会 代議員・認定医
・性の健康医学財団 評議員
・神奈川性感染症学会 幹事
・川崎STI研究会 代表世話人 抄録


梅毒というと、過去の病気である、AIDSが出現して以来忘れられている、全数報告であるのに医師が届け出ていない、感染しても症状がでない事が多い、検査結果はどう読むのか分からない、治療はどうするのか、抗生物質天国の日本では知らないうちに治療されているのではなどのイメージがある。
また最近は皮疹を主訴に受診してくる顕症梅毒患者は少ない。
むしろ献血、集団検診、妊婦健診、入院や術前などの血液検査で偶然発見されることが多い。
その多くは陳旧性で梅毒治癒後の抗体保有者である。
従って、スクリーニング検査で陽性を呈した場合はSTSとTPHAの定量検査により、 陳旧性梅毒か無症候梅毒かを見極めることが必要である。
また、わが国では、2010年の感染症発生動向調査によると、梅毒の総報告数は2008年をピークに減少に転じているが、性行為によるHIV感染は増加している。
梅毒を診断した際には、HIV感染の有無を検査することが推奨される。
今回の講演では当院で経験した顕症梅毒の第1期梅毒、第2期梅毒の臨床症例などを中心に診断、治療、治癒判定などについて解説する。
さらに会員の先生方に検査結果の読み方、治癒判定、治療法などについてご意見を伺いたい。


2011年09月12日

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